キッチン/吉本ばなな | つぶやくいけぴ。~今日もラジヲでまったりと・・・

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 海燕新人文学賞を受賞した本作品は、吉本ばななの存在を一躍有名作家にした作品であることは、あまりにも有名な話である。なんとこの「キッチン」は、彼女が日大芸術学部を卒業後に、喫茶店でウエイターをしながら書いた作品なのだとか。





 先日、映画化もされた「アルゼンチンババア」を読んで感動した私は、まだ読んだことのなかった吉本ばななの代表作というべき本作品を(ブックオフで買って(笑))必然的ともいう感じで読むことにした。





 さて、この本には3つの小説が収められている。


 一つはタイトルの「キッチン」、もう一つは「キッチン」の続編である「満月」、そして、日大在学中の卒業制作で書いたという「ムーンライト・シャドウ」の3本である。





 「キッチン」は、両親が若死にし、祖母に育てられていた「みかげ」なのだが、その祖母もふいに亡くなった。


 そんな、たった一人となったと思っていた「みかげ」のもとに、生前祖母に世話になったという「雄一」という青年が現れ、「みかげ」は彼のマンションで、彼の母親(というか、父親)とともに、しばらく暮らすことになる。





 両親も祖母も突然失い、どうしようもなく落胆していた淋しさや悲しみから如何に這い上がるか。


吉本ばななの作品は、そんな境遇から如何に前向きに、そして時に人生を有意義に謳歌しようとしつつ立ち上がろうという姿が描かれているところが、読んでいる者に爽やかさを与えてくれる、そんな気が常にする。





 「キッチン」の続編である「満月」。





 「雄一」の母親(であり父親)が、ふいの事件で突然亡くなるところから始まる。


 「みかげ」と「雄一」は、もっとも身近な親族を不意なところから突然失うという、同じ境遇に立たされる。





 「満月」の方は、そんなおなじ境遇を二人して、如何に淋しさから立ち上がっていくかがテーマになっている。


 やがて、そんな二人はお互い必要とする欠かせない存在同士となっていく。





 「恋愛」を超えたもっと大切なものが、二人の中に生まれてくる。


  そんなストーリーが心くすぐる素敵な作品だ。





 吉本ばななの作品は、読んでいるととても前向きで温かい気持ちにさせてくれる。


 そんな、不思議な力があると思う。


  



キッチン (福武文庫)

キッチン (福武文庫)