サンゴの移植法は卵から育て養殖しものを海に返す方法や、生きているサンゴの枝をわざと折って培養したものを海に返すなど、何種類かあります。
それはいずれも陸上のプールで行われる人工養殖での方法です。
それらは時間も手間もお金もかかります。

加えて、元々その養殖したサンゴが生きていた海域での移植ではなく、別の不特定の海域に移植します。
そのためか【サンゴの生態系が崩れるのではないか】そんな懸念も持ち上がっています。

一方で、我々の移植法は、移植するサンゴが元々生きている海での移植です。
珊瑚礁を造成しているサンゴが波浪などで折れ、近くの海底に落ちているサンゴの枝を一時海底から引上げる。
引上げだサンゴの枝を、元々そのサンゴが育っていた珊瑚礁本体まで移動しそのまま本体に移植する。
という方法です。

この方法は折れたサンゴが元々育っていた場所に戻すだけなので時間も手間もお金もかかりません。
生態系が崩れる恐れも全くありません。

海底から引上げた折れたサンゴの枝です⬆️⬇️

サンゴを乗せたボードを本体の珊瑚礁まで移動します⬇️

珊瑚礁本体へ移植開始⬇️

サンゴの大きさや形に応じ、珊瑚礁の穴やすき間にサンゴを差し込みます。

その時の注意は、波ですぐにサンゴが取れないようしっかり差し込むことです。



楽しみながら移植できるのもこの方法ならでは。

移植されたサンゴの枝です⬇️


以前移植したサンゴの枝が本体の珊瑚礁に固着しています⬇️

移植が成功している例です⬇️

このサンゴも固着しています⬇️

しかし、せっかく固着したサンゴが、踏みつけられ折れているのも確認⬇️
我々の努力も1秒で台無しです。
【珊瑚礁に立つな】という看板を無視する観光客に怒りが込み上げます。

自分さえ楽しければ良い。
珊瑚礁とは何かも知らない。
サンゴはとてももろいとも知らない。
珊瑚礁の再生には長い年月がかかることも知らない。
珊瑚礁が海の環境の母体であることも知らない。

沖縄県の海で遊ぶ目的で旅行を計画するなら、そんな基礎的な事は事前に調べてから来島しろよ❗️
と、声をデカくして叫びたい。

珊瑚礁を守ることで人間が唯一できるのはサンゴを傷つけないこと。
移植は単なる傷の手当てにしか過ぎません。

せっかく再生したサンゴを踏みつけて折る。
怒りしかありません。

フナクスの珊瑚礁にサンゴを移植する最大の課題。それは、いかにして移植したサンゴを観光客から守るか。それに尽きます。

移植したサンゴが波浪で流されるのは想定内。
人工物て固定していませんから。
観光客が珊瑚礁に立つのも想定内。
海の環境に対して無知がほとんどですから。

それでも生きているサンゴを踏みつけのは想定外です。
まさかいくらなんでも、、、そんな思いです。

沖縄県では珊瑚礁に立たないのは常識中の常識。ただし、溺れる恐れがある場合はサンゴを踏みつけででも珊瑚礁に立てるなら立つ。
当たり前です。

溺れないためにも、サンゴを踏まないためにもライフジャケットの着用は必須です。
サンゴの移植後の課題【サンゴが踏みつけられる】の解決にもそれは有効だと考えます。

次回、フナクスにおけるサンゴの移植は9月8日です。