1964年の出版以来、30以上の言語に翻訳され、
世界各地で人々の手に取られてきたロングセラー絵本
「おおきな木」が最近村上春樹の新訳で登場しましたね。


$粋七日記

おおきな木
シェル・シルヴァスタイン著 村上春樹訳(あすなろ書房)


作者は「ぼくを探しに」などでも有名な人ですが、実は
詩人・漫画家等活躍は多岐に渡り、何とソングライターとして
グラミー賞まで取っているというから驚きですね目

そんな経歴もあってか、この本もいわゆる「児童文学」として
書かれている訳ではなく、やさしい言葉使いながら
そう簡単にのみ込めない奥深さがあります。

しっかりと毒を含んだ文章、と言いますかドクロ


私も最初に意識して読んだのは確か20代のはじめ頃で、読後、
胸に何とも言えないモヤモヤしたものが残った記憶があります。

それが今回改めて新訳で読み返してみて、むしろじわ~っと
悲しみ(慈しみ)の感情が訪れたのには驚きました。

そんな風に、何度読み返しても心に残るものがあるからこそ
世代から世代へと読み継がれてきたのでしょうね。


また今回は、訳者によるあとがきも秀逸。

いわく「物語は人の心を映す自然の鏡のようなものなのです」。
なるほど・・・

この木は母性の象徴なのか・・・などと熱心に意味を探りながら
読むも良し、酒飲みながらパラパラ眺めるも良し・・・

読書の秋にはぜひ。

(J)


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