私がパーソナリティを担当している

大阪府箕面市のコミュニティFM みのおエフエムの「デイライトタッキー」。

その中の”図書館だより”は箕面市立図書館の司書さんが選んだ本を

ご紹介するコーナー。

私は司書さんのコメントの代読をし、そのあと自分の感想も付け加えます。

 

今日は長沼睦雄さんの『10代のための疲れた心がラクになる本』を

ご紹介しました。

 

 

 

【電子書籍版】

 

長沼さんは14年間小児精神科医として勤務後、

独立してクリニックを開業されています。

この本は、長沼さんが10代の患者さんに向かって

話しかけるように書かれていて、とても読みやすいです。

 

長沼さんは心の病を治すのに大切なのは

3つのステップだとおっしゃいます。

それは、

1 知識

2 心構え

3 行動

 

まず、自分が陥っているのがどういう状況か知ること。

そしてそれは自分だけに起こっていることではないと

知ることが第一歩なのですって。

 

心の病を抱える人は、自分の殻に閉じこもりがちで、

誰にも相談していないことが多いのです。

そうなるとますます状況が悪化してしまいます。

まずは自分の病気を知り、治療法があることを知ること、

またそれは他の誰にでも起こることであり、

決して「自分だけ」ではないことを知るのが第一歩。

 

次に大切な心構えとは、ズバリ

「自分で良くする」という決意。

親や友達がいくら心配してくれても

他人任せでは心の病気は良くなりません。

自分でなんとかする、その覚悟というか、

決意が大切なのですね。

 

最後は行動。

長沼さんは心の病になりやすい要素として、

自分軸がないことを挙げておられます。

 

周りからどう見られるだろうか…

こんなことを言ったら嫌われてしまうかも…

そう思って、本当はやりたくないことや

好きではないことを繰り返しているうちに、

どんどん心の無理が溜まってくるわけです。

本当に大切なのは、どう思われるかではなく、

自分がどうしたいか。

 

日本人は空気を読むことを大事にしすぎていて、

自分軸をなくしがちなのかもしれませんね。

 

とは言え、性格や行動を変えようと思っても、

どうしたらいいかわからない人に対して、

長沼さんは具体的な例を挙げておられます。

 

ネガティブ思考の人には、

自分が思うことの逆を考えてみる。

「無理、できっこない」と思うなら

「無理じゃない、できる」と言う、

あるいは文字で書いてみることが大事なのですって。

 

長沼さんが挙げておられる行動を変える方法の中で、

私が最も感銘を受けたのは、言葉を大切にすること。

最近のお子さんは多くのことを「ムカつく」「ウザい」で

片付けがちです。

ですが、彼らの「ムカつく!」を分析してみると、

あるときは「悔しい!」、あるときは「残念!」というように、

全く違う感情だということがわかったそうです。

また「ウザい」も、「面倒くさい」「気分が悪い」など

多様な感情を一括りにしているだけ。

それを患者さんに一つ一つ教えていくと、

キレにくくなったそうです。

自分の感情を表現する言葉をたくさん知れば知るほど、

気持ちが安定していくのだ、というご意見には感動しました。

 

いろいろな人とお話をしたり、本を読んだりすることで、

知識を得ると同時にボキャブラリーが豊富になり、

それが精神の安定につながるなんて、素敵なことではありませんか。

 

 

この本は10代のために書かれていますが、

心の病に関することは、どの年代にも応用が利くように思いますし、

ネガティブ思考の治し方など、普通の生活にも役立ちそう。

また、ご家族にも有意義なのではないでしょうか。

 

 

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