雪組『Lilac(ライラック)の夢路』『ジュエル・ド・パリ!!』観劇
本日2回目の更新です。
今日は宝塚大劇場で雪組公演を見てきました。
いつもはここに、宝塚大劇場の外壁の特大ポスター(?)の写真をアップしているのですが、最近宝塚歌劇団から著作権について色々発表があり、どこまでがOKでどこからNGなのか悩んでおります。
なんでも人(自分)が写っていて、背景にポスターがある、っていうのは良いらしいんですが、私みたいにおひとり様観劇の場合、あの巨大ポスター(?)を背景に自分が映り込もうと思ったら、どなたかに撮影をお願いするしかないでしょ?コロナ禍が落ち着いたとはいえ、人のスマートフォンに触るのが怖い方だってたくさんいらっしゃると思うと、安易にお願いできません。
外壁のあの公演案内は、てっきり「ここは写真スポットですよ。ここで撮った写真はSNSにどんどんアップして拡散してね〜」という意味かと思っていたのですけどねぇ。
さてこの公演は初舞台公演なので、公演に先立って初舞台生の口上があります。
名前のボードの写真は大丈夫よね?名前の”引用”もアウトなんて言われたら公演レポが書けませんもの。
2階後方席って怖い(^_^;)
今日のお席は2階14列ややしもて寄り。
久々に2階後方席から見たのだけど、怖いのよ。
何が怖いかって?
階段に手すりがないのが。
今までそんなことを気にしたことがなかったのに、最近の私は階段の上り下りでは必ず手すりに手を添えるようにしています。
転んで怪我をするのが怖いんです。
で、宝塚大劇場2階席の通路には手すりはありません。
もちろん手すりなしでも転ぶことはなかったのですが「2階席の階段ってこんなに急だったっけ?もし足を踏み外したら怖いわー」とヒヤヒヤ。旧宝塚大劇場の3階席は勾配がきつくて、若くても怖かったけど、あれに似た気持ちになりましたよ。
歌劇団歌!!
さて、公演前の初舞台生口上。
ご挨拶が終わった後、何を歌うのかな?とドキドキ。
まぁ、たいていは宝塚歌劇団歌を歌ってくれるんですけれど、たまーに違う演出の時があるでしょう?
そうなったらガッカリしちゃうんです。(私個人の感想です)
長年宝塚歌劇をご覧になっている方は、きっと、宝塚歌劇団歌を一緒に歌えると思うんです。昭和・平成の高校野球ファンがOG・OBでもないのにPL学園の校歌を歌えるように。(もちろん私も歌えます)
あの「花ある伝統高らかに いざ讃えつつ歌いつつ〜♪」の盛り上がり、何回聞いても鳥肌が立つ!
お願い!今年も歌劇団歌でありますように!!
祈る私でした。
そしてそして初舞台生が口上の締めくくりに「よろしく お願いいたします!」と声をそろえ、深々と挨拶した時に、あのイントロが!
やったー!!歌劇団歌ダァ!!このイントロだけでも涙出そう。
暗闇の中、第109期生と一緒に私も歌わせていただきました!(心の中で)
ああ、幸せ。
では、公演の感想を。
その前に、お時間のある方はこちらをご覧になってください。
初日舞台映像(ロング)です。
『Lilac(ライラック)の夢路』
どんな話か予習していきませんでした。
開演アナウンスで「へー。謝珠栄先生の作品なんだ」と知ったくらい。
19世紀初頭のドイツが舞台。大雑把にいうと
プロイセン王国の貴族 ドロイゼン家には才能豊かな5人兄弟がいる。彼らは産業革命を成し遂げたイギリスを見て、ドイツも発展しなくてはと奮起。鉄道設立こそ、その基礎になると
力を合わせていく……
というお話なんですが、何せ始まったと思ったら「鉄だ、これからは鉄の時代だ!」「鉄道だぁ!!」と鉄推しなんですよ、ずっと。そして鉄道を敷くには「お金がいる」「融資が必要だぁ!!」うん、そりゃそうだろうけどさ。
鉄だ、金(Money)だ、となんと現実味あふれるお話。私は今宝塚歌劇を観ているはずなんだけど、なんだかNHK「クローズアップ現代」みたいじゃない?
新たに娘役トップになった夢白あやさんのお披露目公演で、ポスターでは良い感じに見えたのに、熱いラブロマンスもない。
開演10分ほどで「うーむ。だめだ、全く好みではない。この話には1ミリも共感できない」と思った私でございます。
ですが、見どころがないかといえばさにあらず。
まずはドロイゼン家の5人兄弟が男前で、5人揃って立っているだけで(あるいは座っているだけで)眼福。
以下、芸名には敬称略で失礼します。
長男ハインドリヒ:彩風咲奈
次男フランツ:朝美絢
三男ゲオルグ:和希そら
四男ランドルフ:一禾あお
五男ヨーゼフ:華世京
特に軍服着用のゲオルグが美々しくて!
この中の一人が病弱で劇中で亡くなってしまうのですが、いわゆる「一家の秘密」により、のちにこの兄弟にもう一人男子が加わります。
「おお!そこに繋がるのか」と思う展開があるわけですが、この、後から兄弟に加わる男子の飲み込みが早いというかなんというか。普通だったら「急にこの人たちと兄弟だと言われても…」と悩みそうなところを「お兄さん!!」「弟よ!!」みたいな感じになっていまして、まぁそんなところでグダグダ時間をとってもお芝居を壊すだけだと分かりつつもクスッと笑ってしまうのでした。
もちろん後で加わる男子もイケメンです。
ドロイゼン パパは相当ハンサムだったのでしょう。
見どころ(聞きどころ)その2、音楽が良い。
スッと入ってくる歌が良いと思いました。
開幕すぐに登場する歌姫 美穂圭子さん。狂言回し的なものかと思ったら、最後に「えええ?!そうなんですか?!」と 若干取ってつけた風の種明かしがありました。それってこのお話に必要なエピソードなんですか?と思うような。すみません、ひねくれてて。
ただ、随所で美穂さんの美しい歌声が聴けるのは満足度アップでした。
見どころその3、 鉄男たちのダンスが良い。
製鉄所の職人メンバーのダンスがキレッキレなのです。
なぜ職人たちがそんなにも踊るのか、意味不明ではありますが、社会科の授業のようなお話の中、「おお、これは宝塚歌劇だ」と思わせてもらえるシーンでした。
人によっては舞台のセットがいいとおっしゃる方もいらっしゃると思います。ちょっとクセのあるセットだったんです。ちなみに私は好みではありませんでした。すみません。
好みでないと言えば、私は今回の二人のヒロインに全く感情移入ができませんでした。
バイオリニストを目指しているエリーゼ:夢白あや
銀行家の娘ディートリンデ:野々花ひまり
どちらも娘役さんとしては好きなのに(特に野々花さん、好き!)。
ディートリンデはお金持ちのお父さんのおかげでチヤホヤされることを嫌がりながらもそれを利用する部分もある、なんだか中途半端なキャラクター設定なのです。
最後にエリーゼとディートリンデの繋がり(?)で全部丸く収まるっていう部分が安直すぎるように感じられてびっくりしました。
それにしてもなんでこうも鉄道、鉄道、鉄道なのかと思ったら、今年が小林一三さんの生誕150周年だから?!うーむ。もしかしたら先に「鉄道ありき」で作品を作ることになったのかな。演出家も大変だわ。私も宝塚ファンとして、小林一三先生のことは尊敬しているし、何だか自分のひいおじいちゃんのような気もするくらいですけど、それと作品とをコラボさせなくてもいいと思いましたよ。
以上、全て個人の感想です!
ジュエル・ド・パリ!!
藤井大介先生の作品。
緞帳が開くと、ドーンと大階段。真ん中に立つ彩風咲奈。大きな被り物とガウン姿の美女です。裾が大階段全体を覆う巨大な布と合体しており、さっと引き抜くと、シンプルな大階段にトップスターが一人立っている構図になるわけです。しかも黒燕尾で!
同じく大介先生の作品『Apasionado!!』を思い出しました。私、このパターン好き!
それに開演早々大階段があるってすごく贅沢な感じがします。
そして開演早々、初舞台生のラインダンスがありちょっとびっくり。
その直前がトップスター彩風さんの場面で、トップさんに紹介してもらえる(手を差し伸べる振り付け)初舞台生さんって幸せですね。
黄色いミモザの花を思わせる衣装の初舞台生が大階段から登場!初々しい!
今年の初舞台生には体操選手のような身体能力のある生徒さんが複数いて、ピックアップシーンで、グリングリン回っております。すごいわ。足上げの回数もすごくて20回以上(26回?)あったような。
そしてすごいと言えば、初日があいてまだ数日だというのに、すでにロケット(ラインダンス)の脚上げのさいの並びを解明してくださっているかたがおられます。
こういう情報が共有してもらえるSNS時代で良かった。
<訂正版ver1.02>
— まいこ (@tkrzk_snowdate) April 25, 2023
ご指摘いただきました箇所を訂正し、友人が加筆してくれました。よろしくお願いします(間違い等ありましたらご連絡頂ければと思います)#109期#宝塚#雪組#ライラックの夢路#ジュエルドパリ#ロケット#彩風咲奈#夢白あや#朝美絢#和希そら#縣千 pic.twitter.com/Ja3VF0VA7R
コロナが一段落したということで「ヤー!!」決めポーズの後、全員がちゃんと上手から下手へと銀橋を渡れる演出になっているのも嬉しかったですわ。
それにしても、冒頭でラインダンスが終わってしまって、フィナーレが寂しいんじゃないかしらんと思ったら、いやいやいや、ラスト近くではカンカンがあって圧巻でした。(ダジャレじゃないですよ)
朝美絢、和希そら、諏訪さき、眞ノ宮るい、縣千、一禾あお、咲城けい、華世京のカンカンボーイ以外は全員カンカンガール。男役さんもです。とにかくすごい人数で、雪組のほぼ全員が踊っているのではないかと思う大迫力のシーンです。とにかく楽しい!センターで踊る夢白さんの一人だけ違うカンカンガールの衣装が可愛かった。
カンカンのことで興奮してしまいました。時系列を戻します。
初舞台生のラインダンスの後は、スターさんが誕生石(ペリドットやオパールなど)を歌い継いで登場、衣装は娘役さんは全員お揃いのピンクのドレス、男役さんは黒燕尾。トップ娘役である夢白さんだけは真っ白な衣装で、トップスター彩風さんはピンクのスパンコールの燕尾服。ああ、レビュー色だ!娘役さんのドレスの裾は手首につながっていて、手を挙げるとドレスの裾が持ち上がります。布がふんだんに使われていて、2階後方から見ると娘役さんが動くたびに綺麗な波もように見えるのです。宝塚歌劇の娘役さんの裾さばきは、世界一美しいと思うものの一つ。プロローグからその美の大放出でした。綺麗だったわぁ。
タイトルの通り、全体的にパリ、または宝石にまつわる場面が繰り広げられる中、一際異彩を放ったのが、クレオパトラの場面。なぜ急にエジプト?!あ、宝石繋がりなのかな。
長いストレートの黒髪のクレオパトラ、腰の振りのキレがすごいな、誰?と思ったら和希そら氏じゃないですか!!
えええええええっ!
薄い布が施されているとはいえ、このお衣装、おへそがすけて見えるんですけれど?!
そのおへその形が、これ以上ないくらいにかっこよく美しいのがすごい。
余計なお肉がついていないのはもちろんだけれど、腹筋が割れている!
鼠蹊部に向かってV字のラインも見えまして、和希そら、すごい、凄すぎる!
目が吸い寄せられてしまい、他にどなたが舞台にいらしたのか、全く覚えていません。
あ、組長さんが歌っておられたような気はする。
お芝居での軍服姿、クレオパトラのおへそ、両方美しい。これを見ただけでもチケット代の元は取れた、と思いました。
全体的に黒が基調だったクレオパトラのシーンから一変、彩風さんが白い軍服姿で登場したのは対比が効いていて良かったです。登場シーンでは上に赤いマントを着ていてとても華やかでした。(色に関して、記憶が違ったらごめんなさい)続いて、夢白さんが『1789 バスティーユの恋人たち』のマリー・アントワネットの衣装を小型化したような衣装で登場。フェルゼンとアントワネットのような場面でした。
その後ラテンのシーンがあり、舞台上のそこここから「オラオラオラオラ」掛け声が上がっていて、さながらオラオラ祭り。楽しい!いつも思うけど、縣千くんがぺいさん(元花組トップスター 髙汐巴)に見えて仕方がありません。踊り方まで似ている気がしてきました。(失礼ながら ぺいさんの方がちょっと体が硬かったように思いますが)
音楽では「愛の宝石」や「愛の讃歌」などの面白いアレンジも楽しめました。
あ、音楽といえば、今日のオーケストラは素晴らしかったです。
生演奏ももちろんなのだけれど、最近って録音素材も生とほとんど変わらなくて、耳だけだとわかりませんね。2階席からだと指揮者がよく見えるので、指揮者がいない時は録音なんだなとわかるくらいで。しかも、録音から生オケに切り替わる瞬間が見られたのは貴重でした。当たり前だけど、全然切れ目や違和感がなくつながっていましたよ。
上で書いたように、フィナーレ直前にほぼ雪組オール出演のカンカンがあり、見応え十分。
フィナーレはまたピンクと白、黒を基調としたオーソドックスな衣装で統一感があり、大階段を飾る初舞台生のミモザの衣装の可愛らしさと相まって、幸せな気分で観劇を終えることができました。
うん。お芝居は私には乗り切れないものがあったけれど、終わりよければ全てよし、だわ。
以上、長文お付き合いありがとうございました。
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