幼少期の算命学
星の育ち方*龍高星
龍高星は北方に位置する星であり、知的なエネルギーを所有していますが、この星の知性は天性のものではなく、幼少期のあり方によって相当に異なります。
ある意味では努力により身につける知性となるのです。思考の根元にあるものが「不思議さ」から出発し、何事においても「どうしてだろう」、「何故だろう」という疑問が思考の特質を作り出すのです。
しかしエネルギーの本質が「動」であるために、行動、行為によって知ろうとし、それ故に無口な幼少期を作り出すのです。
また逆の現象で現れる場合もありますが、その時はよく喋り、明るくても子供らしさがなく、同年代の友人との会話より、大人の会話の中に入ろうとするのです。
「無口」であれ、「おしゃべり」であれ、両方とも老成的要素を持つエネルギーから生まれてくるため、龍高星の子供が「無口」へ傾けば、書物などによって物事を知ろうとする特性が生まれ、孤独の中での学びの本質が現れます。
幼少期と言えども、子供という観念で評価できないのがこの星の質であり、読む書物にも子供らしさが欠け、本来なら大人が好む書物に無理なく接していきます。
この場合は本人が理解できる、できないは別問題であって、例え理解できなくても、自分から溶け込んでいこうとするのです。
このような傾向から、子供らしさや活発さが失われていきますが、他の星と異なるところは動きがなくなることにより、思考力が異常に強まり、いつの日か爆発的な創造力や発明心が生まれてくるのです。
龍高星は動きを留めることによって、思考力が横に広がるのではなく、縦に深くなっていくのです。
しかし、それに対して動きが活発になると思考力は深くならず、横広がりの構造を作り出していくのです。
このように「静」と「動」2つの行動が思考構造に変化をもたらす訳ですが、行動が「動」に転じた場合は、横へ広がる思考になるために、さらに新しい疑問が生まれ、それを解決するためにさらに動くという状態が生まれてきます。
さらに自分自身で体験しないと納得しない本質が、龍高星特有の「放浪性」を帯びてくるのです。
大人たちの目からは、無鉄砲な無計画な性格のように見えますが、すべての行動が疑問から出発しており、本人にとっては、むしろ本能的に動いているのです。
龍高星の欠点が極端に現れる場合は、電車などで遠くの町へ無意識に来てしまうなどの状態が現れます。
これは1枚の絵を見るような感覚で、「この電車はどこまで行くのだろう」という疑問により、乗ってしまうわけで、そこへ行きたいという目的ではないのです。
そこで終点に着いて、大人たちが「何故ここに来たのか」と問いただしても、答えられないのです。何故なら終着駅が目的ではなく、電車がいくところであれば、どこでも良かったのです。
また龍高星には表現力に独自性があり、簡単に手際よく喋ると言うことができません(但し言葉による場合)。簡単すぎて足りないか、回りくどくてポイントがぼやけるかのどちらかです(幼少期)。
ここに大人たちが理解に苦しむ要因があるのですが、さらに孤独性が増してくると、人生そのものに安定性のない思考性が形成される危険を伴っているのです。
このような思考法は表現力にスピードを要求できず、特にお年寄りなどとの生活の中では、実に見事な燃焼をしていきます。
換言すれば、体験の少ない人や諸々の知恵のない人と付き合うと、心の中が知に対して飢えるのです。
そのために両親が若かったり、物事を知らなかったりすると、必然的に放浪性が生まれ、博識であったり高齢であれば「静の方向」へと進み、探究心となって現れるのです。
龍高星の特徴として、物事を表面的にのみ捉えないで、側面からも捉えるために、物を見ても自己の思考がすぐには纏まらないのです。
そのために何かの影響が入り込んできても、まとめるまでに時間がかかるのです。
龍高星の思考の根元は、表面的には単純ですが、頭の中は実に複雑に稼働しているのです。
*中央が「龍高星」の理想的な配置
中央=龍高星
北方=①鳳閣星 ②調舒星
南方=①車騎星 ②牽牛星
東方=①禄存星 ②司禄星
西方=①貫索星 ②石門星
*「龍高星」の特徴
①特質=国際的センスの放浪者
②気質=創造と破壊、改革性、離別、改革、好奇心、パイオニア
③五行=水性
④五徳=智徳
⑤陰陽=陽
⑥本能=習得本能
⑦純濁法=濁性
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