今年も3月になってしまい、例年より発表が遅れてしまいましたが
「このマンガが凄い!っと思うよ23-24」ちゃんとやります。
今年のレギュレーションですが、数年ぶりに若干の見直しを行いました。
・2024年3月現在に連載中または
2023年中に完結した作品が対象
・過去にランクインした作品は対象外
従来の「昨年ランクインした作品は対象外」という文言を「過去にランクインした作品」に修正。
これは出来るだけ新作をランクインさせるために当時設けたレギュレーションでしたが
実際、1度ランクインさせた作品が再度ランクインすることが現行のルールになってからはなかったので
文言を変更することにしました。
今年は11位から20位の発表はなく、いきなりベスト10の発表です。
ベスト10-5
10位 ふたりスイッチ (月刊少年マガジン連載)
9位 おひとりさまホテル (月刊コミックバンチ連載)
8位 非合法ロマンス (月刊KISS連載)
7位 The JOJOLands (ウルトラジャンプ連載)
6位 BEAT&MOTION (少年ジャンプ+連載)
「ふたりスイッチ」は監獄学園の作者の最新作というところではあるのですが、川口が舞台でローカルネタが多くて楽しいので10位。8位の「非合法ロマンス」は「重版出来」の作者の最新作で、なんなら重版出来の完結が2023年なので、こっちをランキング上位で語りたいくらいです。月刊誌での連載で3月現在まだ3話ですが、これから重版出来レベルで面白くなるような予感も込めて8位にしました。6位の「BEAT&MOTION」はアニメーターを目指す青年が憧れのミュージシャン・ニコとMVの共同制作をすることになる、ボーイミーツガールでサブカルドリームをカムトゥルーしてしまうような一部の男性の性癖に刺さりまくってしまう青春サクセスストーリーでおすすめです。
それではベスト5の発表です。
5位 二階堂地獄ゴルフ 福本伸行(著)
ずっと町中華にいればよかったのに。地獄。
週刊モーニング連載。
4位 ねずみの初恋 大瀬戸 陸(著)
殺し屋として育てられた女の子が恋をして・・・その恋の展開が怒涛。ネタバレ無しで1巻読んでほしい。
とりあえず連載は前段が終わって、これからストーリーが本格的に始まるのか、はたまたさらにストーリーがひっくり返るのか
回を重ねるごとに、予想が裏切られとんでもない話へと進行していくジェットコースター感。なのに絵はほんわかかわいい。
すごい。
週刊ヤングマガジン連載
3位 かさねと昴 山田金鉄(著)
このブログでもお馴染みの「あせとせっけん」「テレワァク与太話」の作者、山田金鉄さんの最新作。
今回は玩具会社に勤める元気系女子の主人公・柴田かさねと、その同僚で女装が趣味の言わゆる女装子の榎田昴の恋愛を描いているのですが、毎度のことながら登場人物たちすべてが愛くるしい。過去作同様、恋愛漫画にありがちな不幸なすれ違いや、いざこざが全く起きないわけではないのだけど、かさねのまっすぐな人間性のおかげで、あまり拗れずに問題が解決してくれるのは読んでいて安心します。「あせとせっけん」同様に読んでいて幸せな気持ちになれる作品。
コミックDAYS連載
2位 これ描いて死ね とよ田みのる(著)
伊豆大島に住む高校1年生の少女が、島の仲間たちと漫画づくりに励む、漫画愛に満ちた漫画家青春漫画。
前作『金剛寺さんは面倒臭い』ではひたすら漫画表現の限界を攻めまくっていたのに対し
今作はトリッキーな表現は抑え目ながらも、キャラクターの心情は思いっきり楽しく描いてくるので
読んでいるこっちも幸せな気分になったり、クリエイティブの世界に足を踏み入れたくなってくる
青春漫画の新しい形を感じる作品。
ゲッサン連載
1位 8月31日のロングサマー 伊藤一角(著)
8月31日を永遠に繰り返す二人の男女の交流を描いたタイムリープラブコメが今年の1位。
世界でこのループに気づいているのは二人だけ。このループを抜け出すには主人公鈴木くんの「男の目標」を達成する必要がある??
タイムリープものは多々あれど、この作品が優れているのはなんと言っても「セリフ回し」と「ワードセンス」
最新話で見せたヒロイン高木さんの「…ぉおん」というリアクション一つとっても、言葉選びが絶妙。
作中に出てきた「どきどき、でもリアル」という「ときめきメモリアル」をもじった恋愛ゲームの名称や、その作中内での使い方が凄い。(最初は鈴木くんの友達が来ているTシャツに「どきどき、でもリアル」と描いてあり、のちにゲーム名と判明)
ごめんなさい。例が極端すぎてまったく伝わらないかもしれない。
でも仕方ないのである。
だって鈴木くん、恋愛漫画の主人公にしてはありえないくらい変人で空気も読めず
せっかく深まった二人の絆や恋愛も、奇行で台無しにしてしまうんだもん。
そんな漫画なので、具体的なエピソードよりも、ふとした言葉や名称が心に残ってしまうのである。
ストーリーもだいぶ終盤なのかもしれないけれど、終わらない夏休みと同様、いつまでも二人のループを見ていたい気持ちもあるし
ループを抜け出したあとの二人の進展も気になる、ほんとうにもどかしく愛おしい今年の1位にふさわしい作品です。
モーニング連載。
いかがでしたでしょうか。
上位が例年にも増して講談社、もといコミックDAYS(モーニング・ヤンマガ含む)率が高くなってしまいました。
コミックスで読むよりも連載で読んでいるほうが印象に強く残るからかもしれません。
ちなみに今年の11位はKAT-TUN中丸雄一の「山田君のざわめく時間 」でした。
んじゃらば!