長澤まさみちゃん主演ミュージカル『キャバレー』観劇 | 茶々吉24時 ー着物と歌劇とわんにゃんとー
本日2回目の更新です。
 
舞台より映画が好きな夫が珍しく自分でチケットを手配したのが
ミュージカル『キャバレー』。

夫は子どものようなところがあり、楽しみなことがある前日は眠れない人です。
今朝も3時には目が覚め、入浴したそうな。
愛する(?)長澤まさみちゃんに会うための沐浴潔斎のつもりだったのでしょうか。

私は、夫のお供で、フェスティバルホール改修後初めての観劇を楽しみました。
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まずは主演の長澤まさみちゃん。
失礼ながら見る前は
「歌えるのかいな?」
と思っていましたが、きっとものすごくトレーニングしたのでしょうね。
高音部は若干弱いものの、低音部などはよく声が伸びていまして、
なんの不満もありませんでした。
歌に比べて、一朝一夕に結果が出ないと思われるのがダンスや身のこなし。
言葉を飾らずに申しますとですね「シロウト臭い」というのが正直なところ。
いやいや、本当にすみません。
お前は踊れるのかと聞かれれば、全く踊れませんが、
とにかく舞台を見るのが大好きでいろいろなミュージカルを拝見しているもので、
目だけは肥えているのですわ。
もちろん振り付けは完璧にこなしているんですよ。
だけど、やっぱりダンスは弱い。
一人で踊るシーンはまだしも、アンサンブルと一緒に踊ると、見劣りしました。
普通に歩いているだけでも、やっぱりちょっと……
しかーし!!
それを補って余りある可愛らしさとスタイルの良さ。
舞台のセンターに立つにふさわしい「華」をお持ちだと思いました。
あの腕の長さ、脚の長さよ!!
テレビや映画より、舞台に向いているように思いました。
だからですね、ぜひダンスレッスンを続けていただき、
素晴らしい舞台女優さんになっていただきたいです。
(どれだけ上から目線。すみません!!)

駆け出しの作家クリフ:小池徹平くん。
良い感じではありますが、全体的に線が細いかな。
これは長澤さんもなのですが、時々セリフが聞き取れないこともありました。
私の耳が老いているせいかもしれません。
ただ、淡々としたセリフながら畳み掛けて笑いを取る部分は、
役になりきりながらも自然なツッコミぶりで、素直に笑えました。
さすが大阪出身。

MC(狂言回し)石丸幹二さん。
とにかく、歌が、声がすばらしい。
どれほど声を張り上げても、逆にささやこうとも、
セリフや歌詞が明瞭に聞き取れます。
声の通りが全然違う。
長年舞台で鍛えてこられた方の底力がありありと感じられました。
恐れ入りました。
こういう方が舞台に出ておられると締まりますね。

ところで、私はこれまでミュージカル『キャバレー』を見たことがありませんでした。
ライザ・ミネリの歌う、このナンバーを単独で知っていただけ。
 
勝手に、軽快なお話だとばかり思っていたら、本当はすごく暗い話なのですねぇ。
1929年、ナチスが台頭し、暗雲が立ち込めるベルリン。
登場人物も、まだ作品を書いたことがない”作家”や、
先のことをあんまり考えていないショーガール、
なんだかわけのわからないクラブのMC、
ハイミスの大家さん、
ユダヤ人の果物屋さん……
明るい要素が一つもありません。

ミュージカル『グランドホテル』も1928年のベルリンが舞台でしたから
ほぼ同じ時代のお話。

同じ時代の同じ都市を舞台に、さまざまな人間模様を描いているのに、
ずいぶんと印象の違う二作品。
私は『グランドホテル』の方が好きだなぁ。

暗いのは良いんですよ、暗いのは。
今日見た『キャバレー』は下卑ていて、どうにも好みではなかったのです。
演出家 松尾スズキさんが

「もっとエロティックに、もっと猥雑に、さらに愛おしく、そして哀しく……」
(HPより引用)
と自らおっしゃっているので、狙い通りだということになるでしょうけども。

ライザ・ミネリが出ていた『キャバレー』も、やっぱりこんな感じなのかしら。
確認しなくては!


今年1月に宝塚大劇場で見た月組『グランドホテル』の感想はこちら。

月組『グランドホテル』『カルーセル輪舞曲』感想(長文)


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