幼少期の算命学
星の育ち方*車騎星
車騎星が中央にある人は単純明快で、直情的な気を所有している星ですが、それゆえに思考の傾向も純粋そのものです。
この星の特徴として、状況や状態と言った流動的な事象から物事を学ぶことは少なく、常にひとりの人間からのみ大きな影響を受けることになるのです。
もともと直情の気を持っているために、疑うと言う行為は非常に少ないために、往々にして両親や兄弟の犠牲となり、また犠牲的な精神が大きく作用するのです。
自分自身が誰かの役に立っていると言うことで、大きな喜びを感じる本能があり、小さくして父親のために何事かをなそう、母親のために自分の力量を発揮しようとする傾向があるのです。
このような発想は車騎星が「西方の気」を所有しており、西方には補佐役と言う「座気」が宿るために現れる現象ですが、自己の両親を過大評価するという弊害もあり、必要以上に身内をかばう行為が現れてくるのです。
これは「守る」とか「愛する」という行為ではなく、身内間において争うことがあっても、対外的には身びいきとなるのです。
こうした行為をもたらす思考とは、相手が求めるものを与えようとするわけですから、自己の本質を発揮するというのではなく、例え自己の本質と異なっていたとしても、相手が求めるものを追求するのです。
そのために自己本来のエネルギーは外側に現れることになり、家族間に対する内側には現れにくくなります。
この状態は、現実の生活の中でどのような姿になるかと言えば、特に幼少期は両親に見せる態度が実に従順であり、俗に言う「良い子」ですが、学校生活や友人間においては、実に自分勝手なところが現れたり、粗野な人間性を見せたりするのです。
もともと車騎星の本質は従順なエネルギーではなく、相当に激しい行動力を所有しているのですが、両親や師など目上に対しては、実に従順な態度を見せるのです。
従って極端な二面性があるように見られますが、本人は二面性どころか常に一貫した思考に支えられていますから、相手が求めるものを現すと言う、思考の特質が宿っているのです。
この現象は世の中へ出ても現れる傾向があり、その結果、敵と味方がはっきりと区別されるわけですが、車騎星の思考法は両親なり回りが期待したり、頼りにすると、それに対して報いようとする努力が生まれ、自己の力量以上のものを発揮していくのです。
ちょうど司禄星の期待の思考とは正反対の形で、期待されることにより伸展していくエネルギーなのです。しかも他人のために行動することで車騎星の思考は固まるために、対象が多ければ多いほどエネルギーの稼働が大きくなるのです。
一家のために、両親のために、仲間のために、民族、国家のためにと言う想念へと広がっていくわけですが、対外的には中庸の思考がなくなってしまいます。
極端に現れる場合は、一家のために外で悪事を働いても、身内を助けようとするわけで、「内側の善」とか「外側の悪」も保有するのです。
それだけに幼少期の車騎星には、両親のリードが重要であり、思考の出発点において、両親が何をもって喜ぶかを本能的に探すのです。
このように車騎星の思考性は、両親の質により決定されると言っても過言ではなく、両親が物質的なものを喜ぶ人であれば、必然的に現実思考となり、精神を喜ぶ人であれば、自然の内に精神的思考となっていくのです。
古来より車騎星を「武器」に例える慣例がありますが、味方の「生」を望み、敵に「死」をもたらす。
一つの「武器」が善悪の境目に存在するわけですが、車騎星の思考法がこのありさまによく似ているのです。
しかし若年期において、何らかの憂える事柄に出会えば、それが国家であれ民族であれ、時には忘れ去られた事柄であれ、生涯を通じて我欲を捨てて、死をもいとわない活動力が生まれてくるのです。
*中央が「車騎星」の理想的な配置
中央=車騎星
北方=①貫索星 ②石門星
南方=①禄存星 ②司禄星
東方=①鳳閣星 ②調舒星
西方=①龍高星 ②玉堂星
*「車騎星」の特徴
①特質=のんびりできない働き者
②気質=闘争、前進力、積極性、スピード、短期、直情、単純
③五行=金性
④五徳=義徳
⑤陰陽=陽
⑥本能=攻撃本能
⑦純濁法=濁性
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