宿命天中殺の運命論＊「日座天中殺」

宿命天中殺の運命論：

「日座天中殺」

「日座天中殺」は、「甲戌」と「乙亥」の２つの干支のみです。しかも命式中の日干支に算出したものが対象となりますから、年干支と月干支の場所に算出した場合は、「異常干支」として扱わなければなりません。

年干支＝戊　子

月干支＝丙　寅

日干支＝甲　戌／乙　亥

天中殺＝申酉天中殺

＊＊＊＊＊

＊日座天中殺

宿命天中殺の「日座天中殺」は、六十干支の中で、「甲戌日」と「乙亥日」の２つを「日座天中殺」と言います。

しかも「生日の干支」に算出されない限り対象となりません。

この２つの干支が意味するものは「甲戌」、「乙亥」そのものが天中殺ではなく、天中殺の現象を強く受けやすいと同時に、「現実的な空間現象が纏まりがたい」という特色のある干支と言うことです。

中でも「甲戌」が陽の現象に強く現れ、

「乙亥」が陰現象に強く現れます。

この日座天中殺は干支そのものに現実有形の「東西が備わっていない」形であり、「甲戌」と「乙亥」は、申酉天中殺の西方欠落なのです。

加えて「甲」と「乙」は、東方の空間です。

従って東方と西方の空間現象を除いて、考察しなければなりません。

このような姿は、現実の社会生活の中でどんな状態を作り出すのかを考えますと、「未来を見通す力（東方）」と「物事をまとめ上げる力（西方）」が不安定な状態にあります。

これは精神的に弱いわけではなく、現実の形になりにくいだけです。

もし、新しい仕事を行おうとして前進する場合、長時間における経過の見通しが浅くなるために、目上をはじめ周囲の人たちの意見を参考にしようとするでしょう。

しかし東方は欠落しており、残されている現実ラインは「中央の現在」のみであるため、他人の助言を取り入れているように見えても、自我の強さや頑固さが強く働いてしまうのです。

日座天中殺の人は、仕事の中に親、兄弟、親類縁者を多く招き入れ、望まなくても自然にそのような形になりやすいのです。

これは策略や知略に長けているのではなく、本質は精神界にあり、心の中には純粋さが宿っているのです。

何かに取り組んでいるときは、「現在」という時点だけに、素晴らしい才能が発揮されることになります。

人間は常に「現在の積み重ね」が人生という重みをつくり、それが生きてきた証と考えるものですが、「日座天中殺」にはそれが当てはまらないのです。ただし「現実的には」と言うことで、精神的には別問題です。

つまり現在の努力が次の瞬間において過去のものとなった場合、積み重ねではなく消滅していくと考えなくてはなりません。

このような姿となって常に前進しており、決して人生が止まっているわけではありません。故に「活動的、行動的な人」という評価を受けるのです。

人間は過去が消えるとき、必ず早い速度で前進するエネルギーを誰もが所有しておりますが、日座天中殺はその特色が顕著なのです。

日座天中殺が女性の場合、生家から離れがたくなり人生の長い時間、親や兄弟、姉妹に影響されることが多くなります。

本来、日座天中殺は男性であれ、女性であれ、身内に対してある面では優しさを持ち、ある面では捕らわれてしまうという状態が生まれます。

そのために女性の場合は、特別の環境変化がない限り婚期が遅くなってしまいます。

日座天中殺の女性の結婚運を「反華運型」と呼んでいますが、特殊な結婚のパターンが生まれてきます。

これは若い時代に、結婚不可能な男性との交際が生まれやすく、それにより精神的葛藤の末、平穏な普通の結婚生活に入るというパターンになりやすいのです。

これは配偶者の場所が「西方」であり、恋愛における恋人の場所が「東方」です。西方も東方も欠落しているために、順当な恋愛がそのまま結婚へと繋がることが少ないのです。

そこで東方の未来を諦めたような状態の中で、あるいは全ての希望を諦めたようなときに、結婚運が生じてくるのです。

つまり「東方」を打ち切ったことにより、ある種のあきらめ結婚の形になりやすく、日座天中殺の女性にとっては、波乱の後の結婚が実に平和なものを作り出します。

しかし、何の波乱もなく平穏な家庭生活に入りますと、結婚後に波乱の多い人生となりやすいものです。

＊＊＊＊＊