2024年5月1日(水)
曇り☁️

ミジュンマなぎからマイバイなぎへ。
(午後6時50分ごろ撮影)

午後6時50分ごろのミジュンマヒダです⬇️

風下なので穏やかでした。




以前、島人Aの面白い話をしました。
火事を消そうと消防車に飛び乗ったらハンドルが無かった話です。
運転席ではなく後ろの座席に飛び乗っただけですけどね(笑)

今度は船のプロペラが無くなった話をします。
この話に出る船はスゥーニガマ(サバニ)という小舟なので【船】というよりは【舟】ですね。

ある日Aはイカを釣るべくさっそうと海に出たそうです。桟橋(漁港)を出て快調に進むスゥーニ。タチャタイ(島の東側の沖合いにあるサンゴ礁の名前)辺りまでは快調な航海。

イカ釣りを前に心は弾む一方。
ところがタチャタイを過ぎた辺りで舟のスピードが突如としてダウン。

エンジンは止まっていない。むしろ快調な機械音を響かせている。しかし舟はついに停止。
停止しているにも関わらずエンジンは快音のまま。

はてな?と思ったAはエンジンを止めてスクリューを点検すべくスゥーニから海にザブン。

潜ったAが見たものは、、、
スクリューが付いていない一本のシャフトだけ。

そうです、Aの舟はスクリューが付いていないシャフトだけをエンジンで回していたのです。

分かりやすく表現すると【羽が無い扇風機】状態。羽が無いままモーターと羽を取り付けているシャフトだけが回っている感じ。
羽が無い扇風機なので当然風は起こりませんよね。

Aの舟はエンジンという動力は順調であるものの、舟の推力を起こすプロペラが無い状態でしばらく航行していたんです。
当然止まるのは時間の問題。

舟が止まったのは島から遠く離れた沖合い。
推力を無くした舟はただの流木と同じ。

これは命に関わる一大事。
「終わりえいばい」(これはマズイ)と思ったAは、一か八か、スクリューを探す作戦を敢行。

舟が通ってきた航線をたどりなが泳ぐA
元々がダメ元なので、真剣に探がそうとはしないA。そりゃ~そうですよ。

どこの世界にいつ外れ落ちたともわからない舟のスクリューが広大な海、しかも海底から見つかる訳がありません。

ところが、半ば諦めたところでキラリと光る真鍮の物体を発見!
そうです、なんと、Aは脱落したスクリューを見つけてしまったんです。

しかし、スクリューを見つけ回収したところで、それを取り付けるナットがなければスクリューはただのオモリ。なんの役にもたちません。

Aは考えたそうです。
待てよ・・ナットが外れたからスクリューが落ちた。もしかしたらスクリューを取り付けるナットはこの先に落ちているのではなかろうか。

運転席ではなく後部座席に座り「ハンドルが無い~!!」と叫んだA。
そのおっちょこちょいのAが今度は冷静に状況を分析。

更にAは通ってきた航線をたどり行く。
そしてなんとなんと、ついにAはスクリューを取り付けるナットまでも発見!

まさか、広大な海の海底で直径3~4センチのナットを見つけるとは。恐るべしA。

こう振り返るA
っさいんすぅ  ふにぬなまりーんぎにゃーど 
ひんなんうむいー  やいんきーみーったー  
ペラ~ぬにゃ~ん
あがいよ~~  んみやおわりてぃうむいー
まずがーてぃ  やいんきー  とぅみーみーったー
ペラ~まいナットまい  とぅみらうたいど
やぐいひるますむぬまいあいむぬ

何か知らないうちに舟が止まってしまった。
不思議に思って潜ってみたら
プロペラがない。
やべ~  もうおしまいだと思いつつも
ダメ元で 潜って探してみたら
プロペラもナットも見つけられた
とても不思議なこともあるもんだ

と、真面目な顔で話すA。

ナットが外れ、しばらくしてプロペラが脱落。
スゥーニガマ(小舟)はエンジン音を響かせながらも推力がないため徐々に停止。

エンジンは快調なのに、舟は停止するという摩訶不思議な現象。
Aの脳ミソは【ハンドルが無い】と同様、大混乱だったでしょうね(笑)

本来なら大惨事になるところなので笑えないけど、結果的に笑えるAの失態。
航行中にナットが落ち⇒プロペラが外れ⇒舟が止まる⇒プロペラを探し⇒ナットも見つけ⇒プロペラを取り付け⇒舟が動く、、、

まるでギャグマンガです(笑)

ナットが外れた原因は、ナットが緩み外れないようにするための割ピンが装着されなかったこと。または割ピンが折れて外れてしまったことか考えられます。

漂流するかもしれない危険な状況の中、パニックを起こさず冷静に状況を分析。置かれた状況をひとつひとつ確認しながら無くした舟の推力であるプロペラと、それを取り付けるナットまでもを発見するという奇跡的なAの快挙。

笑いと感心と、まさか!という驚きが入り交じったAの不思議な実話でした。