写経と写仏(平成20年6月5日6日) | 海からのたより

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海龍王寺住職のブログです。

6月の初め、NHK学園さんが催しておられる「写経と写仏」を受講されている方々が、お寺で写経と写仏を体験されるために、お見えになりました。

総勢で約60名。
そのうち、写経と写仏を体験される方々は、両方で40名ぐらいです。

初日は各体験と、お寺の拝観をされ、二日目に納経・納仏式を執り行いました。

写経と写仏をご本尊さまにお供えして読経をした後、納経・納仏された方々の名前をおひとりおひとり読み上げました。


次に、納経と納仏の各代表の方が、「納経・納仏之證」を受け取られます。


(納経代表の柴山さん)


(納仏代表の小林さん)

式が終わり、私から「納経・納仏」についてのお話をしました。


私が写経と出会ったのは、平成6年にNHKで放送された写経講座で取材を受けたのがきっかけで、講師をしておられた故植村和堂先生に色々なお話を聞かせていただいたことからでした。

皆さんがお手本とされた海龍王寺に伝わる「隅寺心経」は、1300年前に書かれたものであり、これをお手本とされることは、1300年前と全く同じ物を書いていることで、直ちにその時代まで戻れるということに気がつかされました。

また、当日納められた方々の写経と写仏は一巻一巻全て、目を通させていただきました。
(写経は総人数145名で合計196巻。 写仏は総人数61名で合計98尊。)

書写されたものとはいえ、経典・仏画に変わりはありませんから、大切に後世まで伝えていかなければならないと思っています。

天平時代だけではなくて「平成の写経文化」を伝えることが、写経と関係の深いお寺の住職の勤めであろうと、皆さんが納められた写経・写仏を目の前にして、あらためて実感しています。