元宝塚歌劇団 立ともみ先生@宝塚パリ祭2024 | 茶々吉24時 ー着物と歌劇とわんにゃんとー

本日2回目の更新です。

 

日本のシャンソン発祥の地、宝塚市。

2006年から宝塚市内に住む演奏家や音楽愛好家などで構成する市民団体

「宝塚シャンソン化計画」が立ち上げられ、

夏に「宝塚パリ祭」が開催されるようになりました。

 

私はストレッチのレッスンでお世話になった元宝塚歌劇団 立ともみ先生が初出演された2010年第4回 宝塚パリ祭から拝見しています。

 

新型コロナウィルスの影響で1回お休みしたものの、今回17回目を迎えた宝塚パリ祭。

 

 

昨年は立ともみ先生がお膝を痛めて出演されなかったため、私は2年ぶりに拝見することになったのでした。

 

宝塚パリ祭は2日に分けて行われます。

今年ともみ先生は本日、1日目にご出演。

ともみ先生と同じくらい楽しみにしている 玉田さかえさん、森本理子さん、シモーヌ深雪さんも同日ご出演ということで、嬉しい!!

 

私が拝見した前回、2022年はコロナの影響で出演者はまとめて数曲歌い、衣装替えなしでの開催でしたが、今日は第1部、第2部に分さんしてお衣装も変えて登場され、ようやく以前の華やかさが戻ってきた感じでした。

 

プログラムをご紹介しつつ、覚えている範囲で感想を。

 

【第1部】

⚫︎水の中の環/吉田幸生

 

⚫︎パリの屋根の下/    須山公美子

 アコーディオンを弾きながら登場された須山さん。

 イントロを聞いた瞬間「あれ?違う歌じゃない?」と私の頭の中にはハテナマークがいっぱい。

 私はプログラムをチラッと見て「パリの空の下」と思い込んでいたんですよ。

 ローガン、嫌ですねぇ。

 須山さんは黒字に大きめの花がらの膝丈ワンピースをお召しで、そのワンピースが可愛くて!

 「あのワンピ、欲しい」

 アコーディオンとシャンソンの相性は抜群で、開幕にぴったりでした。

 

⚫︎あたいはパリっ子/シモーヌ深雪

 照明の影響で、ピンクか赤かはっきりしませんがマーメイドラインのドレスで登場したシモーヌさん。その妖しさは健在でした。

 本当に癖になります。終演後、ツーショットをお願いしたいといつも思うのですが、気の弱い私は今年もお願いできませんでした。

 

⚫︎ジプシーの恋歌    /村山奈緒美

 「お前のためなら牢獄で(監獄かも)死んでも構わない」と、熱烈な恋情を捧げるジプシーの歌。

 最初は単に情熱的なだけかと思ったら、だんだん狂気を帯びてきて、怖い!!

 黒いドレスに身を包んだ村山さんの、押さえ気味なテンションから徐々に隠しきれなくなる状態までの変化がすごかったです。

 今日聞いた歌の中で私のなかのベスト5に入っております。(何を偉そうに?!)

 

⚫︎あとには何もない/奥田佳子

 紬ふうのジャケットに白いパンツ姿の奥田さん。

 高音がちょっとしんどそう。体調がお悪いのかな、と勝手に心配していました。

 

⚫︎I Love Revue/立ともみ

 1977年雪組から花組へ続演された『ザ・レビュー』の主題歌。

 先日の宙組公演『The Grand Escalier』でも歌われていて、私は懐かしさに思わず泣きましたわ。

 ともみ先生は花組でご出演になっていたんですね。

 歌う前のMCで、昨年は膝を痛めていて出演できなかったこと、これまでに骨に関して5回ほど手術をしていて大好きだったダンスも見る専門になってしまったことを語られました。

 「ですが、旅行や大好きな観劇となるとスイスイ動けるのが不思議です。今日も(舞台上で)歩けるので出演しました。大好きな大谷翔平選手を見習って「諦めない」、頑張ります」と意気込みを語られました。

 私は先生の舞台を2年ぶりに拝見しましたが、お世辞抜きで、今日の先生はいつも以上にお綺麗でびっくり。肌の艶や、表情が、数年遡ったかのようだったのです。

 

 お歌に関しては正直にいうと、「I Love Revue」はピアノ1本で聴くのは少々寂しかったです。

 やっぱり大劇場のオーケストラでの記憶が鮮明すぎて。

 先生の歌唱がどうこうではなく、この曲にはオーケストラと大劇場の照明が似合うのだと思いました。

 先生のお衣装は白いブラウス(下がドレスだったかパンツだったか思い出せません😅)パールのネックレスが素敵でした。

 

⚫︎ピギャールの女たち/河野洋一

 歌う前のMCで、妻に浮気されてピギャールに入り浸るようになり、今では自分も若いお姉さんにいれあげていて、妻の浮気を責められないというような語りがありました。その後フランス語で歌われたので、もしかしたら歌詞の日本語訳だったのかもしれません。イメージ作りをしておられたので、フランス語の歌でも歌の世界に溶け込むことができました。

河野さんは黒いシャツに黒いズボン、体つきががっしりしておられて、見た目は私のなかのシャンソン歌手のイメージとはちょっと違います。だけど当然サラリーマンとは趣が違い、私は歌を聴きながら

「もし何も知らずに河野さんと電車で乗り合わせたら『この人、何をしている人なんだろう?』って悩むだろうなー」なんてことを考えちゃいましたよ。

 

⚫︎ひとの気も知らないで/森本理子

 黒いドレスに、パールネックレスの重ね付けがおしゃれ。

 年上の女性の、若いツバメ(歳下の想い人)に対しての想いを歌っておられました。

 なんだか切なかった。

 

⚫︎そして今は/星奈佐和子

 白いドレス姿の星奈さん。宝塚パリ祭で拝見するたびに書いていると思いますが、宝塚歌劇団に在団中の星奈さんはおとなしげな、どちらかといえば平凡な感じのする娘役さんでした。

 退団後、こんなに堂々と、朗々と迫力たっぷりに歌う方だったとはと、びっくりしております。

 ただ、アップテンポなアレンジで、星奈さんの常に声量たっぷりの歌い方が、大変失礼ではありますが、やや一本調子に感じました。あくまでも私の好みの問題ですが、私の中では「そして今は」は、気だるそうに、ゆったりとした歌、というイメージなので。

 

⚫︎18才の彼/玉田さかえ

 サテンかな?黒い艶のある生地に左肩からシルバーの飾りを施したロングドレス。素敵。

 森本さんが歌った「ひとの気も知らないで」に感じたのと同じ、切なさを感じました。

 きっと私が今の年齢で、歳の離れた彼氏ができた時のことを想像しながら聴くからでしょうね。

 若い彼には未来があり、いくらでも選択肢があるけれど、年上の彼女にはそれがない。彼が心変わりしてもプライドと愛情の両方から彼に追い縋ったり恨み言をいうこともできないのよ、きっと。悲しいわー。シャンソンって、聞いている人が自分ごととして捉えて、物語を膨らませちゃうのね。

 

⚫︎夜のメロディー/  シモーヌ深雪

 青い総タイツ(モジモジくんの帽子なしバージョン)にシルバーのビキニ着用、と言ったらわかっていただけるかしら。そこにオーガンジーのマントを羽織っていらっしゃいました。毎回「こう来たか!!」と思わせていただきます。

 歌唱力があるから色物に見えないのですね。(褒めてますよ!!)

 

⚫︎女歌手は20才/河野洋一

 1曲目の同じ衣装。

 この歌、20歳の若い歌手の歌、かと思いきや、ちょっと違うんですね。

 聞き込んでいると、もしかしたらすでに中年に差し掛かっているかもしれない歌手が、自分を作り込んだり、思い出に浸った上で舞台に出ると20歳になる、ということかな?と解釈しました。

 シャンソンって色々考えさせられますわ。

 

⚫︎私の最後の意志    /須山公美子

 須山さんの歌い方や声はすごく独特。

 いつも思うのは口の形がほぼ「E」「エ」の形だということ、

 あんまり口を縦に開かず、横に開いた形で「あ」や「お」の音も発声しておられます。

 今日の私のお席はかなり前だったので、ずーっとお口の形を観察しながら

 「口を横に開いた状態で、これだけ滑舌良く あ、おの音が出せるってすごいな」と思っておりました。

 

⚫︎さくらんぼの実る頃/川島弘

⚫︎愛の讃歌(なかにし礼訳詞)    川島弘

 川島さんは90歳を超えておられるはず。

 舞台には、ノルディックウォーキングのスティック二本を使って登場されました。念のために、スタッフがいつでも介添できるように側につきながら。

 舞台中央に据えられた椅子に座っての歌唱です。

 舞台に登場されたそのお姿に、客席には一瞬心配そうな雰囲気が漂ったのですが、歌い始めるとその声量にびっくり。声には艶もあります。すごい、素晴らしい。惜しみない拍手のうちに第一部が終了しました。

 

 

【第2部】

⚫︎Everything Must Change ~移りゆくすべてに〜/玉田さかえ 

 黒いシンプルなドレス。サイドにグレーのプリーツがあって、歩くと綺麗に広がります。素敵なドレスだわ〜。

このうたはシャンソンではなく、アメリカのシンガーソングライターの曲なのですって。

 恥ずかしながら、私はこの曲だけではなく他にも初めて聞いた曲が多かったです。

 

⚫︎たそがれの雨/村山奈緒美

 大ぶりな花柄のドレス。このドレスが着てみたい、でも私が着るとパタリロっぽくなるだろうなぁ。

 

⚫︎わたしは一人片隅で/奥田佳子

 青いジレ、下はワンピースだったかな?

 愛する人が他の人(若い女性かな?)に惹かれていく様子を片隅から見ている女性の歌。

 だからと言ってその男性に直接恨みごとを言うでもなく、運命を静かに受け入れているの。

 悲しいわー。

 なんだか今日の宝塚パリ歳は、中高年女性が悲しい想いをしている歌が多い気がする。

 ある程度歳をとった女性にとっては辛い歌が多いなぁ。

 歌の終わりに、セリフがあるのだけれど、奥田さんのセリフがすごく良かったです。この歌の主人公のことがますます可哀想に思えて。

 

⚫︎脱走兵/星奈佐和子

 黒いドレス姿い。

 歌は、兄を戦争で失った上に、自分も召集令状を受け取った兵士の話。

 人間を殺したくない、誰かの血を流すくらいだったら自分の血を流す方がマシ、と言う兵隊さんの歌。

 私、以前もこの曲を星奈さんの歌で聴いた記憶があります。

 星奈さんの力強い歌い方が、この歌にはとてもマッチしていて、何度聞いても感動します。

 

⚫︎ヨイトマケの唄/森本理子

 黒いパンツに黒シャツ、黒くてちょっとよれっとしたコート、黒い帽子。土木作業で働くお母ちゃんのイメージですが、コートの襟部分に少し紫色の生地が見えるのが舞台としてオシャレ。

 文字通り「子供は親の背中を見て育つ」と言う歌。聞く前から、理子さんの「ヨイトマケの歌」は良いに決まっていると予測していました。

 案の定、思わず泣いてしまったし、斜め前方のご年配の男性はハンカチで涙を拭っておられました。

 今まで理子さんといえば、黒いドレスに鞭でも持って、少々狂気を帯びたような歌を期待するところがありました。その特異な世界が癖になっていたのです。まさか理子さんに泣かされるとは。

 

⚫︎おお我が人生/立ともみ

 黒地に金色の星が描かれたブラウスに黒いパンツ。

 いつの日か、小さくても輝く夢を手にしよう、今は苦しくても耐えよう、という歌。

 私がともみ先生にストレッチを教わった年月は他の生徒さんに比べると短い時間でしたが、

 それでも先生の前向きなパワーをいつも感じていました。

 歌詞が、ともみ先生にピッタリだなと感じましたわ。

 

⚫︎はかない愛だとしても/村上純那

 FM宝塚主催の第10回宝塚歌謡選手権上位入賞記念出場。

 宝塚シャンソン化計画の主宰者でもいらっしゃる須山公美子さんが「若い歌い手さんが育ってこそシャンソンの未来は明るくなる」とおっしゃっていました。

 まさに、その通りで30歳にもなっておられないようにお見受けする村上さんは希望の星かも。

 とても素直な歌いぶりで好感が持てました。(また謎の上から目線)

 単純にただいま恋愛中の若い女性の歌かと思ったら、口の上手い彼氏を「あえて信じる」女性の歌でした。また悲しい歌だったわ。

 

⚫︎あなたが好きでたまらない/河野洋一

 シルバーのシャツにお召しかえ。

 河野さんの歌は、特別あくや癖はないように聞こえるのですが、3曲きいてだんだんと、中毒性があるような気がしてきました。もっと聞いてみたいなーと思わせる方です。

 

⚫︎哀しみの終わりに/森本理子

 真っ赤なドレス。

 何もかも無くしたとしても、必ず救いはある、初めからやり直すんだ、と励ます歌。

 今回理子さんは、3曲とも人生を感じさせてくれました。

 シャンソンはそもそも人生の歌だとは思うけれど、特に。

 

⚫︎愛しかない時/奥田佳子

⚫︎セフィニ~幕は下りた〜/須山公美子

 ごめんなさい。この2曲のお衣装や曲がちゃんと思い出せません。

 心から拍手した覚えがあるのですが。残念!

 

⚫︎もしもあなたに逢えずにいた/村山奈緒美

 真紅のドレス。

 美しいメロディーに乗せて「あなたのおかげで人生の美しさを知った」と語る歌。

 

⚫︎無力なキミへ/玉田さかえ

 黒地に白いピンストライプの上から「freedom」と手書きふうの文字が描かれたジャケットに黒いパンツ。

 歌は、宝塚パリ祭にほぼレギュラーのように出演されていたRIOさん(如月怜生さん)の曲だそうです。RIOさんは2022年の2月に亡くなられたのでした。まだお若いし、直前まで舞台に立っておられたようなのに、その陰では10年ほども病と闘っておられたそうですね。

でもこうして歌い継ぐことで、魂は残るのかもしれません。

 玉田さんがつけておられた指輪はオニキス(黒曜石)に見えました。RIOさんへの弔意かな、と感じましたよ。

 

⚫︎愛の讃歌(岩谷時子訳詞)/立ともみ

 黒いブラウスに黒いパンツ。

 耳に馴染んだ岩谷時子さん訳詞の「愛の讃歌」です。

 ともみ先生は利き手で持ったマイクに、もう一方の手を添えて歌っておられて、それが祈りの姿にも見えました。

 張りのある 先生のお声にピッタリだと思いました。

 

⚫︎ケ・サラ/シモーヌ深雪

 総スパンコールのドレス(色が思い出せない)で、ウィッグのボリュームもすごくて、ライトアップされる前から客席がざわざわしました。シモーヌさんらしいドレスアップした舞台姿。

 でも、歌は聞き馴染みのある「ケ・サラ」。

 いい意味で期待を裏切ってくださった森本理子さんと同じく、シモーヌさんも今回、衣装とは裏腹に比較的「穏やか」で「常識的」な歌でした。

 だけど、誰にも真似ができないお衣装とメイクで「私たちの人生は〜 階段を手探りで歩くようなもの」と歌われるのを聞いて

「いやいや、シモーヌさんの特別すぎる人生と私たちの人生は一緒にはできませんよ。第一階段を手探りで歩くシモーヌさんを想像できない。躊躇なく何段も飛び降りる(または駆け上がる)人生じゃないんですか?」と内心でツッコミを入れていたのでした。

 

⚫︎セ・ラムール/星奈佐和子

 サーモンピンクのドレス。

 大トリだから、歌い上げる曲かと思ったら、意外とさらりと歌われました。

 私個人の感想ですが、今回全曲を通して、人生について考えさせられる歌が多かったので、声高らかに歌い上げてフィニッシュにするより、こういう終わり方がいいな、と感じました。

 

 曲の順番、構成が素晴らしかったです。

 

終演後

⚫︎モン・パリ/吉田幸生

 終演後、小さな音でモン・パリが演奏されていて、パリ祭の余韻を楽しませてもらえました。

 音楽監督・ピアノ演奏の吉田幸生さん、素晴らしい演奏をありがとうございました。

 明日も頑張ってくださいませ。

 

 

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