少し前からお伝えしている仕事の続きです。
弊社から車で五分、いつもお世話になっている地元の墓地、五条西山共同墓地にて合祀墓の建立に取り掛かっております。
合祀墓というのは永代供養墓の一種で、家族や家系などに関係なく、どなたでも供養することのできるお墓のことです。
近年、お寺の境内墓地などに建立されることも増えていますが、このほど五条西山共同墓地でも建てられることになり、弊社にご用命いただいたのは光栄なことです。
さて、前回の記事では新しい巻石を据えるための基礎工事を行なった、というところまでお伝えしておりました。
鉄筋を組んでコンクリを打って、といったことですね。
今回はその続きですので、基礎の上に延石を据えていくところからです。
きちんと基礎打ちを終えている場合、巻石を置いていくのはそれほど難題ではありません。
基礎は仕上がりの高さから逆算して打たれていますし、延石は寸法通りきれいに切られたものですので、もちろん重い石で大変とはいえ、位置を合わせて据えていけばいい、ということになります。
昔ですと、長い石を全部きれいにカットするのは大変だったので、外に見える部分だけを美しく加工し、外から見えなくなる足元なんかはギザギザのままで、現場で高さを合わせるのが職人の腕の見せ所、ということでもあったようですが、昨今は完全加工された延石ですので、そういった苦労はほぼありませんね。
古い巻石を解体して、そのまま組み直すという場合はまた別ですが。
さて、今回の巻石ですが、一般の墓所に使うものと同様のくり階段型で、階段の両脇や四隅など、要所には補強用の金具が入ります。
写真二枚目の左の方をご覧ください。
コーナーにはL字型の金具を入れるのに対して、延石を二本継いだ部分には真っ直ぐの平たい金具を使います。
こうして巻石が出来上がってくると、次は合祀墓の納骨スペースを作ります。
これも通常のお墓のカロートと同様に、板石で箱を組むといった形になります。
一般的な納骨室より薄い部材を使っているのは、普通の納骨室はその上に乗る墓石本体を支える必要がありますが、こちらはそういった必要がなく、純粋な納骨のためだけのスペースだからです。
巻石の内側、納骨スペースの周囲には新しい土とクラッシャーを入れて、よく締めます。
転圧をかけず、踏めば足が沈むような状態の土に石塔など建てると、すぐ傾いてしまいかねませんからね。
土を締めるのも非常に大事な工程のひとつです。
土は巻石の内側いっぱいに入れません。
というのも今回、巻石の内部は玉砂利で仕上げるのではなく、石張りで仕上げることになっているからで、その分土は延石の天端より下げておく必要があります。
こんな感じでとりあえず一段落ですね。
この先、納骨用の扉を付けた基壇部分と石張り、基壇の上には宝塔を建てる、などしていくわけですが、少し長くなってまいりました。
キリもよいのでこのあたりで稿を改め、続きはまた次回ご報告したいと思います。
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