2023年12月27日(水)
窓から見た感じは曇り☁️

このブログにちょくちょく出てくるイラビジ。
なぜこの細長い珊瑚礁がイラビジと名付けられているか、池間島出身の皆さん、ご存知ですか?

イラビジの全長はGoogle Earthで計測すると、
だいたい下の通り⬇️


マイナス干潮時のイラビジの写真です⬇️
下の写真は、先端の一番広い場所です。
野球場や、陸上競技場がすっぽり収まる広さ。

先端の広い場所から撮影した池間島⬇️

池間島周辺や、ヤビジ海域など、池間島に関わりが深い珊瑚礁にはだいたい名前が付いています。

例えば、、
大きい珊瑚礁だから【ホゥッビジ】
ホラ貝が獲れたから【サグナビジ】
ビジは珊瑚礁。ビジの前に付く言葉は見た目の形や物。

しかしながら【ビジ】が付かない珊瑚礁名も多数存在します。
ヤビジにある【キジャカ】【カナマラ】
ミスバイヒダの前にある【タチャタイ】
などがそうです。


キジャカの由来も「鬼蛇」(又は鬼邪)を紐付けしたりしますが、それもハッキリしません。
【カ】の説明が不足しています。

池間島でキジャを用いる場面はと言うと、
未開封の酒を開封し、一番最初に注ぐ酒を人間は飲まず、先ずは鬼蛇(又は鬼邪)に捧げますという所作を行うときにだいたい用います。

その言葉は「キジャがタマ」=「キジャの分」
所作はキジャがタマと言いながらグラスに酒は注がず、屋外又はグラス以外の器に少し酒をこぼすといった感じです。

中には「キジャラがタマ」と言うと人もいますが、これは「この酒をキジャの皆様に捧げます」という意味です。

【ら】は複数を表す言葉です。
「アイツ」なら一人称。
「アイツら」なら2名以上の複数名を意味する。といった感じです。

しかしながら珊瑚礁名のキジャカと、そのキジャの接点は未だ見いだせません。
タチャタイに至っては、私はお手上げ。
推測の域にも達していません。
どうもタイ人の名前にしか聞こえません(笑)

池間島では誰でも知っていて、親しみもあるイラビジ。
でもその名前の由来を知っている人がいったい何名いるのでしょうか。

イラビジの【イラ】とは何?
池間行進曲にも♪西にはイラの干瀬(いせ)ありて♪と、ありますが、イラという単独の言葉はありません。

イラの使い方としては、
「うる~ひーふぃーるよーイラ」
訳すと【これをしてくださいねイラ】
という感じです。
何かしらのお願い事を強調する時に使うことが多いと思いますが【是非とも】とはまた違う意味合いの不思議な言葉です。

その”イラビジ名の謎”に挑戦した先輩がいます。沖縄本島在住のG・Sさんは池間島住民及び島外者の視点、更にはそれぞれの立場からみたイラビジの利用目的をこと細かく研究。

これまで池間島近海の珊瑚礁の名前は島の漁師さんが名付けるのが通例。
ヤビジ海域の珊瑚礁名は池間島の漁師がほとんど名付けたもの。

G・Sさんは、島の方言は元より、日本の古語も対象とするなど、固定観念にとらわれずあらゆる視点からイラビジの【イラ】を解明しようとしています。

その謎解きは、宮古島市総合博物館【池間島にあるサンゴ礁・イラビジの命名者について】に詳しく記されています。

実に興味深い研究に、私もワクワクが止まりません。
私が考える【第三の遠見史跡】の存在も現実味を帯びてきました。

沖縄本島方面から現在の平良港に向かう際、島から沖合い1kmにも延びるサンゴ礁イラビジ。そこを航海する者にとってはイラビジは脅威以外のなにものでもありません。

実際にそこで座礁した貨物船を私は子どもの頃目撃しています。

G・Sさんはイラビジ近くに存在するであろうその遺跡にも触れながらイラビジ名の解明に挑んでいます。

大変興味深い研究に私も加担したいほど。
「きっとあそこがその遺跡」というめぼしは以前から付いています。
あとは、そこを探検するだけです。

痛風は発症した左足から右足へと痛みのピークは移動しています。
今はとても無理なので、痛みが完全に無くなったら、じっくり探検してみようと思います。



このブログを書き終えたのは12月28日(木)
雨音を聞くかぎり外は本降りの雨。
寝たきり状態の一人暮らし生活も明日で一週間。

今のテレビ三昧の生活に於いてG・Sさんの研究はまさに救いの神。
次は【八重干瀬(ヤビジ)の形状の琉球国絵図(正保)における表現】という同氏が発表した研究書を読みまくります。

琉球王国時代に書かれたヤビジの絵図とは。
めちゃくちゃ楽しみです!