昭和歌謡あれこれ Vol.58 『まちぶせ』VS『待つわ』 | 茶々吉24時 ー着物と歌劇とわんにゃんとー

私がパーソナリティを務めさせていただいている

エフエムあまがさきの番組

「昭和通二丁目ラジオ」木曜日。

昭和の歌をお送りする番組です。

 

今この歳になって聞くと面白い「昭和の歌詞」を

番組内で深堀りするコーナ。

時には、この頃めったに聞くことがないけれど、

個人的に大好きな曲、名曲と思っている歌に

スポットを当てる時間です。

 

昨日は、石川ひとみさんの『まちぶせ』と

あみんの『待つわ』を比較検討しました。

 

※『まちぶせ』のオリジナル歌手は三木聖子さんですが、

 年代を合わせるため、あえて石川ひとみさんの『まちぶせ』と

 表現しています。

 

最初は『まちぶせ』だけを深掘りする予定だったのです。

昨日5月23日が「ラブレターの日」ということで、

歌詞にラブレターが出てくる『まちぶせ』を選びました。

当時「こんな女の子怖いよねー」と友だちと話したことがあったけど、

男性はこの歌詞をどう思うのかと、

一番身近な男性である夫に聞いてみたんですよ。

 

「今度は『まちぶせ』を深掘りしようかと思うんだけど、

 あの歌、どう思う?」

 

夫「あー!!あれな!!

 あの(歌の中の)女は最悪や!」

私「え?そう?なんで?」

夫「あれこれ小細工しよるやろ?

  性格悪い!」

私「じゃぁさ、同じような状況の『待つわ』はどう?」

夫「あ、あっちの(歌の中の)子の方がまし。

  おとなしく待っているだけやし」

私「えっ?!私は『待つわ』の子の方が嫌いやわ!」

夫「いーや『まちぶせ』の方が嫌いや」

 

ふーん。

夫婦の意見は見事に決裂。

これは比較してみる価値ありと思いました。

 

『まちぶせ』は1976年のリリース。

まだ”荒井由実”だったユーミンが三木聖子さんに提供した楽曲です。

1981年に石川ひとみさんがカバーし、

ご自身最大のヒット曲となりました。

 

『待つわ』は 女性デュオ あみん のデビューシングルで、

1982年のリリース。

あみんのメンバーである岡村孝子さんの作詞作曲です。

 

二つの歌の描いているものはほぼ同じ。

自分が想いを寄せている男性は現在別の人と付き合っている。

だけど諦めないわよ、

いつかは私の彼になるんだから(するんだから)……

という決意表明ですね。

 

先に結論を言いますと、私は『まちぶせ』のほうが好き。

『まちぶせ』女子のほうが好感が持てる。

彼女にはガッツと行動力がある。

自分自身もどちらかといえば『まちぶせ』タイプ。

『待つわ』女子のねちっこさには軽い恐怖を感じます。

 

では歌詞を見ていきましょう。

両者続けて引用させていただきますね。

 

なお、感情のままに語りますので、

乱暴な言葉を使うかもしれません。

しかしそれはあくまでも「歌の中の人」に対することばであり、

作詞作曲した方、あるいは歌っている人を

誹謗中傷、否定する意味はないことを

ご理解いただけるとありがたいです。

 

 

 

『まちぶせ』  作詞・作曲:荒井由実

 

夕暮れの街角のぞいた喫茶店

微笑み見つめ合う見覚えある二人

あのこが急になぜか

きれいになったのは

あなたと こんなふうに

会ってるからなのね

好きだったのよ

あなた胸の奥でずっと

もうすぐわたしきっと

あなたをふりむかせる

気のないそぶりして仲間に加わった

テーブルをはさんで

あなたを熱く見た

 

あのこがふられたと噂にきいたけど

わたしは自分から

云いよったりしない

別の人がくれたラヴレター見せたり

偶然をよそおい帰り道で待つわ

好きだったのよ

あなた胸の奥でずっと

もうすぐわたしきっと

あなたをふりむかせる

好きだったのよ

あなた胸の奥でずっと

もうすぐわたしきっと

あなたをふりむかせる

あなたをふりむかせる

 

 

 

『待つわ』  作詞作曲:岡村孝子 編曲:荻田光雄

かわいいふりしてあの子
わりとやるもんだねと
言われ続けたあのころ
生きるのがつらかった
行ったり来たりすれ違い
あなたと私の恋
いつかどこかで
結ばれるってことは
永遠の夢

青く広いこの空
誰のものでもないわ
風にひとひらの雲
流して流されて

※私待つわ いつまでも待つわ
 たとえあなたが

 ふり向いてくれなくても
 待つわ いつまでも待つわ

 他の誰かに
 あなたがふられる日まで

悲しい位に私
いつもあなたの前では
おどけて見せる道化者
涙なんていらない
わかりきってる強がり
平気で言ってみても
一人ぼっちのときには
そっと涙を流す

だれも私の心
見ぬくことはできない
だけどあなたにだけは
わかってほしかった

私待つわ いつまでも待つわ
たとえあなたが

ふり向いてくれなくても
待つわ いつまでも待つわ

せめてあなたを

見つめていられるのなら

 

※くりかえし


 

さぁ、どうです?

まず『まちぶせ』女子はかなり気が強いですね。

偶然目撃してしまった、彼と彼女のデート現場。

それまで胸に秘めていた彼への思いに、

ボワっと火がついた瞬間です。

微笑み見つめあう二人に気がつかず通り過ぎていたら、

彼への気持ちは淡いまま、

心の奥にしまっておけたかもしれないのに。

おそらく二人の幸せそうな様子を見た瞬間、

アドレナリンが沸騰して、闘争心が芽生えたんだと思います。

絶対に振り向かせてみせる!と。

そこから繰り広げられる奪還作戦。

何食わぬ顔で仲良しグループに参加。

真横、真正面ではなく、斜め前に座ったに違いないです。

テーブル越しに、自然に彼を見られる席に。

後日「あのこ」がふられたからといって

自分から告白するなんてことはしない。

「私さー、好きでもない人に告白されて困っているのよね」

なんて、他の人からもらったラブレターを見せて

相談するふりをしちゃうもんね。

彼の行き先がわかったら先回り。

ばったり出会うようにして

「あ、偶然!また会ったねェ」

と、彼に私を意識させちゃう。

私、頑張る!!

絶対に彼のほうから告白するように仕向けるもんね!

前からずっと好きだったんだから!!!

 

 

とまぁ、こんな感じでしょうか。

他の人からのラブレターを見せるというのは

人としてどうかとは思いますけど、

彼女の企画力、行動力、精神力はあっぱれだと思うのです。

怖いオンナだけど、清々しいまでの決意を感じ、

やることなすこと、いっそ気持ちいい。

頑張れ!

応援するぞ!

 

 

一方の『待つわ』女子。

私がこの歌の女の子をどうしても好きになれないのは、

ナルシストの匂いがプンプンするから。

出だしの

「かわいいふりしてあのこ

 わりとやるもんだねと言われ続けたあの頃」

から分かることは、彼女はモテていて、

短期間にコロコロ彼氏が変わっていた時代があったということ。

おそらくどれもこれも真剣な恋愛じゃなかったのでしょう。

もしかしたら、彼女にしてみたら、

「私から好きだといっておいて、

 飽きたらさよならしたわけじゃないのよ。

 向こうから勝手に好きだ好きだと言い寄ってきただけなの」

と思っていたんじゃないかしら。

それなのに、人に悪く言われて、

「私ってかわいそう。生きるのがツライ」

 

もうこのあたりから好かん。

 

 

そんなにモテるのに、本命の彼とは

どうもすれ違いでお付き合いができない。

彼の前ではピエロを演じちゃうのよね、私。

グスン。

 

 

と嘆いていると思っていたら、

『待つわ』女子は突然空を見上げます。

「雲が流れていく」

 

あー!!イライラする!!

こういう女子とは友だちになれんわッ!

ナルシスなる子め。

 

私が一番苦手なのは、

自分からはアクションを起こさず、

ひたすら待つ、いつまでも待つ、

あなたが振り向いてくれなくても待つ、

と宣言していること。

しつこ過ぎる!!

しかも なる子の設定した期限が怖い。

「他の誰かに あなたがふられる日まで」

だって!!

別れる日じゃなくて、ふられる日。

怖い!

 

夫には悪いけど、私は『待つわ』のなる子の方が

よっぽど性格悪いと思うけど!

 

思わず興奮してしまいました。

あくまでも個人の感想です。

そして最初にも書きましたが、

あくまでも歌の中の世界に対するツッコミであり、

作詞作曲、歌い手さんを貶める意図はありません。

ご理解ください。

 

では聞き比べてみましょう。

 

YouTubeからお借りしました。

アップ主様、ありがとうございます。

 

 

 

 

 

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