寝るのがもったいない

少しでも多くを見たくて目を見開き

少しでも多くを吸収したくて息を目一杯吸い込む

一分一秒が全身の細胞のひとつひとつに沁みこむように

過ぎて行く時間が勿体なくて愛おしくて

これ以上の時間の過ごし方を僕は知らない

歩幅がどんどん大きくなる

人混みの中、縦横無尽に風を切る

どんどんどんどん刻むリズムが速くなる

今ならどこまでも行ける気がする

渋谷にあるカフェ

今年の春からアルバイトに入った彼女はきっと大学一年生

白くて、ふわふわした頬

柔らかくて赤ちゃんのような髪

大きくて黒目がちな潤んだ瞳

小さな口と薄桃色の唇

そして優しい優しい声

彼女をぼぉっと見ていたら

彼女がにっこり笑って

僕の頬は桜色のあったかい風に包まれた

思想を語ることは己の病の告白である

思想を語る者は何者かになることを拒み

何物にもならないことで何らかの生き方を掴んでいる人である

常に対立する二つの思想を共存させることは病を癒す

一つの態度を固めることはとても脆い選択である

矛盾する二つのあり方を受容することは

矛盾のない生き方につながる手掛かりである

人生完全燃焼だ

と思ってはみたけれど

完全燃焼の仕方がわからない

とりあえず燃えないことには始まらない

だから燃やしてみたのです

なんか違うよなんか違う

てか単純に燃えて熱いよ、火を消してくれ

やってることが痛いな痛々しい

そこで気づいた肝心なこと

燃やしたいのではなく燃えたいんだね

自然発火が好きな男

遅いよ君君、遅すぎだよ

気づいたは良いが、はてどうすれば萌える、違う、燃える

わからんな

思考は廻る、堂々廻り

初めに戻った、困ったな

火傷した分くらいは進歩していたかったよ

とか言ってる間にも棺桶がぢりぢりにじり寄る

もうだめだ

もうだめだ

覚えることが多すぎる

泣きたい逃げたい破壊したい

やだやだやだやだ

もう頭がいっぱいで

これ以上何も覚えられない

単純労働単純暗記

ここはモダンタイムスの歯車の中

無限地獄か蟻の巣地獄か

助けて助けて

もう頭が無駄に重たい

お寺の縁側に座って苔蒸す庭を眺める

青々した木々がサワサワ風に舞っている

水がサラサラ流れてる

緑の風が頬を撫ぜる

時々遊びにくるヒンヤリした風

心が静かに静かに包まれる

ずっと昔からある空間

霞のかかった空の色が遠くの山端に繋がっている

山と空の境目がわからない

すべてが穏やかに穏やかに曖昧な世界

柱に持たれて本を開く

そっと頁に目を落とす

ずっとずっと昔から人は憎しみ、驕り、恐怖を抱いて生きてきた

何度も何度も過ちを繰り返し

今日もまた世界のどこかで血まみれになっている

お金という幻想に憑かれて何でもできると思いこむ

幻想に覆われた地球の端で餓えた子供が泣いている

人が人を信じられず

疑いが疑いを生み出して

肥大しすぎた大国は理性を失う

力がすべてと信じ込む

我が物顔で闊歩する大国の足元で無垢の命が踏みつぶされる

数えきれない無数の雫

全部全部嘘みたい

こんなに世界は静かなのに

全部全部気が触れるほど現実の出来事

もうひとつの世界は黄泉くらい遠く離れて

永遠に交わらない異次元の空間

それでも見上げた宙は異次元の宙と繋がっている

どこまでもどこまでも

試験期間に突入し
僕らの携帯を
メーリスが縦横無尽に駆け回る
切羽詰まったメーリスに紛れて
懐かしい名前から
懐かしい話題のメーリスが
僕の携帯に紛れ込む
使われた人生に使われなかった人生が交差する
二つの世界が重なった世界


足元がぐらっと揺れる錯覚に襲われる
そんな昼下がりの講義室

いろいろなものを失った

全部全部失った

ひとりぼっちでも大丈夫

誰にもわかってもらえなくても大丈夫

すべて背負って生きて行くんだ

人を信じることなんてもうできないから

こんなことを考えるのは

自分の中に人を信じたいという気持ちがある証拠

人に理解されたいという気持ちがある証拠

人はそう簡単には分かり合えない

分かり合えると思うこと自体が傲慢だ

それでも他人を求めてしまう

自分の弱さと愚かさに人生の蜜も隠れている

みんな大学に受かった

みんな社会に出て行った

みんな自分の場所を手に入れた

そんなとき僕はひとりで

昼間から渋谷の街を歩いていた

大学の試験で四苦八苦してる友人が輝いて見えた

会社で激務をこなす知り合いが羨ましかった

自分の生きていていい場所はどこなんだろうと

渋谷の街を探し歩いた

そんな人間にあの街は優しかった

いつか自分を生かしてやりたいと願った


時は流れて今

拳をギュッと握りしめて見据えた

あの頃のスクランブル交差点が

輝いて思い出される夜の帰り道

もう一度ギュッと拳を握りしめて歩く


実を言うと今学期は月曜日が暇なので、たまった課題図書を読もうと今日は青蓮院に行ってきた。


ここの庭園が好きなので、拝観料を払って庭園の縁側に腰をおろしてもくもくと勉強してました。


疲れると隣の知恩院のお堂でぼぉーとしながらお経を聞いてました。


帰りに祇園で餅を買いました。


今日の夕方に南座の近くの鴨川のほとりで独り黙々と餅をほうばっていたのを見た方は、それが僕です。


なんかよくわからないけど楽しかった。