第85回
全国都市問題会議
文化芸術・スポーツが生み出す
都市の魅力と発展
10月12日から13日かけて青森県八戸市八戸公会堂で標記会議が行われました。全国から1800人の方々が集まりました。
この度の会議は会場の都合で抽選がされるほどの人気で、なんとか入場ができ学んできました。
まちを挙げての大歓迎でした。
(1日目午前の部)
主催者などの挨拶があり、東京藝術大学長の日比野克彦氏から基調講演がありました。当初、「アートの役割って何だろう?」というテーマがどのように「まちづくり」につながっていくのが疑問に感じていました。
しかし、話を伺っていると日本各地で美術館などの館長・監修をしている中で、「アートには人の心を動かす力がある」ために、「共生社会」をつくることでアートコミュニケーションが起こり、一人ひとりにあったケアと社会参加をデザインすることができる。結局は人と人とのつながり・心が通じ合うものであるとありました。
その中の一具体例として、香川県三豊市は文化意識の高い島で、昔の瀬戸内海の沈没船から引き揚げたレンガで象のシルエットを作り、海に浮かべるというイベントの紹介がありました。年に一度のことですが、多くの方が参加し見学者が様々なところからやってくるというものでした。
また、リバプール国立美術館では認知症の方が思い出を語る「メモリーズ」を行うことで、認知症の進化を遅らせるような効果があり、福祉施設のような位置づけになりつつあるとのことでした。
このような文化的な処方を行うことで、行政費用が削減され、その人自身の「生活の質が高まる」ことで、アートは生きる力につながる内容が報告されました。
話を聞き終わると、アートには生活の質を高める効果があるものということを認識しました。
次に主催市の熊谷雄一八戸市長からは「八戸市の文化・スポーツによるまちづくり」について報告がありました。
八戸市の中心市街地がいわゆる「シャッター通り」となり、昭和の風情が漂う「8つの横丁」などが寂しいものになっていたようです。そこで市民や有識者による協議会を立ち上げ、振興策を検討してきました。その過程で地域資源の再評価や地域課題にアートの力を活用して取り組むアートプロジェクトの必要性がビジョンとして示され、中心市街化地域地活性化が喫緊の課題として取り上げられました。ハコモノの建築には反対意見もありましたが、2011年に新たな交流と創造の拠点として開館した「八戸ポータルミュージアム はっち」をオープンさせ、地域資源の魅力を創出・発信、文化芸術、産業、観光、市民活動、子育て支援といった多目的な施策を展開するようになりました。
☆まちなかにあるアート作品
私が面白いと思ったのが、「酔っ払いに愛を~横丁オンリーユーシアター」というアートプロジェクトです。市内各所の空き店舗を活用し、展示やパフォーマンスなどを行うことでまちの活性化を図るというものです。本市においては「いけおん」「落語会」などのイベントを飲食店などの協力を得て行っていますが、「人が集まる」ことを意識してプロジェクトを実施しています。
市長は、はっちや八戸美術館・マチニワなど5つの主要な拠点を「種をまき、人を育む、100年先の人材を育てる 5館連携プロジェクト」として実施している実情を報告してくれました。この話の詳細は午後からの吉川ディレクター、2日目の今川氏の話の中でより深く理解ができました。
☆「マチニワ」の写真
たまたま出会った八戸市議会議員さんにお話しを伺ったところ、中心市街地に収入が見込めないハコモノ施設を建設には多くの反対があったそうですが、当時の市長さんがまちの発展のためにご苦労されたそうです。
しかし、この度の全国都市問題会議が開催されるくらいにまちの活性化がされたエネルギーに感服です。
(続く)



