私がパーソナリティを務めさせていただいている
エフエムあまがさきの番組
「昭和通二丁目ラジオ」木曜日。
昭和の歌をお送りする番組です。
今この歳になって聞くと面白い「昭和の歌詞」を
番組内で深堀りするコーナ。
時には、この頃めったに聞くことがないけれど、
個人的に大好きな曲、名曲と思っている歌に
スポットを当てる時間です。
昨日は、オフコースの『眠れぬ夜』を掘り起こしました。
オフコース、お好きですか?
私はこれまでずっとあまり興味がありませんでした。
歌はもちろん存じておりますが、
今だに小田和正さん以外のメンバーを知りません。
お恥ずかしいことに、何人編成なのかも知らないのです。
そんな私でもこの曲は、知っておりました。
デビュー以来長くヒット曲に恵まれなかったオフコースの
初めてのヒット曲なのだそうです。
オフコースのデビューは1970年(大阪万博の年だ!!)。
『眠れぬ夜』がリリースされる1975年12月までに
発表してきたシングルは6曲。
『群衆の中で』、『夜明けを告げに』、『おさらば』、
『僕の贈りもの』、『もう歌は作れない』、『忘れ雪』。
ごめんなさい、どれもわかりません。
きっと小田和正さんのことだから、良い曲なのだと思います。
きっとファンもいらしたことでしょう。
だけど知らない。
『眠れぬ夜』は小田和正さんの作詞作曲です。
最初はもっとゆったりとしたバラード調に仕上げてあったそうです。
ところが、レコーディングの際、
プロデューサーの判断で現在の形に変えられたのですって。
つまりアップテンポでポップな感じに変わったわけです。
イントロだけ聞いたら、楽しい内容を連想するような。
プロデューサーは、これまでのオフコースの楽曲には、
理屈抜きに万人が楽しめる音楽性が足りなかったのではないかと
思ったのだそうです。
そしてその狙いはズバリ当たったことになります。
私は初めて聞いた時から、
なんとも不穏な歌だなぁと感じていました。
歌詞が重すぎて気軽に口ずさむこともできないし、
歌って爽快な気分にもなれない。
ましてや当時、こういう内容の恋愛経験もなかったので
共感もできない。
こののち大ヒットする『さよなら』や『Yes-No』も
爽快感を得られないという点では同じで、
だから私はオフコースが苦手だったのかもしれません。
ともかく、歌詞を見ていきましょう。
『眠れぬ夜』
作詞・作曲:小田和正
たとえ君が目の前に
ひざまづいてすべてを
忘れてほしいと 涙流しても
僕は君のところへ
二度とは帰らない
あれが愛の日々なら もういらない
愛に縛られて うごけなくなる
なにげないことばは 傷つけてゆく
愛のない毎日は 自由な毎日
誰も僕を責めたり できはしないさ
それでもいま君が あの扉をあけて
入って来たら 僕には分からない
君のよこを通りぬけ
飛びだしてゆけるか
暗い暗い暗い 闇の中へ
眠れない夜と 雨の日には
忘れかけてた 愛がよみがえる
眠れない夜と 雨の日には
忘れかけてた 愛がよみがえる
この曲は、男性が女性に愛想をつかして
別れてしまったという歌です。
この女性は一体なにをやらかしたんでしょうか。
彼の目の前にひざまづいて、
「これまでのこと全部許してほしいの。
ごめんなさい。
忘れて」
と泣いて頼んでも
「ヤなこった。
俺はもう出て行くぜ、二度とここには戻らないぜ」
と、取りつく島もありません。
このあたりはマーガレット・ミッチェル『風と共に去りぬ』の
レット・バトラーを連想させますね。
「スカーレット、そういうふうに君は子どもなんだよ。
君は「すみません」と謝りさえすれば、
長い間の悩みや苦しみが立ちどころに人の心から消え去り、
心の傷が治ると思っている」
(宝塚歌劇団 『風と共に去りぬ』より 引用)
レットは、二人でやり直すことよりも、
思い出を愛でていたいのだと言います。
しかしこの歌の主人公はそれすら否定。
「愛?あれが愛だったって言うのか?
だったら愛なんてもういらない!」
と、『北斗の拳』のサウザーみたいなことを言っております。
愛に縛られて動けなくなる……
ということは、彼女は過度にヤキモチ焼きで、
彼のことをずっと束縛していたのでしょうか。
テレビを見ていると、恐妻家と自称する芸能人・著名人たちが、
いかに奥さんに監視されているか、ぼやいてはるのを見かけます。
GPS機能を駆使して、居場所をいつも知られているとか、
仕事の合間に定期的に連絡させられるとか……
しかしこの曲がリリースされたのは1975年。
ポケベルさえない時代です。
どんな方法で彼を縛り付けていたのかしらねぇ。
今日1日、誰とどこでどのように過ごすか、
予定を管理されていたとか?
同僚や友達の女性とちょっと話しをしているだけで、
キーッとヒステリーを起こすとか?
彼女のいけない点はそこだけじゃないみたい。
普段から、特に悪意があるわけではないのに、
人を(彼を)傷つけるようなことを言ってしまうのね。
自覚なく人を傷つける女性、救いがありません。
ただ、この部分の歌詞は微妙で
もし傷つくのが彼なのであれば
「なにげない言葉に 傷つけられる」
と受け身の表現にするべき。
「傷つけてゆく」ということは、
逆に、彼が彼女を傷つけていく、とも取れます。
でもまあ私は、鬼嫁(鬼彼女)説をとりたいので、
ここはあえて、彼女が彼を傷つけているのだと解釈させてください。
こんなに精神的に追い詰められた僕。
男の僕から別れを切り出したとしても、
誰も僕のことを責められないはず!と彼は申しております。
大きく脱線しますが
昭和の時代に、桂三枝さんと西川きよしさんが司会を務める
『パンチDEデート』という番組がありました。
一般から出場者を募り、公開お見合いのようなことをし、
最後に相手を気に入ったら手元のスイッチを押します。
スイッチを押すと、背後にある電光が光り、
相思相愛だときちんとハート形が完成するという番組でした。
私がまだ小学生の頃、
友達のお兄さんがこの番組に出演したことがあるのです。
お兄ちゃんはかなりのイケメンで、私たちは絶対ハートが完成するか、
お兄ちゃんの方が断るパターンだと思い込んでいました。
ところが結果は、お兄ちゃんは気に入ってスイッチを押しているのに、
相手の人がスイッチを押さず、片思いで終わったのでした。
「そんなバカな!!」
テレビの前で大憤慨した私たち。
「なんでやねん!そないに可愛くもないくせに
○○兄ちゃんを振るなんて、信じられへん!
このヒト、アホちゃうか!!」
不適切な表現の数々、お許しを。
しかしこれが当時の私の偽らざる気持ちでした。
オンエア後、ほどなくして真相が伝わってきました。
お兄ちゃんはあらかじめ番組スタッフに言われたそうです。
「気にいる気に入らないは別として、
絶対にスイッチを押してあげてください。
放送で女性を傷つけるわけにはいきませんので」と。
ヤラセやんか!!
もう時効だろうから公表するけどさ。
テレビでは昔っからヤラセがあったのよ。
さてこの大幅脱線は何のためだったかというと、
これくらい男性から女性を振ることが大問題だったという
時代背景の説明でした。
男が女を振るなんて最低?
いやいや、こんなに辛い目にあっていた僕を
誰が責められるっていうんだ、誰も責められないだろ!と。
あれ?
なぜか私の脳裏には船越英一郎さんの顔が浮かぶんですけど。
ともかく束縛のオニだった彼女と別れられて良かったですね、
もちろんあなたを責める人はいませんよ。
二番に行きましょう。
泣いても土下座しても君とはもう付き合えない、と、
突き放しておきながら、この男性は自信がないんですって。
この彼女の性格から考えて、
彼は別れた後、自衛のために引っ越ししていると思うのですよ。
それでも彼女が突き止めてやってくる可能性がある、
その時彼女を追い返すどころか、
「君がここに居るんなら、僕が出ていくさ!」と
部屋を後にすることもできないかも、と。
なぜなら外は闇だから。
この外は闇、とは単純な時間のことを指しているのではないのでしょう。
別れてみたら一人とは孤独なものだった。
もう一度よりを戻したいと言ってくる彼女を突き放すことは、
ずっと闇に留まることだ、彼はそう思っているのです。
喉元過ぎれば熱さ忘れるというヤツでしょうか。
おーい!
もう一度束縛地獄に落ちても良いのか?!
「あれが愛の日々ならもういらない」のではなかったのか?!
眠れない夜や雨の日、アンニュイな気分で彼は思い出すんですね。
彼女との楽しかった時間を。
思い出は美化されていきますもんね。
良いところだけ思い出すのかもね。
そんな彼にかける言葉はただ一つ。
「新しい出会いを探しなはれ!」
ちなみに『眠れぬ夜』は1980年に西城秀樹さんがカバーし、
ヒットしています。
でも今回はあえてオフコースでお聞きいただきます。
オリジナルに敬意を表するという意味だけではなく、
モテて仕方なかったであろうヒデキが歌うと、
この歌の解釈がまた違ってくると思うのです。
あのカッコ良かったヒデキが、
眠れない夜と雨の日に、
酷い元カノを思い出して くよくよ歌うと思います?
それではYouTubeでお聞きいただきます。
アップ主様ありがとうございます。
↓
小田さんの声、きれいねぇ。
コーラスも綺麗。
今聞くといい曲だわ。
私も大人になったということかな。
【過去の深掘り】
これまでの深掘りはこちらで読んでいただけます。
ずらりと表示されるタイトルから、
読みたいと思っていただける部分をクリックしてくださいね。
↓
ブログランキングに挑戦しています。
もし記事を気に入っていただけたなら、
ポチッとクリックよろしくお願いします。
↓
