昨日、宝塚大劇場に星組公演を見てきました。

みっちゃん(星組トップスター 北翔海莉)と、

トップ娘役 妃海風ちゃんのサヨナラ公演です。

 

『桜花に舞え』はポスターを見たときから期待大でした。

サブタイトルのThe FINALは、

最後の侍とみっちゃんのラストをかけたものであろうし、

ということは舞台は幕末。

期待できるぞ〜。

 

まずは結論から先に言いますと、

泣きましたワ。

見ごたえありましたワ。

例えが変だけど、大河ドラマの総集編を見たような気分。

 

ざっくり言うと、戊辰戦争から西南の役まで、

薩摩の人斬り半次郎こと中村半次郎、

のちの桐野利秋を主人公に、

薩摩に恨みを抱く会津藩の残党や、

維新政府から使い捨てられた形の西郷隆盛、

西郷や郷土の友を思いながらも

維新政府に残った薩摩隼人たちの姿を

テンポよく見せてくれたのです。

 

フランス革命を背景にしたミュージカル『1789』を見たとき、

「いや〜フランスの歴史って血塗られてるわぁ」と思いましたが、

日本だって屍累々。

多くの人の無念の上に成り立った維新だったと、

改めて思う次第。

 

ここからは敬称略で。

 

桐野利秋:北翔海莉

少年(青年?)時代から散っていくまで、

演技の幅を見せてくれた みっちゃん。

おおらかな笑いあり、ほのかなロマンスもあり、

何より郷土愛あり、友情あり、

見せ場の多いこと多いこと。

しかも人斬り半次郎ですから、

殺陣シーンがあるんです。

スローモーションもうまく活用し、

躍動感いっぱいでした。

フィギュアスケートでは、

プログラム後半のジャンプは、

前半のジャンプより得点が高いという採点基準があるでしょ?

冒頭、戊辰戦争で会津藩士たちとの殺陣と、

最後、西南の役での殺陣。

散り際を見るがいい、とばかりに、

西南の役での殺陣の方が激しくて長いんです。

これはどんな審判でも高得点出さずにいられない。

いやー、みっちゃんの体力と気力、恐れ入りました。

 

会津の武家娘 吹優:妃海風

戊辰戦争では長刀を手に、果敢に戦う武家娘。

ポスターで見たときも思ったけど、

私の中ではこれまでで一番好みのコスチュームでした。

このお芝居が全体的に男の芝居で、

トップコンビの恋愛には重きが置かれていなかったけど、

そこを強調したいがために芝居がおろそかになるより、

物語全体から見ると、これで良かったのかとおもます。

(脚本演出の斎藤吉正さん、失礼な物言いすみません)

 

桐野利秋の幼馴染 隼太郎:紅ゆずる

今回はおちゃらけは封印。

芝居で泣かせてもらいました。

次期トップ娘役 綺咲愛理ちゃんとは

結ばれない思いでの芝居があり、

この二人で今後どんな作品を見られるのか期待大。

 

会津藩士 八木永輝:礼真琴

おいしい役でした。

薩摩に、中村半次郎に強い恨みを抱き、

仇を討つ機会を狙う永輝。

新撰組ファンの私としては、

この芝居の登場人物たちの大半は敵。

永輝、頑張れ!

その悔しさ、わかるぞ、と、

めちゃくちゃ感情移入して応援しました。

ラスト、壮絶。

 

あとは、薩摩チームでは

七海ひろき、天寿光希、夏樹れい、十碧れいや、

瀬央ゆりあ、

犬養毅の麻央佑希、

娘役では、隼太郎の姉の音波みのり、

桐野利秋の母 夢妃杏瑠が印象に残っていますが、

事細かに書けません。

 

なぜならば、めちゃくちゃ忙しかったからです。

 

まずは、冒頭から繰り出される鹿児島弁についていくのに必死。

これは外国語なのか?!

いや、日本語だ。鹿児島弁だ。

いつもより耳を立てて、必死で聞き取ろうとしておりました。

人間慣れるもので、最後にはなんだかスッと聞き取れるように。

ご一緒した先輩は鹿児島に親戚がおられるのですが、

「あれでもだいぶん標準語に近くアレンジされていると思う」

とのこと。

でも、

「鹿児島県人が聞いたら『違う‼︎』と言うかもしれないけど、

 私の聞いた感じでは、しっかり鹿児島弁になっていると思う。

 かなり練習したんじゃないかしら」

だそうです。

芝居以前に大変だったことでしょう。

 

さて、鹿児島弁のセリフを聞き逃さないよう、

聴力を研ぎ澄ませている一方で、

目も忙しい!

私が星組で注目している男役さん

隼玲央くんが新人公演で演じる三つの役

チェックせねば。

そして仰天。

冒頭いきなり会津中将 松平容保登場。

私が想像していたのとは、良い意味で違う〜!!

舞台中央、上がっているせりのど真ん中に、

客席にしっかり対峙する形で、

立っているじゃないの!

本役の天華えま、凛々しくも美しい。

そして愛する会津藩士たちに檄を飛ばす!

そのセリフが結構長いんですけど?!

「えっ!!こんな長いセリフがあるの?!」

感激。

衣装は豪華。だってお殿様ですもの。

これを、これを隼くんが着させてもらう?!

キャー!!嬉しい!!

 

先に見ている友人情報では、

中原尚雄役はせり下りがあるらしい。

中原…中原…と。

終盤に差し掛かり、出てきました。

新政府の警視隊から密偵として薩摩に潜入したのが

バレて捉えられた!

中原くん、客席に見栄を切る形でセリフを話し、

せり下がった!

顔には拷問でついたであろう傷あり。

なんと目立つ!

同じ藩士どうしが戦う悲惨さの象徴のような役。

芝居心が必要です。

うう、これを隼くんが?

 

そしてもう一つは中村半左衛門。

桐野利秋の弟です。

主役の弟よ。

 

せりの上に立つわ、せり下がるは、

セリフはあるは、

隼くんがこんなに素晴らしい役を、

三つもいただいたとは、

新人公演を観る前から胸いっぱいです。

 

と、胸を熱くしつつも、

お芝居がどんどん展開していき、

それについていくのも大変。

 

集中して聞かなきゃダメだし、

あちこちチェックしてみないとダメだし、

もうね「せからしか〜!!」

 

この作品を隅々まで楽しもうと思ったら、

あと2回や3回は見ないとダメだな、

そう思いました。

 

ちなみに「せからしか」は、

以前同僚だった九州出身のかたの口癖。

忙しくてたまらない、というニュアンスだったと思います。

もしかしたら薩摩弁ではないかも。スミマセン。

 

 

さて二本立ての、ロマンチック・レビュー『ロマンス!!』。

敬愛する岡田敬二先生の作品です。

幕開き、いきなり大階段が出ていて、

団体客からどよめきが起こる。

衣装の色彩が美しい。

じゃっかん古めかしい印象の場面もあるけれど、

私のような年代にとっては、

「ああ、これ、なーちゃんとヒトちゃんで見た

 あの場面を思い出させるわ」

(なーちゃん:元花組トップスター 大浦みずき

 ヒトちゃん:元花組トップ娘役 若葉ひろみ)

安心してみていられるというか、

郷愁をそそられるというか。

良き宝塚を見せてもらった気がします。

 

もちろんみっちゃんのさよならを意識した場面、

新トップコンビが並ぶ場面などもあり。

二本立てとしたら、良いバランスだったのでは。

 

ちなみに、オールディーズの場面での

音波みのりのメガネ女子ぶりにやられました。

可愛すぎたぞ!

 

 

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