参考文献 〜 「志村けん 160の言葉」(志村けん) | ジャズベーシスト 池田 聡 のブログ

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参考文献 〜 「志村けん 160の言葉」(志村けん)

 

 

 コントで共演者に求めるのは、基本的にお芝居がちゃんとできる人ですね。それと、「死ぬ」ということがわかる人。たとえばドリフターズで言うと、加藤茶さんがウケる場面では、ほかの人たちは自分は「死なせて」、加藤さんを助ける芝居をする。ある人を「生かす」ために、その場で自分の存在感を消して、あえて引き立て役に徹することができるかどうか、ということです。いつも「俺が、俺が」と自分が出ていこうとする人とは一緒にやりたくないですね。通行人や電車の乗客など、黙っている役柄でもちゃんと自然な演技ができる人じゃないと。(p162)

 

 リーダーとしての資質でもっともたいせつなのは忍耐。それから心を込めてやっていればいつかは通じる、わかってくれるってこと。あとは自分で見本を見せるしかないんじゃない。
 やっぱり人を動かそうとする前に自分が模範にならないと人はついてこないよね。(p178)

 

 やはり、芸事は芸人の基本。(p192)

 

 若いときは舞台を走り回るのが当たり前でしたけど、今は無理。その代わり、動き続けるのではなく、いきなりパッと動くなど、急な動きで動作を大きく見せる。静と動をうまく使い分けることで、インパクトが出るようにしています。(p242)

 

 どうせ死んだらずっと寝てられるんだから、生きているうちは苦労したほうがいいね。(p248)

 

 最近のお笑いを見ていると、客を裏切ろうと意識しすぎなんだよね。すると、ついていけないお客さんもいるし、一部の熱狂的なファンから先に、なかなか層が広がっていかない。実際は、お客さんが予想できるネタのほうが難しいと思います。「こうなるだろうな」と想定できて、それでも笑わさなくてはいけない。それにはかなりワザがいりますから。(p250)

 

 上に立つ人間が「なんとかなるよ」くらいの甘い気持ちだと、下は言うことをききません。常に「いや、ここは譲れない」「まだまだこれでは足りない」という姿勢でいないと。「もう、これでいいんじゃないの?」と思ったら、そこでおしまいでしょう。そのためには自分に厳しくならないと、話にならない。自分自身が率先して、「いや、まだまだあるはずだ」という取り組み方をしないと、人はついてきません。(p250)

 

 一番辛いのは、やっぱりウケない時ですね。ちょっとタイミングをはずして、「あっ、いけない」と思ったとたん、いや〜な汗が脇腹をツーっと流れるんですよ。それが本当にイヤだから、いっつもコントのことを考えてるんです。
 舞台で間をはずした時は、はっきりわかります。テレビはある程度ごまかしがききますが、厳密に言えば、間の取り方ってすごく微妙で、コンマ何秒の世界です。(p255)

 

 僕だって行き詰まることはよくある。お笑いのネタでも、出ない時はホントに何も出ないからね。そういうときは映画や本を読んで勉強してる。こういうセットで、こうしたら面白いなとか、映画見ながらメモを取っているよ。(p261)

 

 真似することは悪いことじゃないから。真似もできないようなら、その仕事が合っていないってことだし、真似ができたときは、自分を通してそれをやっているわけだから、自分のモノになってるんだよね。自分のカラーが付くから、真似じゃなくなってくるんだよ。(p264)

 

 よく〝ベタな笑い〟って言われるんだけど、それは〝腕〟がないとできないんだよね。ここでこうなってこうなるって分かってて笑わせるんだから。飽きられないために手法を変えたりするんだけど、それもベタができてないとできない。
 舞台なら内容の6割が、こうなってこうなるという予測通りに運んで笑えるっていうくらいがいい。6割予測通りに進んで、あとの4割は予測がつかないってのが、お客さんが一番楽しめて、気分良く帰れるんだよ。(p267)

 

 ドリフのすごいところは、「1人がウケたら、全員がウケたことと一緒だ」と皆が考えていたことなんだ。
「全員集合」のコントというのは、その時に一番勢いのある奴を生かすように作っていたんだ。まず、最後に登場する僕の笑いを皆で考える。その笑いを超さないための登場の順番を考えていく。最初に高木(ブー)さんの笑いがあって、仲本(工事)さんの笑いがある。そして、加藤さんから、僕の笑いにつないで「志村けんは面白い」となっていく。そういう意味では、天狗なんかになるわけがないし、ホントにチームワークの笑いだったと思うんだ。(p275)

 

 こんな僕が、もし若い世代に何か言えるとしたら、2つのことだ。よく平凡なサラリーマンなんて言うけど、絶対に皆どこか違う。なのに劣等感を感じて生きている人が多すぎるように思う。自分は自分で、ほかの誰にも代われない。みんながそうやって自身を持ったら、すごく楽しいよ。どんな人だって、必ず存在している意味があるんだから。
 もうひとつは、みんなそれぞれ違う人生なんだから、自分の好きなことを探して、それを一生懸命続けてみてほしいってこと。僕の場合は、それはコントで、これからもずっとこだわっていく。(p277)


【目次】 
まえがき 志村がいた日々 加藤茶
第一章 夢の原点 コンプレックスと才能

第二章 ザ・ドリフターズ 天命と知る

第三章 愛しのキャラ すべて子供から学んだ

第四章 お笑い道 文化人になってはいけない
第五章 あなたに感謝 愛情、友情、恋情

第六章 僕の居場所 一人になって考える知恵

第7章 人生の見つけ方 石を投げてみよ
 

 

 

 

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