有名なナルキッソス。

確か英語の教科書にも出てきたと思います。

 

水のニンフであった母から生まれたナルキッソスはとても愛らしかった。

予言者がナルキッソスに対し、

「自分自身を知らないでいれば、老年まで生きられるであろう。」と予言し、

それは自分を見ないことだと理解され、

母親は家にある鏡をはじめとする自分の姿を映し出すものをすべて撤去する。

 

美しく成長したナルキッソスに男も女も恋い焦がれるが、

ナルキッソスは誰も相手にする様子はない。

ナルキッソスの心根は冷酷で、

相手がどんなに恋焦がれ、ひれ伏しても振り返ることはなく、

相手が死をもって愛を証明しても、心をちらとも動かすことはなかったのです。

 

一方のエコーは山の精で、

もともとおしゃべりだったところ、

ゼウスの浮気に加担した罪で、ヘラに言葉を奪われたのです。

相手の最後の言葉を繰り返す以外は。

この二人の出会いでエコーとナルキッソスの話が出来上がります。

二人の経歴を知ったうえで話を思い出すとどっちもどっちですね。

 

ナルキッソスは一人で行く狩猟が好きで、

そこで渇きをいやすために泉に立ち寄る。

鏡の存在や自分自身の見た目をしらないナルキッソスは、

泉に写る自分自身に恋焦がれてしまうのです。

 

以前ナルキッソスに恋焦がれて死んだ青年がいたように、

今度はナルキッソスがかなわぬ恋に狂い、自殺することになるのです。

 

姉妹の水の精や、エコーをはじめとする木の精が彼を弔おうとしましたが、

いつの間にか死体はなくなり、その場所には、

黄色い水仙(ナルキッソス)が咲いているのでした。