本日2回目の更新です。
宝塚歌劇のライブビューイングを見てきました。
自宅のテレビ画面で見るDVDと違って、
迫力ある大画面と音量、
何より、他の観客と一緒に見られる臨場感。
ライブビューイングはなかなか楽しくて癖になります。
前回のライブビューイングの感想はこちらです。
↓
『ブラボー!ライブビューイング!@花組『ポーの一族』千秋楽』
(茶々吉24時 2018年3月25日)
さて、今回は花組博多座公演。
演目は『あかねさす紫の花』と『Sante!!』。
『あかねさす……』は、宝塚歌劇の至宝
柴田侑宏先生の名作です。
私の初見は1977年の雪組。
大海人皇子がジュンコさん(汀夏子)、
中大兄皇子がターコさん(麻実れい)。
再演とはいえ、二人の個性と役柄がぴったりだったし、
三番手以下の役もそれぞれ深く掘り下げられた見せ場があるため、
大変見応えがあり、
まだ中学生だった私でも大感激したものでした。
人生後半にさしかかっている今日拝見してもなお、
その感動は色あせることはありませんでした。
ある人が、柴田先生のセリフは宝石みたいだと言っていたけど、
まっこと、その通り!
とってつけたような説明台詞は一つもありません。
セリフだけではなく、各場面の流れが自然。
自然でありながら、ドラマティックがてんこ盛り。
そもそも男女の三角関係、しかも兄弟で争うなどと、
「スミレコード」に抵触すること甚だしい題材なのに、
万葉ロマンにくるみ、
恋の不条理さや懊悩を描ききることで
芸術の域に高められ、観る人を感動させる、
これぞ柴田ワールド!
ああ、柴田先生!!!
改めて、柴田先生と同じ時代に生きられる幸せを噛みしめました。
興奮冷めやらぬ状態で、覚えている範囲での感想を。
●中大兄皇子:明日海りお
この公演は役代わりがありまして、
ライブビューイングも二度行われていたのですが、
うっかり八兵衛な私は、今日はどちらの配役だったか失念。
プロローグを見ながら
「大海人皇子?中大兄皇子?」
ものすごく悩みました。
しばらくして、みりおくん(明日海りお)が
悪そうな顔をしているので「あ、中大兄皇子なんや」と。
ええ加減な私。
美しいみりおちゃんが悩み、泣く
大海人皇子バージョンも見てみたかったけど、
同じぐらい「俺様」顔をしている みりおちゃんも好きなのよ。
みりおちゃんの中大兄皇子を見ていると、
単に横暴なわけじゃないのがよくわかりました。
強く出ているけれど、弟のお嫁さんを奪ったことに
実は心の深いところで悩んでいるんですね。
しかも、奪った額田女王の心のありかについて、
不安を感じているのを押し隠してもいる。
額田に対して、まだ弟を愛しているのか問いかけておきながら、
いや答えなくてもいい、という場面、
悩める美男子に弱い私には、たまりませんでした。
話が逸れますけど、随分昔に井上靖さんの『額田女王』が
ドラマ化されたことがあったんです。
その時の配役は、中大兄皇子:近藤正臣、大海人皇子:松平健、
額田女王:岩下志麻でした。
その時の中大兄皇子は、ひたすら迷いなく強い男でしたワ。
でも私は今日のみりおちゃんの中大兄皇子に魅力を感じました。
余談ですが、ラストシーンで中大兄皇子が
「狂ったか?!大海人!」
と言った後、昔は
「このお二人の確執が壬申の乱へとなだれ込んだのでした」
(セリフうろおぼえ)
というナレーションが入ったのですけど、
今日はそのナレーションはなかったです。
再再演の時はどうだったか…覚えていません。
●額田女王:仙名 彩世
色っぽい容貌の仙名さんは、
二人の男性に愛される額田女王役にぴったりと思いました。
声も綺麗で、セリフ通りが良いのも大好き。
何より堂々としているのが良いです。
大和三山をイメージしたダンスシーンは動きもとても美しく、
幻想的でした。
●大海人皇子:柚香光
日本物の柚香さん、どんなものかなと思っていたら、
意外というと失礼だけど、しっくりしていました。
少年時代は文句なく可愛らしく美しかったです。
柚香さんもかなり役に入り込んでおられ、
涙が頬を伝っているのを見て、私も胸を突かれてしまいました。
「野守は見ずや君が袖振る」と詠われたシーンは、
舞台上では実際にその動きはないのだけれど、
馬に乗り、夢中で袖を振っている姿をありありと想像できるくらい。
でも最後のシーンは、初見のジュンコさん大海人に勝るものはないのです。
あの鬼気迫る表情は今も忘れられません。
もちろん柚香さんも良かったのですが。
●斉明天皇:花野 じゅりあ
じゅりあ姐さんの貫禄が、女帝にぴったりでした。
いつもの癖のあるオンナを封印した気品と貫禄、さすがです。
●舟坂郎女:芽吹 幸奈
花組の娘役さんは声が綺麗な人が多いですね。
芽吹さんは特に、セリフの一言一言の粒が立っていて、
安心していられます。
●中臣鎌足:瀬戸 かずや
アキラ(瀬戸かずや)みたいな鎌足だったら、
私も妻になりたい!!
●銀麻呂:天真 みちる
失礼な言い方ですが、銀麻呂くらいの役にも
見せ場があるのが柴田先生の素晴らしさかなと思うのです。
温かく思いやりのある親方(?)が
天真さんにぴったりと思いました。
●天比古:鳳月 杏
初見の時、ノベさん(常花代)の天比古がとても印象に残りました。
悲しい人だなぁと。
当時中学生だった私。
女神のように崇めていた女性を恋い慕い、
ボロボロになりながらも夢を捨てなかったのに、
思いを裏切られて……
という天比古の悲しさを分かったつもりでいましたが、
この歳になって、当時の理解がいかに浅かったかがわかりました。
天比古って本当に良い役だったんだなぁ。
鳳月さんのことをこれまでは
「めちゃくちゃ脚の長い人」としか思っていなかったのだけど、
今日はちょっとときめいてしまった。
なんとなくユウヒさん(元宙組トップスター大空祐飛)に似ている気もするし。
役代わりの中大兄皇子も見たかった。
●鏡女王:桜咲 彩花
初見の時は、城月美穂さんが演じていました。
城月さんって、顔の造作が全て鋭角に美しく、
エキセントリックな雰囲気だったのです。
当時の私は生意気にも
「こんなとんがった美人って、ぱっと見はいいけど
付き合っているうちに疲れちゃうんじゃないかな。
だから中大兄皇子も目移りしちゃったんだ」
なんて思っていたのです。
我ながら なんて小生意気な。
桜咲さんは城月さんとは逆で、ぱっと見はまろやかな感じ。
妹に愛しい人を奪われた後の演技は、
それまでまろやかだった鏡の女王のバネがはじけて
熱いものが吹き上がる感じ。
桜咲さんの頬には涙が伝っていて、胸に迫るものがありました。
これもライブビューイングならではかも。
そして先ほども書きましたが、花組の娘役さんは声が良い人多し。
桜咲さんもいいお声です。
●小月:乙羽 映見
天比古がいい役であることはわかっていたけれど、
小月がそれに匹敵するほどいい役だと、
今日しみじみ思いました。
乙羽さんの小月を見ていると、
天比古と出会う前を想像できたんです。
他人からは、天比古に苦労させられているように見えるだろうけど、
実は小月は天比古に救われたんだろうなと。
だから生活苦なんかはものともしないのだろうと、
そういったことも想像させてくれました。
●十市皇女:音 くり寿
歌うまさんの音くり寿さん。
可憐な声で歌う
「木の実が一つころんと落ちた♪」で
涙が出ました。
序盤に、この歌が歌われる時には、
その先にこんなシーンがあるとは予想しないわけで、
柴田先生の緻密な脚本に改めて感服した次第です。
なんども言うようですが、柴田先生はやはり天才です。
なんという名作!!
宝塚歌劇200周年までもこの作品が引き継がれていますように。
ところで、一つ気になったことがありました。
それは、博多座のお客様はこの作品を、というより、
額田女王をどう受け止めておられるのか、ということ。
1999年、星組が『我が愛は山の彼方に』を博多座で上演した時のこと。
当時のトップ娘役 星奈優里さんが、
ものすごいアウェイな感じだったとおっしゃっていたのです。
万姫が恋人の朴秀民と愛を誓い合った後、
敵に捕らえられ、いろいろあって敵将チャムガと愛し合ってしまう……
というストーリー。
数分前の場面で秀民と愛を語っていた万姫が
チャムガに「私はあなたを愛しています」と言った瞬間、
客席が急速冷凍されたのが、舞台上から分かったと。
それはチャムガ役の彩輝直さんにもわかるくらいの変化で、
声にすると
「なにこの女?!簡単にに心変わりして、許せん!!」
というムードだったらしいんです。
客席のあまりの引きっぷりに、
2人寄り添って震えながら
「チュルクはチュルクは恋の街🎵」
と歌ったと。
博多のおなごはんは一途な人が多いのかな?
さて今回、博多座のお客様は額田女王にはどんな感情を
お持ちだったのか?
興味津々。
ショー『Sante!!』。
オープニング早々の客席降り。
博多座の客席ではほとんどの方が公演グラス(?)をお持ちで、
客席に降りてきた生徒さんと「乾杯」されていました。
皆さん本当に楽しそう。
ニコニコ笑ってグラスをかざしておられる。
それを見ている私の目に、なぜか涙がうわーっと盛り上がってきて、
自分ながら驚きました。
「こんな盛り上がる場面でなぜ泣く自分?!」
理由を考えたんですが、多分、お客様が嬉しそうなのに
共感しちゃったんだと思います。
「自分の座席の近くまでスターさんが来てくれて
嬉しいよね〜、わかる!!わかるよ!!」
その気持ちがわかりすぎて泣けたんじゃないかなぁ。
私の理想の最期は、
宝塚歌劇観劇後、緞帳が降りた瞬間に、
客席で息絶えるというもの。
関係者さまには多大な迷惑がかかるので、
実現してはいけないと思うんですけど、
「ああ、綺麗だなぁ、嬉しいなぁ、幸せだなぁ」
そう思いながら息絶えたいものです。
宝塚歌劇のライブビューイング、
今後もスケジュールさえ合えば、拝見したいです。
【追記】
博多座ライブビューイングでは
宝塚の「銀橋」と「26段の大階段」が
いかに素晴らしい舞台機構かしみじみ感じました。
ブログランキングに挑戦しています。
もし記事を気に入っていただけたなら、
ポチッとクリックよろしくお願いします。
↓

