アメリカ本国で30万部以上を売り、日本でも昨年の
「このミステリーがすごい!」海外作家部門で3位に
選ばれた話題作、遅ればせながら読みました。


$粋七日記

卵をめぐる祖父の戦争/ディビッド・ベニオフ
(ハヤカワ・ポケット・ミステリ)


時は第2次世界大戦中、ドイツに包囲されたレニングラード
を舞台に・・・と聞くと、何だか息苦しい、シリアスなものを
想像しがちですが、

ゼンゼン違います。

いや、むしろ愉快痛快、”ミステリー”って感じですらなく、
いわば冒険ものですね。友情と成長の物語でもいい。

もちろん、所々に極限の飢餓と戦争の残忍さ・愚かさはリアルに
描かれているんですが、この物語にはそれを笑い飛ばすユーモア
とペーソスがある。

例えば映画で言うと「大脱走」を観た後のような爽快感を
感じましたグッド!


まぁ元々の設定が「軍の大佐の娘の結婚式の為に、見つかる
あてのない卵を探す旅」という、ある意味寓話的なものなので、
そんなに重くなりようもないんですが、

チビでさえない主人公と、饒舌・楽天的なイケメンの二人が
交わす会話が下ネタ、ブラックジョークのオンパレードで
かなり笑えますにひひ

まるでRPGのような珍道中を綴る文体のリズムもよく、
2段組355ページというボリュームの割りに
スルスル読めちゃいます。

ま~これ、すぐ映画化されるでしょうね。すごく「画」が
見える小説ですもん。

歴史エンターテイメントの傑作といえるこの作品、
機会があればぜひ読まれてみて下さい。

(J)


↓読んでて、何だかチェスがやりたくなりました。ぽち。
ブログランキング・にほんブログ村へ
にほんブログ村
人気ブログランキングへ