第58代横綱 千代の富士の言葉
「いま強くなる稽古と、三年先に強くなるための稽古の両方をしなくてはならない。」
私は、言葉通りに、
先を見据えて目標を定めて前もって進めていく大切さ、
現状に甘んじない自分を喝破する言葉と受け止めていましたが、最近少し違うのかなと感じたことがありまして。
剪定作業をしていた時のことです。
全くのゼロスタートですから、わからないことを学校やドメーヌで聞き、本で調べ、理解をし、実践してきました。
学校でもドメーヌでも「良い剪定だ。」とも言ってもらえてるけど、一つ納得のいかないことがあったんです。
それは剪定作業のスピードです。
これから生業としていくためには、スピードも大切な要素なので、大きな課題です。
ドメーヌの兄弟は10年選手ですから、別格に早いのは当然だけど、同じコースで一つ上の研修生の先輩にも全然追いつけない。
作業を分解して時間がかかっているところを見つけて、質を落とさないように、いろいろ試して。
それでもみんなの半分くらいのスピード。
できないこともそうだし、みな疲れているのに自分の畝を手伝ってくれて、申し訳ないなとストレスを感じる日々が続いていました。
とはいっても、できないことはできない。
その時に、ふと先の言葉が脳裏に浮かんできました。
「いま強くなる稽古と、三年先に強くなるための稽古の両方をしなくてはならない。」
「三年先に強くなるための稽古」
ここには、
今日やって明日すぐに身に着くことだけではない。
だからその目標に向けて、ただ日々研鑽を続けてくこと。
それが大切なんだ。と
そんなメッセージも含まれてる気がして。
できるまで努力することは当然だけど、
それで自分を追い詰めてはいけないなと。
やっても時間がかかるモノゴトも当然あること。
せっかちな自分は、
はやる気持ちを抑えて、
もう少しドッシリと取り組んだ方が良さそうです。
-------------------------------
さて、ドメーヌでは、taille(剪定)が一通り終わり、ティレtirer(枝引き)、ブリュラージュbrûlage(枝焼き)を一日中しています。
剪定後に残ったワイヤーに引っかかっている枝を、
引き落とす、引き落とす、引き落とす
集めて、手押し一輪車(ブルエットbrouette)で燃やす。
これ、地味に大変です。
寒いのにジャケットの中は汗だくで、息が上がる。
枝は引いても、巻きひげが引っかかってて、簡単にはいかないぞって。
この枝にはカビ(ベド病、うどん粉病の原因)がついているので、それが畑に残らないように全部取ります。
腕いっぱいに枝を抱えて、手押し一輪車に運んで、また集めて。
ふと顔を上げると、まだまだ続く畝。
初めて、ワインは飲んでる時が一番幸せだと思いました。笑
そして今週もティレtirer(枝引き)、ブリュラージュbrûlage(枝焼き)が続く。笑
新型肺炎のニュースが連日飛び込んできていますが、お体には十分ご留意ください!
コルトンからの朝日
ブリュエット。冬の風物詩も後2年で禁止になってしまう
この手押し車よくできています。生木なのによく燃える🔥
---
W-0079-J