知らなかった…。


子供の頃、友達とプロレスごっこをしていて、よくかけてた「アイアンクロー」。


「ぐわー」とか「No,No,No!」とか言いながら、えらく盛り上がったもんですが、あの技を繰り出す一家にこんな数奇な運命があったなんて。







そう、この映画は70〜80年代にプロレスに熱中した世代なら皆知ってる「鉄の爪」、フォン・エリック一家の栄光と悲劇の物語。


ストーリーは4人兄弟の次男ケビンを中心に語られ、その濃密な家族の絆と過酷なプロレスの世界が赤裸々に映し出されます。


恐るべきは先代のアイアンクロー=父フリッツで、幼少期から子供たちに自身の価値観を植え付けて厳格に育て、全く反抗出来ない心情にしてから、自分の野望を叶える道具のように扱うという毒親っぷり。


宗教だけが拠り所の母親も、子供たちの自由を全く認めず次第に皆心を蝕まれていく。


そしてレスラーとしての栄光も束の間、次々に「呪われた一家」を襲う悲劇。


全く持って胸が痛くなるような事件が続く中、唯一の救いは深い家族愛。兄弟がお互いを思いやる気持ち、ケビンのどんな状況でも家族を守ろうとする暖かさ。泣けます。


そのケビンを演じたのがザック・エフロン。「グレイテスト・ショーマン」のフィリップ役が印象的だった、あの人ですね。


その強靭な肉体づくり、父との危うい絆や深い愛情表現の演技はノックアウト級。これがアカデミー賞で箸にも棒にもかからないとは…💢


特にプロレス好きでなくても、深く胸に刺さる人間ドラマ。ぜひ観てみて下さい。


(J)