『スカラーシップで大学生はこんなに変わる』を読了しました。
 
 
日本では奨学金を受けた学生の多くが、
卒業時に多額の借金を背負った状態になると知ったのは、
22歳の時でした。
 
同期入社の男性と雑談中、
「俺、これから毎月2万円ずつ奨学金を返していかないといけない」
と聞き、意味がわからず問い返しました。
「奨学金を返すってどういう意味?」
 
ありがたいことに、私は学費の心配をせずに進学できる状況でした。
だから、奨学金制度について何も知らなかったのです。
てっきり、勉学ができるが経済的に苦しい学生に、
「与えられる」ものだばかり思っていました。
奨学金の多くが貸与型で、返済義務があったとは!
 
 
学生が、学費や生活費を捻出するために
アルバイトに明け暮れることで、
深く学んだり友人や教授と過ごす時間が減るようでは
本末転倒です。
だからと言って貸与式の奨学金では借金を背負うことになり、
卒業後の人生設計にも問題が生じてきます。
その二点を解決するのが返済不要な、給付型奨学金。
 
ブリヂストンタイヤの創業者 石橋正二郎さんの孫である
井上和子さんが創立した一般財団法人「人間塾」では、
日本の将来を担う若者の育成のため、
大学生に対して返済義務の無い給付型の奨学金を給付しています。
 
「人間塾」のユニークなところは、
ただお金を振り込み金銭的な応援をするだけではなく、
人間としての素養や教養、他者を思いやる心などを学ぶ場を設けていること。
 
著者の仲野好重さんは「人間塾」の理事長であり、
学生たちを指導する先生でもあります。
仲野さんはそれぞれの学生の資質を見極めて、
一人一人に異なった指導をされていますが、
ベースにあるのは「恩送り」の精神を伝えること。
親切にしてくれた人に恩義を感じてお返ししようとするのは
当たり前のこと。
一歩進んで「自分が受けたものを、次の世代の人に
渡していきましょう」という考えです。
そうすればプラスの連鎖が世の中を良いものにしていくはず。
 
この本では「人間塾」のスカラーシップと出会った学生が
どのように成長していったかとともに、
現代の日本の学生たちが直面している問題が述べられています。
 
自分が学生ではなく、子や孫もいない私ですが、
この本の中には心を打つ言葉がたくさんありました。
 
実は物理的な不足は、経済的困窮と同様に、
補給されれば満たされることが多いのです。
しかし、本当の問題はここから始まります。
それは、精神的な吝嗇です。
精神的にケチな人は、自分の時間を人のために使うことに
抵抗を感じます。そして何事も合理的に解決しようとします。
人間の心の機微には、一見無駄と思えるような時間と
手間が必要であることを知らないからです。
その結果、人のために時間を使いたがりません。
(仲野好重さん『スカラーシップで大学生はこんなに変わる』 
                    P151より引用)
 
 若者たちが心の底から求めていることは、
自分への信頼や期待なのです。
そして自己肯定感を持って、自信に満ちた気持ちで
日々を生きていくことです。
そのような心の土台を持った若者たちが、
これからの日本の未来を支え、世の中を変えていくと
私は確信しています。
 お金は大切な資源です。そして使い方によっては
大きな可能性を引き出してくれる道具です。
溜め込むだけのものではありませんし、
吝嗇にふけるためのものでもありません。
このお金が、スカラーシップという支援に形を変えたとき、
若者たちの志は無限の可能性となって動き始めます。
(仲野好重さん『スカラーシップで大学生はこんなに変わる』 
                    P158より引用)
 
 
私は数年前に「人間塾」の活動を知り、感銘を受け、
以来「人間塾」の会員となり、学生さんたちの成長を
遠くから見守らせていただいています。
 
「人間塾」のスカラーシップを希望される方、
スカラーシップを受ける学生さんたちに支援をしたい方、
どんなものだか興味がある方はぜひ
この本を読んでみてください。
 
ホームページもご参照くださいね。
【2021レスキューサンタ】

このたびコロナ禍で経済的影響を受けた医学生へ、

一人100万円の緊急支援金を給付する「2021レスキューサンタ」が

開設されています。

締め切りが 8/12(木)と迫っておりますが、ご参考になさってください。

(期日が過ぎたら、この文章は削除します)

 

 

 

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