初めに知っておきたいジャズの最重要ルール(ボーカル編) | ジャズベーシスト 池田 聡 のブログ

ジャズベーシスト 池田 聡 のブログ

演奏活動やレッスンについてつらつらと書いていきます。

初めに知っておきたいジャズの最重要ルール(ボーカル編)


まず知っておきたいジャズの基本ルールは
1コーラスを単位としたサイクルで回っていることです。
このサイクルに則っていれば、一応ルール上は正しいと言えます。



初めに知っておきたいジャズの最重要ルール(インスト編)
に続きボーカル編。

これまでも何度か取り上げて来て、
前回のインスト編とも基本的には同じ内容です(^▽^;)
ボーカルの観点から再度まとめてみます。


このブログでは頻繁に紹介している本、
デレク・ベイリー「インプロヴィゼーション―即興演奏の彼方へ/工作舎」のアイデアを元に私がまとめたジャズの三要素

伝統的なジャズは
 1:曲を
 2:一定のテンポで
 3:繰り返し
演奏をする、というのが基本ルールです。

1コーラス(32小節のものが多い)を単位としたサイクルが
一定のテンポで回っている
これがまず知っておきたいルールです。

伴奏者のソロもただの間奏ではなく、基本的には同じサイクルで演奏を進めています。

初心者の場合、もちろん歌そのものも心配はあると思いますが、
まずはきちんと歌い出せるか、というところが懸案事項でしょう。

前テーマについては、イントロがせいぜい4小節か8小節といったところなので待っていやすいですが、後テーマについては、"待ち時間"が長く適切に歌い出すのが難しく感じるのではないでしょうか。
しかも、慣れ親しんだカラオケなどとは違い伴奏はアドリブなので、印象的なフレーズを頼りに歌い出すわけにもいきません。
そのために構成を把握して歌い出す必要があります。

上記の通り、歌もソロも1コーラスを単位に繰り返しています。
ソロ中もコーラスの進行を意識しておく必要があります。

上手く出来なかったと思ってしまうひとつのケースとして、
サビ戻りを企図して歌い出そうとしたら、ソロとぶつかってしまって、その後、狼狽えて歌えなくなってしまうことがあります。

当初の歌い出しがジャズのルール上、適切な位置であったとしても、そのルールを認識出来ていないことが要因です。

サビの箇所でサビから歌い出す、
コーラスの冒頭で冒頭から歌い出す、
これが基本です。

この例のような歌と伴奏の"衝突"はミディアム以上のテンポの曲で起こるケースです。
この"衝突"はルール上の間違えではなく、あくまでも表現上のこと。
ミディアム以上のテンポでソロがコーラスの半分というのは短い感じがする、
という音楽のテイストの問題ということです。

もしこのような"衝突"があったら、
○押し切ってそのまま歌い続ける、
○譲ってコーラスの「あたま」「あたま」から歌い出す、
○もしくは「あたま」の箇所で合図をしてサビ戻り
といった対処が出来ます。

いずれも1コーラスを単位に繰り返して演奏しているというルールを意識出来ている必要があります。



こちらもご参照下さい。

ジャズボーカル ~ 後テーマの歌い出し(1)
ジャズボーカル ~ 後テーマの歌い出し(2)
ジャズボーカル ~ 後テーマの歌い出し(3)
ジャズボーカル ~ 後テーマの歌い出し(4)バラード
ジャズボーカル ~ 後テーマの歌い出し(5)迷ったとき
ジャズボーカル ~ 後テーマの歌い出し(6)1コーラスの単位を確認しましょう


ジャズベーシスト 池田 聡 のブログ
↓ぜひ応援よろしくお願いします↓

にほんブログ村 音楽ブログ ジャズへ