海からのたより

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海龍王寺住職のブログです。

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奈良学ナイトレッスン 平成28年度 第9夜
平成28年12月14日(水)19時00分~20時30分
イケ住の「新NARA見仏探訪記」

 

奈良に住む人が直接見聞きし、体験することで得た、「生きた情報」には、知った人が今すぐにでも奈良に駆けつけて、確かめたくなるような力があります。
今回はイケ住(イケてる住職)の名で知られる石川重元住職が、平城宮跡周辺にある美仏をご紹介。
僧侶ならではの視点で伝えたい「仏像の観じ方・向き合い方」をメインテーマに、奈良独自の料理や遣唐使の歴史にわたるまで、お寺やお店に直接出向き、体験、経験、見聞きしてきたことを「新NARA」の面白さとしてお伝えします。

 

上記のごとく、相成りました。
多くの方に、ご参集をいただければ幸いでございます。
よろしくお願いいたします。

 

http://www.mahoroba-kan.jp/course_form991.html

9月18日 日本橋まほろば館で講話をさせていただきます。

今までは、歴史的観点からのお話しでしたが、今回は信仰的観点からのお話しになります。

どうぞ、ご参集ください。

平城宮の祈り

平成28年9月18日(日) 13:30~15:00

~留学僧がもたらした、安らけし仏教による安らけし都づくり~

 天変地異および地方での反乱が相次いだ奈良時代、安らかな国と、人々の安らかな暮らしを願っていたひとりの女性が、唐に渡った留学僧の帰りを心待ちにしていました。
留学僧・玄昉(げんぼう)が帰国を果たすと、光明皇后は「仏教による安らけし都づくり」を始められます。

 海龍王寺と玄昉が「安らけし都づくりに」関わった経緯と経過についてお話しさせていただくとともに、天平祭の魅力と、ポスター撮影現場の様子と裏話についてもお話をさせていただきます。

[「平城宮跡と祈りの三古寺~みつきうまし祭りへのいざない~」イベント連携講演です。]

 

1.日 時 : 平成28年9月18日(日) 13:30~15:00

2.講 師 : 海龍王寺 住職 石川 重元(いしかわ じゅうげん) 。
(講師プロフィール)
1966年、奈良生まれ。1989年、種智院大学を卒業し、1990年まで京都 仁和寺において修行。1991年、海龍王寺住職を拝命。「仏教を面白く、わかりやすく伝えたい」をモットーに、仏教的な感性や感受性を大切にしながら、人・物・歴史と丁寧に向き合う。

3.会 場 : 奈良まほろば館2階

4.資料代等: 無料

5.定 員 : 70名(先着順)
6.申込方法:
・ハガキまたはFAX
 必要事項(講演名・講演日・希望時間(部)・住所・氏名(ふりがな)・電話番号・年齢)を明記いただき、奈良まほろば館までお送りください。
・ホームページ
 下記の「申込フォーム」からお申し込みください。

お問い合わせ先
 奈良まほろば館 【開館時間】10:30~19:00
 〒103-0022 東京都中央区日本橋室町1-6-2 奈良まほろば館2F
 電話03-3516-3931 / FAX03-3516-3932

※聴講券等の発行はいたしません。定員に達し、お断りする場合のみご連絡いたします。
※申込後にキャンセルされる場合は事前にお知らせください。

 

http://www.mahoroba-kan.jp/course.html

4月18日、午後3時から恒例となっております「四海安穏祈願法要」を執行いたしました。

この法要は、奈良時代、海龍王寺が宮廷寺院となり「平城宮内道場」となった時から始められ、遣唐使の航海安全や世界の平和を祈願していた法要です。

海龍王寺に残る、西金堂・五重小塔は、奈良時代の法要を知っている唯一の証人でしょうか。

平安京遷都・遣唐使の廃止等から修されなくなりましたが、海龍王寺の根本法要であることから平成16年に復興いたしました。

法要執行にあたり、数日前から準備を始めますが、各地からお送りいただいた海水の数が増えるにつれ、気分も締まってまいります。

沖の海水を汲むため、わざわざ船を出していただく方。
神事(仏事)に使うので「日の出と同時に」汲んでいただく方。
思いを記して来られる方。

海水だけでなく「汲んでいただいた方の思い」も一緒に送っていただいていることがわかります。

本堂に飾る幡(はた)などは、私が生まれる前に先代および檀信徒の方々が求めたもので、飾っていると、先に逝かれた方々のお顔や声が甦ります。

当日、献笛を行っていただく雲龍師にご挨拶させていただいた際、前夜に思案した挨拶文の雲龍師の紹介文と、雲龍師がおっしゃった献笛の意図が「寸分違わず一致した」時、「この日、この時、一緒に法要を勤めさせていただく定めだったのだ」と強く感じました。

今年の法要は、私を含めて4人の僧侶で勤めさせていただきました。

宗派内における「声明のスペシャリスト、読経のスペシャリスト、讃・鉢のスペシャリスト」に出仕していただきましたが、導師の私が居なくても法要が進んでゆくかと思うぐらい完璧でした(^^;

海龍王寺は、他の大寺とは異なり小寺ですので、僧侶と参拝者の方々の距離が非常に近く、一番近いところでは1メートルないかもしれません。
(いうなれば、ライブハウスのようなもの)

距離が近いということは、僧侶の所作(作法)が全て見えることとなり、少しでも間違った所作や荒い所作を行うと、参拝の方の目に留まってしまいます。

声明も読経も所作も、ごまかしが効かないので、本物でないといけないのですが、全てにおいて本物でした。

壇上に安置する「龍王御霊」も、古来より海龍王寺に伝わる正真正銘本物ですし、参拝の方に受けていただく「龍王の御分身」も正真正銘の御分身です。

法要の途中で雲龍師の献笛がございましたが、声明が続いているかと思わされるような、まったく違和感ない見事な演奏であったことから、うっかり聞き入ってしまい、修法の進行を忘れてしまいそうになりました。

法要が終わり、参拝の方が誰も居なくなられた本堂で、ひとり片づけをしている最中「私は何と幸せな坊さんなのか」と思いました。

平城宮の内道場で執行されていた法要と同じ法要を執行させていただくことの重みと責任とを、あらためて感じた平成28年4月18日。

機会があれば、正真正銘の法要を、ぜひご体感ください。
保山さんがカメラマンを勤められた、往年の番組である「真珠の小箱」で「どこか違うお寺の風景を見ているような感覚」に陥りました。
アップになった小さな花のひとつひとつに宿る命まで、残らず写し撮っておられます。
小さな花も、風に揺れる枝も、風で揺れているのではなく、それぞれの意思で揺れているようです。

「海龍王寺」
陽を浴びて、風を受け、中門の向こうは白い波が打ち寄せる極楽浄土のようだった。

その思いを映像にしてみました。


いつもより少々長い動画ですが、最後までご覧ください。
よろしくお願いします。


海龍王寺参道にあるピンクの雪柳。
造園業社の社長が植えてくれました。

「想い出や。可愛いがったってや!と、おっしゃっていましたが、この世に居れる時間が長くないとわかっておられたからでしょう。

「オレのこと、たまには思い出してや」

風に揺れる花が、語りかけてきます。