シャッタースピーズのテーマ

シャッタースピーズのテーマ

わかっちゃいるけどUP&DOWN

 

今年も3月になってしまい、例年より発表が遅れてしまいましたが

「このマンガが凄い!っと思うよ23-24」ちゃんとやります。

 

今年のレギュレーションですが、数年ぶりに若干の見直しを行いました。

 

 

    

2024年3月現在に連載中または

2023年中に完結した作品が対象

過去にランクインした作品は対象外

 

 

従来の「昨年ランクインした作品は対象外」という文言を「過去にランクインした作品」に修正。

これは出来るだけ新作をランクインさせるために当時設けたレギュレーションでしたが

実際、1度ランクインさせた作品が再度ランクインすることが現行のルールになってからはなかったので

文言を変更することにしました。

 

 

昨年のランキングはこちらをご参照ください。

 

 

今年は11位から20位の発表はなく、いきなりベスト10の発表です。

 

 

ベスト10-5

 

 

10位 ふたりスイッチ (月刊少年マガジン連載)

9位 おひとりさまホテル (月刊コミックバンチ連載)

8位 非合法ロマンス (月刊KISS連載)

7位 The JOJOLands (ウルトラジャンプ連載)

6位 BEAT&MOTION (少年ジャンプ+連載)

「ふたりスイッチ」は監獄学園の作者の最新作というところではあるのですが、川口が舞台でローカルネタが多くて楽しいので10位。8位の「非合法ロマンス」は「重版出来」の作者の最新作で、なんなら重版出来の完結が2023年なので、こっちをランキング上位で語りたいくらいです。月刊誌での連載で3月現在まだ3話ですが、これから重版出来レベルで面白くなるような予感も込めて8位にしました。6位の「BEAT&MOTION」はアニメーターを目指す青年が憧れのミュージシャン・ニコとMVの共同制作をすることになる、ボーイミーツガールでサブカルドリームをカムトゥルーしてしまうような一部の男性の性癖に刺さりまくってしまう青春サクセスストーリーでおすすめです。

 

それではベスト5の発表です。

 

 

 

 

 5位 二階堂地獄ゴルフ 福本伸行(著)

 

 

ずっと町中華にいればよかったのに。地獄。

週刊モーニング連載。

 

 4位 ねずみの初恋 大瀬戸 陸(著) 

 

 

殺し屋として育てられた女の子が恋をして・・・その恋の展開が怒涛。ネタバレ無しで1巻読んでほしい。

とりあえず連載は前段が終わって、これからストーリーが本格的に始まるのか、はたまたさらにストーリーがひっくり返るのか

回を重ねるごとに、予想が裏切られとんでもない話へと進行していくジェットコースター感。なのに絵はほんわかかわいい。

すごい。

週刊ヤングマガジン連載

 

 3位 かさねと昴 山田金鉄(著)

 

 

このブログでもお馴染みの「あせとせっけん」「テレワァク与太話」の作者、山田金鉄さんの最新作。

今回は玩具会社に勤める元気系女子の主人公・柴田かさねと、その同僚で女装が趣味の言わゆる女装子の榎田昴の恋愛を描いているのですが、毎度のことながら登場人物たちすべてが愛くるしい。過去作同様、恋愛漫画にありがちな不幸なすれ違いや、いざこざが全く起きないわけではないのだけど、かさねのまっすぐな人間性のおかげで、あまり拗れずに問題が解決してくれるのは読んでいて安心します。「あせとせっけん」同様に読んでいて幸せな気持ちになれる作品。

コミックDAYS連載

 

 2位 これ描いて死ね とよ田みのる(著)

 

 

伊豆大島に住む高校1年生の少女が、島の仲間たちと漫画づくりに励む、漫画愛に満ちた漫画家青春漫画。

前作『金剛寺さんは面倒臭い』ではひたすら漫画表現の限界を攻めまくっていたのに対し

今作はトリッキーな表現は抑え目ながらも、キャラクターの心情は思いっきり楽しく描いてくるので

読んでいるこっちも幸せな気分になったり、クリエイティブの世界に足を踏み入れたくなってくる

青春漫画の新しい形を感じる作品。

ゲッサン連載

 

 1位 8月31日のロングサマー 伊藤一角(著)

 

 
 

 

8月31日を永遠に繰り返す二人の男女の交流を描いたタイムリープラブコメが今年の1位。

世界でこのループに気づいているのは二人だけ。このループを抜け出すには主人公鈴木くんの「男の目標」を達成する必要がある??

タイムリープものは多々あれど、この作品が優れているのはなんと言っても「セリフ回し」と「ワードセンス」

最新話で見せたヒロイン高木さんの「…ぉおん」というリアクション一つとっても、言葉選びが絶妙。

作中に出てきた「どきどき、でもリアル」という「ときめきメモリアル」をもじった恋愛ゲームの名称や、その作中内での使い方が凄い。(最初は鈴木くんの友達が来ているTシャツに「どきどき、でもリアル」と描いてあり、のちにゲーム名と判明)

 

ごめんなさい。例が極端すぎてまったく伝わらないかもしれない。

 

でも仕方ないのである。

だって鈴木くん、恋愛漫画の主人公にしてはありえないくらい変人で空気も読めず

せっかく深まった二人の絆や恋愛も、奇行で台無しにしてしまうんだもん。

 

そんな漫画なので、具体的なエピソードよりも、ふとした言葉や名称が心に残ってしまうのである。

 

ストーリーもだいぶ終盤なのかもしれないけれど、終わらない夏休みと同様、いつまでも二人のループを見ていたい気持ちもあるし

ループを抜け出したあとの二人の進展も気になる、ほんとうにもどかしく愛おしい今年の1位にふさわしい作品です。

モーニング連載。

 

 

いかがでしたでしょうか。

上位が例年にも増して講談社、もといコミックDAYS(モーニング・ヤンマガ含む)率が高くなってしまいました。

コミックスで読むよりも連載で読んでいるほうが印象に強く残るからかもしれません。

 

ちなみに今年の11位はKAT-TUN中丸雄一の「山田君のざわめく時間 」でした。

んじゃらば!

 

 

 

どうも!iKenです。2013年から始まった、この企画も11年目となりました。昨年のこのエントリーで『来年で10周年』と言っていましたが、よく考えると昨年が10周年イヤーだったんですよね。まぁ当初は年始に前年のランキングを振り返る形式だったことや、ランキングのレギュレーションも随時変わってきたので、周年を数えることも変なのですが。

 

そんな今年のレギュレーションもここ3年同様で

 

・2023年現在に連載中または2022年中に完結した作品が対象

・昨年ランクインした作品は対象外

 

このルールでやっていきたいと思います。

 

昨年のランキングはこちら

このマンガが凄い!っと思うよ21-22

 

昨年1位の「スポットライト」に関しては一筆書きたいと昨年意気込んでおりましたが、結局書けず。今でも誰かとこの作品について語りたい思いはあるのですが、何人かにおススメしたところ、なかなか評価は得られず、結構凹んでいます。作者の三浦風さんは昨年ジャンプGIGAに読み切りが掲載されたようで、バックナンバー買って読みたいなと思っております。

 

それでは、さっそく今年のベスト20を発表したいと思います。

 

ベスト20-11

 

サンダー3(月刊少年マガジン連載)

リバーヘッド(モーニング連載)

東大リベンジャーズ(マガジンポケット連載)

クジャクのダンス、誰が見た?(kiss連載)

健やかなるときも賭けるときも(ウルトラジャンプ連載)

めぐる未来(週刊漫画Times連載)

ビンテージ(good!アフタヌーン連載)

テレワァク与太話(モーニング連載)

Dr.Eggs(グランドジャンプ連載)

ギルティ~鳴かぬ蛍が身を焦がす~(まんが王国連載)

今年はベスト20のうち11位以上にランキングはつけません。

順位をつけても誤差の範囲みたいなものなので、20選のうち惜しくも上位を逃した10作品だと思ってください。どれもおススメです。

 

 

続いて、10位から6位を一気に発表します。

 

 

10位      ウィッチウォッチ(週刊少年ジャンプ連載)

9位        ショーハショーテン!(ジャンプスクエア連載)

8位        18=80(モーニング連載)

7位        白山と三田さん(週刊少年サンデー連載)

6位        海が走るエンドロール(ミステリーボニータ連載)

「ウィッチウォッチ」 スケダンの頃よりも絵が綺麗なのとギャグの精度も高く、個人的にスケダンの完全上位互換。

「ショーハショーテン!」去年(2022年)のM-1でヨネダ2000を初めて見たとき、作中コンビの「きらめき製菓」を思い出さずにはいられませんでした。

8位の「18=80」転生やリライフ漫画は多々あれど80歳のおばあちゃんが18歳に若返って人生をやり直すという設定は珍しく、今後の展開に期待です。

「白山と三田さん」脱力シュール系かと思いきや、ちょいちょい正統派に笑いを取ってくるところがすごい。果たしてこの作品をラブコメディとジャンル分けして良いのか、読んで判断してください。

6位「海が走るエンドロール」またクリエイティブの世界に足を踏み入れたくなったり、別の新しいことに挑戦したくなったりと、読む人の背中を押してくれる作品。

 

以上が10位から6位でした。

18=80は昨年後半に連載開始したばかりで23年2月現在はコミックスも発売していない最新作です。今年は「テレワァク与太話」や「リバーヘッド」など、昨年後半に連載開始したばかりの作品が多くランクインしているのが特徴かもしれません。

 

 

 

5位        ミューズの神髄 文野 紋 (著) 

 

 

 

 

 

美大受験に失敗して以降、母親の言いなりになって生きてきた23歳のOLが、家を飛び出し再び絵を描こうと決意する人間ドラマ・・・なんですけど、この作品、登場人物全員めんどくさい。母親が毒親なのは既定路線として、主人公と三角関係を織りなす男二人も相当クズだし、何といっても主人公がブレブレでどうしようもない。それなのに読めてしまうのは作者の文野紋先生の絵の力なのか。月刊コミックビーム連載。

 

 

4位        私のアリカ 藤沢もやし(著) 

 

ヤングマガジンで2022年12月に連載開始したばかりの本作。言ってみればヤンマガ版「推しの子」です。人気急上昇中のアイドルグループ「りりかるトリック」のセンター・アリカが謎の失踪を遂げ1年、アリカのファンであり同級生でもあった主人公の宮嶋ナナは「りりかるトリック」の新メンバーオーディションに参加することで、アリカ失踪の謎を探ろうとする・・・

「推しの子」のようにいつの間にかサスペンスより芸能が話のメインにならないよう、バランスをしっかり取って展開してほしいところ。

 

 

3位        正反対な君と僕 阿賀沢紅茶 (著) 

 

 

 

ジャンプ+で連載中の阿賀沢紅茶先生によるラブコメディ。この作品に関して声を大にして言いたいのは、オタク君にギャルが惚れる系の作品とは一線を画していること。確かにヒロインの鈴木は見た目はギャルだし元気いっぱいなのに対して、相手役の谷くんは物静かなところがあるけど、その手の作品にありがちな「非現実な気持ち悪さ」がないくせに、とにかくキュンキュンが凄い(語彙力)

いや、大学生ならともかく高校生でこういうカップルが誕生することはまぁ非現実なのかもしれないけど。

ちなみにストーリーは、この二人が付き合うまでの過程ではなく、第一話から二人は交際を開始します。付き合ってからの話や周囲の反応、人間関係の変化が話の根幹になっています。7位の「白山と三田さん」も第一話から交際開始するあたり、カップルの初々しい交際を描くのはちょっとしたトレンドなのかもしれません。

 

っていうか、

っていうか、

っていうか、

若者特有の「ウザ絡み」って良くないですか?

この作品でも鈴木は谷くんに対して付き合う前はつい「ウザ絡み」をしてしまうところがあったんだけど、非モテ・非リアな高校時代を送ってきた元コミュ障にとって、異性のクラスメイトとこういうウザ絡みが出来るのってファンタジーなんですよ。さらに思うのが、私が高校生だった2000年代前半当時は「ウザ絡み」なんていう言葉はおそらくなくて、もしそういう言葉があったなら、もう少しファンタジーではない現実的なものに落とし込めたんじゃないのかなと思うんですけどね。「セクハラ」や「パワハラ」という言葉ができるまで、それらの行為が大半の人に認識すらされなかったみたいな話と似てますよね。そうだったところで、自分に真似できたわけではないのですが。脱線失礼しました。

ポップな絵柄とテンポの良さ。たまにデフォルメされるキャラクタ-描写もスタイリッシュで可愛くてかっこいい。アニメ化したら絶対ハネること間違いなしです。

 

 

 

2位        ひらやすみ 真造圭伍(著) 

 

 

 

ビッグコミックスピリッツで連載中の真造圭伍先生によるハートフルヒューマンドラマ。29歳にして、仲良しの身寄りのないおばあさんから、阿佐ヶ谷の平屋を譲り受けた主人公ヒロトが、美術大学に通ういとこのなつみを預かり共同生活を始めるというストーリー。阿佐ヶ谷の平屋で家賃の心配をせずに、きままなフリーター生活を送る彼女無し29歳。羨ましすぎる。主人公の人間的やさしさが、心をほっこりさせてくれる作品。元中央線沿線民としてもなじみ深いエリアが作中に幾度と登場して楽しい。

 

 

 

  1位        SANDA  板垣巴留(著)

 

 

 

少年チャンピオン連載、「BEASTARS」の板垣巴留先生の最新作が今年の1位。

この作品、あらすじを解説しても伝えられる自身が無いです。BEASTARSもそうだけど、世界観が特殊すぎて、まず世界観を理解してもらったうえで、序盤のあらすじを説明しないと色々成立しないんですよね。BEASTARSは「ズートピア」という良いたとえがあったわけだけど、この作品は何か良いたとえになる映画とかあるんだろうか。

ざっくり、あらすじを言うと「超少子化が進み、様々な風習が失われた近未来で、主人公の三田くんが行方不明になった親友を探すため、学園の闇に挑んでいく」ということになるんだけど、まず超少子化の近未来と、行方不明になった友人が、普通に考えてリンクしてこないからどうしようもない。そして唐突な学園の闇。毎回思うけど、板垣先生の世界観づくりは本当にすごい。そして、ストーリーはここからサンタクロース伝説が話の根幹になっていくからタイトルが「SANDA」・・・ね?意味わからないでしょ。また別の紹介の仕方をすればサンタクロースの末裔をめぐる学園バドル漫画なんだけど・・・既刊6巻にして物語を加速させるキャラクターが増えてきてグッと面白くなってきました。前作BEASTARSが少年漫画の金字塔レベルで名作なので、そこを超えてくるか、これからが楽しみな作品です。

 

 

 

いかがだったでしょうか。

今年は順位付け、とくにベスト5の決定には非常に頭を悩ませる大接戦でした。新作も多く、も少し話が進んでいればベスト10どころかベスト5入りの可能性があった作品も多かったです。それらの作品は来年ランクインできない以上、もし熱く盛り上がってきた際にはTwitterやこのブログで臨時エントリーを投稿したいなと思います。

それでは、今年もご一読いただき誠にありがとうございました。んじゃらば!!

 

 

 

このマンガが凄い!っと思うよ21-22

 

今年も3月になってしまいましたが、ようやくお披露目となりました!

「このマンガが凄い!っと思うよ21-22」

 

巷にマンガランキングが溢れる昨今、この2013年から始まったブログのランキングもルールや表現方法を変えながらも来年で10周年を迎えます。

来年は歴代ベストを決める10周年記念企画も出来たらいいなーなんて思ってるんですが、実現できるかは来年のモチベーション次第でございます。

 

ちなみに記念すべき第一回2012年のベスト3は1位「日々ロック」2位「おやすみプンプン」3位「AKB49恋愛禁止条例」でした。未だに好きな漫画上位に挙げられるレジェンド級のベスト3ですね。

 

さて、今年のレギュレーションですが昨年同様

・2022年現在に連載中または2021年中に完結した作品が対象

・昨年ランクインした作品は対象外

 

このルールでベスト20を発表したいと思います。昨年ランクインした作品は対象外ということで、一応1年経てば再ランクイン可なのですが、新作メインのランキングなので、よっぽど熱い展開で盛り上がって来たりしない限り再ランクインは無いと思います。

 

それでは今年のランキングに入る前に昨年のベスト10を振り返りましょう。

 

このマンガが凄い!っと思うよ20-21

1位        東京卍リベンジャーズ

2位        僕の心のヤバイやつ

3位        僕のヒーローアカデミア

4位        メダリスト

5位        後ハッピーマニア

6位        付き合ってあげてもいいかな

7位        娘の友達

8位        スキップとローファー

9位        ハコヅメ~交番女子の逆襲~

10位      九龍ジェネリックロマンス

 

 

東京リベンジャーズがここまで売れるとは思わなかったですね。(すでに売れてたけど)

スキップとローファーがアニメ化決定したし、メダリストも各漫画ランキングで上位に食い込むなど、アフタヌーンもとい講談社勢が強かった1年でした。

 

果たしてアフタヌーン全盛の牙城を崩す漫画が出てくるのか。

早速今年のランキング、ベスト20-11を一気に発表します。

 

20位      東京タラレバ娘 シーズン2

19位      スインギンドラゴンタイガーブギ

18位      スタンドUPスタート

17位      二月の勝者

16位      チ。 -地球の運動について-

15位      iメンター すべては遺伝子に支配された

14位      妻、小学生になる。

13位      雪女と蟹を食う

12位      adobana-徒花-

11位      九条の大罪

 

17位の「二月の勝者」は数年前に一度読んで途中で止まっていた漫画でしたが、ドラマ版が面白かったので読み直しました。柳楽優弥さんの演じる主人公・黒木が似すぎていて凄いですよね。現在も連載中の原作はドラマ版のラストのような合格ラッシュにはらならないと作者も名言しているようですが、合否以外のドラマも原作はまだまだ続くようなのでこの先が楽しみです。

12位の「adobana-徒花-」は小さな町で起きた猟奇的殺人事件の当事者となる女子高生達の上中下巻の3巻で完結するショートサスペンス。ドキドキしながら読んだ上中巻から一転、ただ答え合わせして終わった下巻は少しガッカリしてしまったのでベスト10には入れませんでした。

 

続いて今年は10位から6位も一気に発表します。

 

10位      それでも吉祥寺だけが住みたい街ですか?

9位        トリリオンゲーム

8位        夏目アラタの結婚

7位        犬と屑

6位        ガンニバル

 

10位の「それでも吉祥寺~」は「吉祥寺だけが住みたい街ですか?」の続編で、ついに街紹介が都内から離れて時に大分に飛んだりと新しい展開を迎えております。個人的に昨年西荻から埼玉に引っ越したのですが、当時の隣駅の吉祥寺を懐かしみつつ、東京に限らないいろんな街の楽しさを主人公姉妹と一緒に観ていけるのが楽しい漫画ですよね。

 

9位「トリリオンゲーム」は、「サンクチュアリ」などの劇画漫画で知られる池上遼一と、「アイシールド21」や「Dr.STONE」の原作者の稲垣理一郎がタッグを組んだトンデモビジネス漫画。池上先生の劇画なのに現代的なテンポで軽快に進むサクセスストーリーが最高です。

 

8位「夏目アラタの結婚」は殺人容疑者と獄中結婚をして事件の謎を解き明かそうとするサスペンスラブ(?)ストーリー。殺人容疑者の品川真珠のトリッキーな動きや演技が周囲をかき乱して先が読めない展開が見ものです。

 

7位の「犬と屑」は歪みを抱えた男女が交じり合う新時代の背徳恋愛サスペンス(公式引用)絵が好きなんですよね。イケメンや美人のキャラクターたちが皆どこかしらクズ野郎で、それがまたキャラクターとして魅力的でいいんですよ。

 

6位の「ガンニバル」はカニバリズムを題材に限界集落を舞台としたサスペンスなんですが、イッキよみしたくなる勢いがあってサスペンスとしてはテンポも気味悪さも最高です。最新刊あたりで若干話は停滞してきましたが、最後まで目が離せないですね。

 

というわけで、毎年ベスト10はしっかり紹介していたところを今年は6位まで早足でお送りしました。私のモチベーションの問題なのか、作品の問題なのか、はたまた司会者が今年はいないからなのか、または別の理由か。それは最後まで読めばわかるかもしれません。

それでは、ベスト5の発表に入ります。

 

 

5位        ムムリン 

 

 

 

ヤングマガジンでお笑いコンビ「ハライチ」の岩井が原作を担当する、「ドラえもん」や「21エモン」ライクの藤子・F・不二雄感満載のSFギャグ漫画です。まず現役のお笑い芸人が読み切りではなく週刊連載で漫画原作を担当することが異例なんですけど、岩井さんらしい毒とユーモアの詰まった、秘密道具が出てこない大人のドラえもんといった感じです。毎週ちょっと説教じみたところがあるんですけど、それがまた少し捻くれてて良いんです。1話完結の方式かと思っていたら少しだけストーリー要素もあって、今後の展開に期待です。先日の「アメトーーク」の「ヤンマガ芸人」で一切取り上げられなかったのは、ちょっと闇でした。

 

4位        僕とロボコ 

 

 

 

5位に続いて、4位は週刊少年ジャンプの「ドラえもん」です。

こっちは登場人物のフォーメーションがほぼ「ドラえもん」で、のび太っぽい主人公と、ドラえもんポジションのメイドロボ、ジャイアントスネ夫っぽい友人、しずかちゃんのようなヒロインらが織りなすパロディ全開のギャグ漫画です。ジャンプで昔連載していた「太蔵モテ王サーガ」とか大好きだったので、ジャンプ漫画パロディのギャグ漫画が令和に復活してくれてうれしいですね。ハンターハンターパロディですら、今の小学生は理解できないだろうに、スラムダンクパロディとか完全に少年ジャンプのオッサン化が危惧されますが、このテンションを維持して長期連載頑張ってほしいですね。蟻編パロディや、山王戦の流川桜木パロディは大好物です。個人的にはジャイアン、スネ夫ポジのガチゴリラとモツオが令和の時代にあった傷つけない笑いを運んでくるキャラなのも素晴らしいと思っています。コミックスが毎巻、人気漫画の表紙パロディなのも最高です。

 

3位        マイホームヒーロー

 

 

 

ヤングマガジン連載のクライムサスペンス「マイホームヒーロー」がベスト3にランクイン。推理小説オタクの平凡なサラリーマン鳥栖哲雄が、娘の彼氏が半グレ組織の一員であることを突き止め、また妻の実家の財産を奪うために娘に近づいていることも知ることで衝動的に娘の彼氏を殺してしまうことから、物語は大きく動きだします。

その後は、妻と協力しながら家族を守るために、犯罪に犯罪を重ねて行くんですけど、序盤の3巻くらいまでは罪の積み重ねが辛すぎて読むほど凹むくらい重たいんですよ。

ただ、5巻くらいになってくるとそれにも慣れてきてしまい、感覚が麻痺してきたらもうゾーン確定ですね。話がどんどん壮大になってきて、鳥栖哲雄の戦いは第二部は半グレ組織vs宗教団体の紛争にまで発展します。

娘の彼氏を殺したことが紛争にまで発展する。脳が麻痺して焼かれてしまっているので、もはやその壮大さに疑問を持つことはありません。この辺は映画「HiGH&LOW THE MOVIE」に通じるところがあるかもしれませんね。

第二部で一応紛争に決着がつき、最終回と思いきや、第三部の予告が発表され現在は休載中なっております。(2022年3月現在)二部のラスボスで半グレ組織の実行部隊リーダーの窪ってキャラが強すぎで、それが二部の最大の面白さでしたね。

 

 

2位      「明日、私は誰かのカノジョ」  

 

 

 

 

漫画アプリ「サイコミ」で連載中の「明日、私は誰かのカノジョ」、Twitter広告でなんとなく知っている人も多いんじゃないでしょうか?レンタル彼女やパパ活、風俗で働くいろいろな女性に焦点を当て、章ごとに異なるヒロインが描かれるオムニバス形式で展開されるストーリなのですが、第4章「Knockin’on Heaven’s Door」のサブキャラで番外編「Stairway to Heaven」の主人公ゆあてゃの破壊力は凄かった。ホスト狂いのデリヘル嬢なんですけど、腕はリスカの跡だらけだし、ストゼロをストローで飲むし、MCMのリュック背負ってるし地雷女子のアイコンを完全フル装備してるんですよ。まぁ、そんなキャラを表面的に作ることは簡単かもしれないですけど、ゆあてゃは最後まで完璧でした。少しネタバレになりますが、第四部の終わり方もゆあてゃのせいで綺麗に終わることはなくて、それがまた良かったんですよね。ちなみに、「明日カノ」のLINEスタンプがあるんですけど、「ぴえん」スタンプで描かれているゆあてゃの腕にはリスカの跡が一切ないので、暇な人はチェックしてみてください。

ひたすら、ゆあてゃについて語りましたが、ストーリー的には第四章よりも、人気の歌い手の男と風俗嬢の交際、歌い手のファンを取り巻くいざこざを描いた「洗脳」が一番面白かったですね。あと、オムニバス形式ながら、一部のキャラが大学の同級生として繋がっていたり、近い世界で起きている話なので、主人公キャラたちが複数集まったときはアベンジャーズのような盛り上がりがあります。

 

 

3位2位の発表でだいぶテンション上がってきましたね。このテンションで10位から書き直せばよいかもしれませんが、このまま1位の発表に突入したいと思います。「このマンガが凄い!っと思うよ21-22」今期のナンバーワン作品はこちら!
 

 

1位        スポットライト

 

 

 

 

月刊アフタヌーンで連載していた「スポットライト」が今期の1位なのですが、実はこの作品、実質打ち切りエンドと行っていい終わり方した作品なのです。正直、唐突に最終回を迎えた時はショックで呆然としましたし、作品としての不完全燃焼もあるとは思うんですが、それをさっ引いても私の中では文句なしの今期ナンバーワン作品です。

ちなみに打ち切り漫画が1位を取るのは2回目ですね。何の漫画家は過去のエントリーをさかのぼってください(黒歴史)

 

この作品、先に言っておきますが、合う人は合うけど、合わない人にはトコトン合わない、かなり読み手を選ぶ作品となっております。

あらすじとしては、陰キャ大学生の主人公斎藤君が、陰ながら惚れていたヒロイン小川あやめを大学のミスコンで1位にするために、学園祭実行委員ミスコン局のカメラマンとして奮闘する青春ラブストーリー・・・といえば爽やかですが、この主人公の斎藤君、大学1年生の頃から小川あやめをコソコソとスマホやデジタル一眼で盗撮していた屑野郎なんですよね。爽やかな絵柄でポップに書いてますけど、青春漫画の主人公の中では群を抜いてドン引きレベルの最低行為をしているわけですよ。そんな斎藤君と小川あやめがミスコン局に振り回されながらお互いの価値観をぶつけ合っていくのが物語になっていくんですが、あえてネタバレを言うと、かなり早い段階で盗撮のことが小川あやめ本人にバレてしまい斎藤君ドン底になるんですよ。(裏表紙のあらすじに書いてあるのでセーフ)

ドン底から這い上がっていく青春漫画になってしまうわけですが、そもそも「お互いの価値観がぶつかり合って」とかよくある恋愛漫画やドラマの定番じゃないかと思う人も多いかもしれません。

よくあるラブストーリーでも、たいてい男と女が最初は反発しあったり、片方が勘違いが原因だったりで思いっきり嫌われたりするところから始まり、トラブルなどを通じてお互い理解しあっていくのは定番ですよね。でも、こういうラブストーリーでお互い理解しあうという過程が軽くてどうも共感できなかったり、ワンパターンだったりすることが多いと自分は思うんですよ。でも「スポットライト」は、ミスコンの準備期間を通じた何気ない一言が相手の感情に刺さったり、様々な登場人物たちの異なる価値観同士がぶつかり合ったりして、読んでいる方も揺さぶられるし、登場人物達の心が動く瞬間を覗けるのが本当に愉しい作品です。

 

とにかく登場人物たちのセリフ1つ1つが素晴らしんですよ。1つだけ紹介すると、盗撮のことが小川あやめにバレたとき、斎藤くんは弁明も兼ねて小川さんに自分の想いを打ち明けるのですが、そこで小川あやめの言葉

 

「いや、斎藤くんが好きなのは齋藤くんでしょ。カメラマンの自分だけ大変でつらい!こんなに写真撮っても想いに気づいてもらえない!誰もわかってくれない。そんなかわいそうな自分が大好き。で、1人で気持ちよくなってる。~中略~もう私巻き込まないで。一生てめーでオナってろ」

 

ヒロインに「一生てめーでオナってろ」って言われる漫画、なかなか無いですよね。てめーでオナってた経験がある人には間違い無く刺さるのではないでしょうか。そんな瀕死の重傷を受けた斎藤くんですが1巻の最後で、自分でもあまり意識せずに小川あやめに会心の一撃を放ちます。ここも震えました。それは是非読んでのお楽しみに。それで言うと2巻のラスト、駅のシーンもエモかった。「スポットライト」はマジで1ページずつ立ち止まって読書会したいですね。

 

もう一つの魅力として、台詞や感情の動きだけでなく大学生活モノの楽しさもしっかり抑えてます。私は学生時代、出版サークルで雑誌を作っていたのですが、そういう企画系のサークル文化が「スポットライト」でもしっかり描かれているので、学生時代を思い出すような楽しさも魅力です。飲み会のシーンも楽しくて、小川あやめが酒で男達に完勝して周りから「スゲー!ワセ女かよ!」と言われるシーンはワセ男としても最高に好きです。

 

 

 

これだけ魅力的な作品なのですが、先に申し上げたとおり唐突な打ち切りエンドを食らってしまうんですね。最終回前話の時点でまったく終わる気配なんて無かったのにですよ。一応、最終回は駆け足ながらもちゃんとまとめたので、話の途中で強制終了させられた訳でも無いのですが、それでも最終回前の話を3話くらいかけて、斎藤君と小川さんの心の交流を、ゆっくり描いて欲しかったなという心残りはあります。

しかも、しかも、しかも、なんと最終巻の3巻は紙での発売が無く電書のみでの販売なんです。そんなに売れなかったのか!!1,2巻を紙で集めてた人間に3巻だけ電書はなかなか酷ですよ。アフタヌーンは本当にいま一番の漫画雑誌だと思ってますが、編集部の「スポットライト」への仕打ちは忘れません。まぁ売り上げが全ての世界なので仕方ないですね。

 

 

 

いかがでしたでしょうか、1位の「スポットライト」本当にもっと多くの人に知ってもらいたい、読んで貰いたい漫画です。もちろん20位から2位までの作品も気になった方は是非ともチェックして頂きたいです。そして、最後になりますが・・・もうちょっと「スポットライト」についてネタバレありで語りたいので、「このマンガが凄い!っと思うよ」至上初の延長戦を後日公開したいと思っております。本当に実現するか確証はありませんが10-6位まで駆け足だった理由はこれでした。すみません。

 

それでは、延長戦が実現することを願って、んじゃらば!!!