月組『グレート・ギャツビー』千秋楽@東京宝塚劇場

本日2回目の更新です。

 

今日は月組『グレート・ギャツビー』が東京宝塚劇場で千秋楽を迎えました。

 

幸いにも観劇させていただいたのですが、冒頭からものすごく感動している自分に驚きました。

 

宝塚大劇場の千秋楽を観劇した時には、大好きな宝塚歌劇ではあるものの、『グレート・ギャツビー』の登場人物の誰にも、とくに女性の誰にも共感できず、良さが全くわからなかったんです。

 

それについてはこちらに書いております。

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 その後、夫を始め色々な人から『グレート・ギャツビー』は傑作だという意見を聞き、原作を読みました。

 

原作の感想はこちらに。

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原作を読んだ私は、この小説はラブロマンスではなく、理想を追い求め、その実現のためあらゆる努力をし、最後まで自分の「夢」を守った1人の男性の話なのだと理解しました。これはあくまでも私個人の感想ですが、今まで宝塚歌劇を見に行く時とは違う心構えで客席に座ったことになります。

 

宝塚の『グレート・ギャツビー』に感動した!

 私のお席は2階11列のセンター。

 舞台の後ろの方まで俯瞰できる最高のお席でした。

 

 

お席のおかげなのか、作品への理解がかわったせいか、その両方なのか、幕開き早々、私は猛烈に感動していました。

 

まずは娘役さんの衣装やカツラなど、1920年代の雰囲気に引き込まれていました。

衣装の色の配置は舞台全体で見ると、こんなにも美しく見えるように考えられていたのか、と思いましたよ。

 

また、大道具や、セリなどの舞台機構の巧みさ、場面転換のタイミング、舞台のどこからどれくらいの人数を出してくるのか、など、本当によく考えられています。

また、照明といい、オーケストラといい、舞台はさまざまな分野の人がいてこそこんなにも輝く総合芸術なのだと、心の底から思いました。

 

原作にはない、ゴルフコンペ(?)の場面や、華麗なショー、禁酒法の網を掻い潜る酒場のシーンなどのお陰で、エンターテイメント性が保たれ、この暗くなりがちな話を宝塚歌劇らしく演出しています。

 

もう一つ、私が今回感動した理由として、登場人物の多くが戦争により運命を変えられた人たちなのだと理解したことが大きいと思います。

 

まず、主役であるギャツビーとデイズィは、戦争がなければ出会っていません。

それから、ギャツビーを死に至らしめることになるマートルも、戦争で出会いを失い、妥協して結婚相手を選んだことで運命を狂わせています。

不幸になるのは戦場で直接命のやり取りをする人たちだけではない、ということを今さらですが感じました。

 

また、原作には出てこないシーン、トム・ブキャナンが軽い気持ちでちょっかいを出したショーガールのヒモ(?)にゆすられる場面は、悲しくうらぶれたショーガールの人生と、そんなことでは傷つかないお金持ち(トム)の対比が鮮やかで、人生の不条理さを感じました。

その場面で何気なく見ていた、ゴシップネタの撮影カメラマンがあとで酒場でギャツビーと語り合うシーンがありまして、これも原作にはないのですが、生きていくために汚れ仕事をしながらも良心のカケラを持っている男性がハッキリと描かれていて、胸を突かれました。

 

今まで私って何を見ていたんだろう、宝塚版『グレート・ギャツビー』は色々な立場の人の人生を、こんなにも見せてくれる話だったんだ、と、感動したというわけです。

小池修一郎先生はやっぱり天才ですね。

 

もちろん、月城かなとさん、鳳月杏さん、風間柚乃さんを筆頭に男役さんたちのカッコ良さは言うまでもないですし、娘役さんも美しく可愛い。

 

それら全てが私の心を揺さぶりました。

ああ、宝塚歌劇があって良かった。

歌劇ファンでいられて良かった。

これからも、命ある限り宝塚歌劇を愛したい!

 

そう思った月組『グレート・ギャツビー』東京公演千秋楽でした。

 

 

退団ご挨拶

 この公演で退団される佳乃百合香さん、晴音アキさん、そして夏月都さん。

 

光月るう組長がどんちょう前で一人一人のメッセージを代読しご紹介したあと、全組子たちが見守る中、紋付に緑の袴姿に着替えた三人が大階段を降りてきて、ご挨拶という段取りは宝塚大劇場の千秋楽と同じです。

 

でも、あの時はまだ東京公演が残っていたわけですが、今日は本当に最後のお別れ。

私は自分では泣かないと思っていたのに、3人のご挨拶の清らかさと感慨深さに、思わず涙がポロリン。

宝塚ご卒業後のお幸せをお祈りいたします。

 

月組『グレート・ギャツビー』は、宝塚大劇場では新型コロナ感染の影響で、休演がありました。

でも東京公演は全日程無事に公演ができました。

おめでとうございます。お疲れ様でした。

 

 

 

 

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