与那国と戦争 絵本「やくそく」(その28)
しかし、ふと思うことがあります。 あの比川浜で、手を強く握ったまま死んだ航空兵になって、お父さんがお別れを言いに帰って来てくれたのではないかと。 そう思うとき、お父さんが身近に感じられ、心が軽くなるのでした。 そして、もう戦争はごめんだ。二度と戦争をしてはならないと、しみじみ思うのでした。 与那国の戦死者181名、戦争マラリアによる死者366名、空襲による死者35名あわせて582名が、戦争で亡くなりました。 この582名の命の一つ一つに、家族や、それぞれの生活があり、そして、未来があったことを、忘れてはなりません。 そして何よりも命こそが大切であることを、忘れてはなりません。そして、「自分の命のように相手の命を大切にすること」「戦争のない世界をつくる」こと、これが、582名の命に報いる私たちがするただ一つのことだと考えます。 80年経って、お母さんはすっかり年をとってしまいました。 でも、「戦争は、してはならない」というお母さんの願いは、「やくそく」として子どもに受け継がれています。(終わり)