日干と星による本能世界*
「玉堂星」
玉堂星は、「習得の本能」を持つエネルギーですが、これは龍高星と同じです。
しかし玉堂星は同じ学びでも直接的な学びではなく、「間接的な学び」に特長があるのです。
玉堂星の学びは、静の中で未知なるものへの探究心であり、そこには「座して学ぶ」という行為となり、保守的な「待ち」の思考法となるのです。
書物により未知なる世界を知り、聴くことにより知るわけですが、先人から残された一つの知識をさらに深く、広く解釈してその内容を完璧なものへと仕上げていくエネルギーです。
玉堂星が所有する「学び」、「知る」と言う本質は常に完璧さを求め、長い時間の線上に存在しているのです。そこに「伝統」、「知性」、「古典」などの意が現れてくるのです。
龍高星が未知なるものへの探究心で、改良、改革につながったものが、玉堂星は未知なるものを知り得たがために、知り得たものの「完璧さ」を創り出すのです。
玉堂星の創造には伝統に支えられ、原理、原則を踏まえた創造性になります。しかし人間の創造性とは何かを学ぶために生まれる力であり、学ばずして創造性のみが生まれることはありません。
また学問的なことだけではなく、実生活の不便さなどにより学ぶことが多く、そこに新しい創造性が生まれるのです。
しかし、自然界の法則は、人間の動なる知恵が時代の変動を生み出し、静なる知恵が時代の安泰を生み出すものです。
ひとつの民族が生まれ変わろうとすれば龍高星の知恵に頼り、平和な安泰を作り維持していこうとすれば、玉堂星の知恵を拝借すべきでしょう。
それぞれに役割があり、全ての星が一堂に会して初めて世の中が成り立ち、人間社会の存続が可能なのです。
その中には善も悪もあり、吉も凶も、陰も陽も共に存在しなければ成り立ちません。
そこに真の人間生活があり、人間の運命を作り出す原動力となるのです。
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<例>
年干支=庚 戌
月干支=辛 丑
日干支=癸 卯
赤字が「日干」です。
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玉堂星の本脳世界
*日干が「甲」から生まれた「玉堂星」
直なる知恵、伝統を受け継いで行く知恵。
①大河の流れの一部分で古典的な思考性。先人たちが遺した伝統を守る民族意識が強い。
②玉堂星の知恵は現実的な世渡りの知恵になり、精神世界より現実世界で発揮される知恵。
*日干が「乙」から生まれた「玉堂星」
曲なる知恵。どんな環境にも順応する知恵。
①乙から生まれた玉堂星は柔軟性があり、生活上のアイデアが豊富で、さらに変化に強い要領の良い知恵。
②性情的に清濁・善悪両面を持つため、本質的な知恵は真の人間性が理解されにくい。
*日干が「丙」から生まれた「玉堂星」
明・暖の知恵。明るい臨機応変な知恵。
①丙から生まれた玉堂星の根底は「応用の知恵」となる。特徴的には「有」から、さらに新しい「有」を創造する。
②「改良・再生の知恵」を得意とし、明・暖の知恵は、古い知恵を新しい知恵に改善する傾向にある。
*日干が「丁」から生まれた「玉堂星」
孤・明の形をした知恵。「市井の哲学者」。
①独特の鋭い感性から引用される説得力には、市井の哲学者とも言われ、精神的な交流を保つ人が多い。
②玉堂星の「孤・明の知恵」は、幅広い分野で精神界、現実界とも同じ度合いで発揮される。
*日干が「戊」から生まれた「玉堂星」
不動の知恵。揺るぎない知恵。一途な知恵。
①不動の知恵や一途な知恵には、環境の役割が大きく作用し、成長する過程で後年の姿を変化させる。
②「静なる知恵」は固定観念が強く、揺るぎない知恵となり、伝統性を強く維持する特徴がある。
*日干が「己」から生まれた「玉堂星」
広平な知恵。道徳的な常識の知恵。
①日常生活に欠かせない知恵となり、あらゆる部門で道徳的な常識によりバランスを保つ知恵。
②広く万人に愛され理解されやすい知恵で、自然発生的に逞しく即効性のある知恵。
*日干が「庚」から生まれた「玉堂星」
鋭・剛の知恵。行動と知恵が一体化。
①鋭・剛の知恵は実践的な知恵を生み出し、行動中の学びや行動を意識した知恵と化す。
②幅広い分野で職業や仕事に直結する学問など、創造的な芸術の道を進みやすい。
*日干が「辛」から生まれた「玉堂星」
柔・鋭の知恵。特別意識に支えられた知恵。
①特別意識に支えられた知恵は、他人より自己の知恵が優位という自覚に安住を得ようとする。
②柔・鋭の知恵とは創造力は大きく、精神界の世界の貢献に相応しい、企画性や計画性では最大の力を発揮。
*日干が「壬」から生まれた「玉堂星」
流・動の知恵。人生の多面性など波乱の中から知恵を得る。
①波乱から学ぶ知恵は体験などで得るものが大きく、周囲の導きや助言には最大の燃焼となる。
②流・動の知恵には自然発生的に本質の中に無欲な一面があり、人生と知恵は区切られる傾向にある。
*日干が「癸」から生まれた「玉堂星」
暗・流の知恵。加齢するごとに集積する知恵。
①暗・流の知恵とは「旅する知恵」とも言われ、時間を掛けて諸々の知恵を集め、やがて大海の知恵となる。
②時間を伴う学問や芸術には良さがあるが、急激な変化や単発的な企画・計画には対応が難しい。
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