昨日、2月14日(日)、バレンタインデーに初日を迎えたばかりの

星組『ロミオとジュリエット』を観劇してきました。

 

ジェラール・プレスギュルヴィックさんのミュージカル

『ロミオとジュリエット』が宝塚歌劇で初演されたのは2010年。

柚希礼音・夢咲ねねのロミオとジュリエットでした。

それから11年の間に、

2011年 音月桂がトップの雪組で、

2012年 龍真咲がトップの月組で再演されています。

私はどの組も拝見しておりますが、

何度見ても飽きることがない作品で、

見るたびに感心、感動してしまいます。

 

そもそもシェークスピアの原作で、

ストーリーは大抵の人がご存知のはず。

結末がわかっていても、何度見ても感動できる、

本当に素晴らしい作品。

 

憎み合い、傷つけ合う事の愚かさ、

しかし取り返しのつかない犠牲を払うまで、

その愚かなことをやめられないのが人間であること、

そして純粋な愛はその愚かさを突き破り、

輝くことを描いたシェークスピアって本当に天才だわ。

 

さて、この作品。

内容が素晴らしいのはもちろんなのですが、

毎回、衣装やカツラが素晴らしいんです。

 

今回は特に、男役さんたちの個性的なヘアスタイルに

惚れ惚れしましたわ。

お衣装の中では、仮面舞踏会でのジュリエットが可愛い!特にブーツのデザインと色がキュート。


今日はECCアーティスト美容専門学校の御一行様が

見に来られていたのですが、

きっと彼・彼女たちにも刺激になったことでしょう。

 

では覚えている範囲で個別の感想を。

この公演は複数の役が、ダブルキャストになっていて、

今日はA日程でした。

いつもの通り、思ったことをそのまま書いちゃいます。

 

●ロミオ:礼 真琴

 私がはっきりと礼真琴さんを意識したのは、

 2010年の『ロミオとジュリエット』初演での「愛」役。

 それまで歌が上手い新人さんがいるとは思っていたけれど、

 踊れる人でもあるのだとびっくりしたのでした。

 あれから10年。

 立派なトップさんです。

 澄んだ高い声が出るので、ロミオの純真さが伝わってきます。

 フィナーレナンバーでは太く低い声でオラオラ歌っていたので、

 ファンの方には二度美味しいかもね。

 どこまでも声が伸びるし、聞き取りやすいし、

 歌がうまいって本当に素敵。

 礼さんがあまりにも歌がうますぎて、

 他の人が下手に聞こえる時があって、お気の毒だなと思うくらい。

 ところでパンフレットのメイクは、OGジェンヌのCHIHARUさんが

 担当されています。

 表紙を開いてすぐのページに掲載されている礼真琴さん、

 上まぶたのアイラインやつけまつげのつけ方が独特で、

 「これ、どうなっているんだろう」とまじまじと見てしまいました。

 メイクも奥が深いわー。

 

●ジュリエット:舞空 瞳

 ジュリエットは16歳。

 雪組で見た夢華あみちゃんのジュリエットは

 何もしなくても16歳に見えました。

 だって本当に若かったもの。

 舞空さんはもちろん若いのだけれど、役の経験は豊富。

 だから、若いだけのジュリエットではなくて、

 お芝居としての「若さ」も表現できているように思いました。

 (偉そうに、上から目線でごめんなさいね)

 時々、可愛い癇癪(?)を起こしている姿が、

 何も知らない箱入り娘なんだなぁと微笑ましく、

 客席に小さな笑いが起きていました。

 最後、霊廟でのシーンに気になることが一つだけ。

 ジュリエットが本当に死んでいると勘違いした

 ロミオは自殺してしまいますね。

 その後、ジュリエットが目覚めて、隣にロミオがいるのを見つけ、

 最初は寝ていると思って話しかける芝居で、

 オペラグラスで舞空さんを見ると、目覚めた時から

 すでに目にいっぱい涙が溜まって今にもこぼれそうに見えたんです。

 おそらく、横になりながら、ロミオが嘆き悲しむのを聞いていて

 感情が高ぶってしまっているのだと思うのですが、

 お話の中のジュリエットはその間意識がないのだから、

 目覚めて隣にロミオが寝ているとわかった時には、

 まだ泣いていないはずなの。

 むしろ喜んでいないといけないのだけれど、

 舞空さんは笑い顔の演技をしながら、目は先に泣いちゃってる。

 すでにロミオが死んでいると知っている目なのよ。

 それだけがね、残念だと思いました。

 そこをなんと我慢して、ロミオが本当に死んでいるとわかってから

 泣いてくれれば完璧です。

 

●ティボルト:愛月 ひかる【A】

 見る前から、愛月さんにティボルトは似合うだろうなと思っていましたよ。

 私はビジュアル的にも、性格の屈折具合でも、

 この作品の中で一番惹かれるのがティボルトです。

 いつ切れるかしれない危ないやつと言われているけれど、

 本当は報われない愛に苦しんでいる純な部分があるオトコ。

 いいわぁ。

 愛月さんの男らしい体格、

 背中を向けると広い背中に波打つ褐色のロン毛、

 最高にかっこいい!

 B日程では「死」なんですよね。

 黒い衣装で黒髪ロン毛の愛月さんも見てみたい。

 B日程のチケットが手に入らないものか。

 

●ベンヴォーリオ:瀬央 ゆりあ【A】

 友情に厚すぎて、自覚なく悲劇を引き起こしてしまう

 ベンヴォーリオ。

 なんとなく不器用そうに見える瀬央さんに似合っていました。

 B日程ではティボルトをするんですよね。

 見たいわ。

 

●マーキューシオ:極美 慎【A】

 赤(オレンジ?)の、鳥を思わせる尖ったヘアスタイルで、

 とても目立っていました。

 物語の山場で最初に死ぬ役ですし。

 贅沢を言えば、もう少し歌えたらなぁ、と思います。

 

●パリス伯爵:綺城 ひか理【A】 

 この作品では、モンタギュー家は青い衣装、

 キャピュレット家は赤い衣装に身を包んでおりますが、

 パリス伯爵だけはどちらにも所属しない、真っ白な衣装で登場。

 背が高くて綺麗なお顔の綺城さんは、

 「あのキザで間抜けな」と呼ばれるにふさわしい

 綺麗で能天気なパリス伯爵ぶりでした。

 B日程ではベンヴォーリオなのね、見たいわ。

 

●死:天華 えま【A】

 私の勝手なイメージでは、天華さんは

 B日程でのマーキューシオの方が似合っていそう。

 つまり、私の中では天華さんは熱い男なのです。

 ですから体温を感じさせない無表情な「死」が

 最後まで受け入れにくかったです。

 

●愛:碧海 さりお【A】

 一番最初に舞台に現れるのが「愛」。

 腕の動きのしなやかさ、優しさにうっとり。

 まさに「愛」だわ。

 

●乳母:有沙 瞳

 乳母にしてはちょっと綺麗すぎる気もしました。

 ただ、私が毎回涙を流してしまうナンバー

 「あの子はあなたを愛している」を

 有沙さんが歌ってくれるんだと思うと、

 それだけで泣きそうでした。

 そして実際、有沙さんの歌で泣きましたわ。

 この作品の中で、乳母とロレンス神父さんだけが

 (あ、パリス伯爵も)

 いがみ合っていない人で、ホッとできる存在です。

 

●ロレンス神父:英真 なおき

 ロレンス神父様って初演からずっと英真さんですか?

 出てこられると本当にホッとするのです。

 セリフが明瞭だし、歌も演技もお上手だし、

 芝居が締まりますね。

 

●ヴェローナ大公:輝咲 玲央【A】

 大公の貫禄は十分だと思うのですが、

 歌になると、歌詞がクリアに聞こえない時がありました。

 そこがちょっぴり残念。

 

●ピーター:遥斗 勇帆【A】

 乳母のお供をするピーター。

 プログラムを見ていなかったので、誰か分からず。

 遥斗さんだったんですね。

 気の弱そうな面白いピーターでした。

 B日程ではヴェローナ大公をされるとか。

 歌が上手な方なので、楽しみ。

 

●キャピュレット卿:天寿 光希

 歴代キャピュレット卿の中で、最もアブナイ感じがしました。

 ティボルトと血が繋がっているのがよくわかる感じです。

 きっとモテるだろうなぁと思わせるビジュアルなので、

 「妻にも愛されず♪」という歌詞が似合わないわ。

 天寿さんも、もう少し歌えたらなぁ、と思いました。

 パパがジュリエットを思って歌う歌は、

 泣かせて欲しかったです。

 

●キャピュレット夫人:夢妃 杏瑠

 甥っ子のティボルトに愛情を向けているフシのある、

 危なっかしい夫人。

 『ANOTHER WORLD』の時の阿漕姐さんの印象があったので、

 意外とおとなしいなと感じました。

 もっとアブナイ感じでもいい気がするけど。

 私が勝手に期待しすぎただけかもしれません。

 

●隼玲央

私が星組で応援している隼くんはモンタギューの男でした。

まず、おでこを出したヘアスタイルが初々しく、新鮮。

なんだか可愛い。

 

どのナンバーも楽しそうに踊っているのが印象的。

乳母がロミオに会いに来る場面では、

小突かれておっとっと、と後ろに倒れる乳母の

下敷きになる役で四つん這いになっております。

 

そして、第二幕のヴェローナ市街。

ティボルトとマキューシオが争い始め、

そろそろマキューシオが刺されるぞ、という頃、

舞台後方、交錯し合う両家の群舞の中、

足先はフレックスで180度開脚のままリフトされている女役さんがいて、

目が釘付けに。

すごいリフトだなと思ったら、上げている男役さんは

隼くんだったよ!

二人ともすごいわ。

隼くんはこの公演で宝塚歌劇団を卒業します。

素晴らしい作品でフィナーレを飾る隼くん。

可能な限り拝見したいものです。

 

 

 

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