今回からご紹介する施工事例は、お墓の巻石についてはリフォーム工事を行ない、元々立っていたお地蔵様や小さな石塔を移動させて、真ん中に新しい石塔を建てさせていただくというものになります。
リフォーム工事を伴う新規建墓工事というわけですね。
ありがたいことです。
場所は押熊町の共同墓地です。
弊社からは車で15~20分といったところでしょうか。
当ブログでも何度も取り上げてきた、お世話になっている墓地のひとつです。
実際の墓所をご覧いただいた方が、具体的な説明もわかりやすいと思いますので、まずは現場をご案内いたしましょう。
次のような区画です。
既に巻石が置かれた区画の中に、四つの小石塔と、手前にはお地蔵様も置かれています。
写真では向かって右側の区画と巻石を共有しているかのように見えますが、これは目の錯覚効果みたいなもので、実際には独立している区画です。
で、新しい石塔を建てる前に、巻石のリフォームの部分から入っていくことになります。
一般に巻石のリフォームと申しますと、すべて解体して、基礎を打ち、真っ直ぐに据え直すというのが基本になるわけですが、今回の区画、実は巻石の下に間知石(けんちいし)があります。
これもあらためてご説明しますと、間知石というのはお城の石垣のようなもので、墓所に高さを出す時に使われます。
石垣みたいな石組みを設え上に、通常の巻石と同様の延石を据えるわけです。
傾斜地なんかですと、前と後ろで高低差ができますので、低い方を補うために部分的に間知石を組むというケースもあります。
で、間知石があった場合、リフォーム工事にどういった違いが出てくるのかというと、作業について二つの選択肢が登場します。
ひとつは、間知石組みまで解体して、全面的に外柵を据え直すというケース。
そしてもう一つは、間知石はそのままにして、上の延石だけを据え直すというケースです。
間知石がある程度しっかりしていれば、延石部分をやり直すだけでお墓はきれいになります。
もちろん、間知石の状態によりますし、全解体してやり直す方が頑丈なのはもちろんなのですが、それだと工事がかなり大がかりなものになって、費用も上がりますしね。
無論、最終的に選んでいただくのはお施主さん、ということになりますが。
今回は間知石には手を付けず、上の巻石についてのみリフォームを行ないますので、まず区画内にあるお地蔵様などを一旦外に搬出してから、延石の解体作業に取り掛かります。
このようにきれいに巻石が解体されました。
灰色っぽく見える無数の欠片は、間知石の上に延石を固定していたセメントを壊した破片です。
これらを掃除し、間知石の天端をきれいにしてから、延石をあらためて水平に据え直していくことになります。
しかしキリのいいところでもあり、少し長くなってもきました。
この辺りで稿を改め、続きは次回ご報告したいと思います。