私は記憶を司る部分の妙なポイントが発達しているらしく、
友人たちから「よくそんなことを覚えているね!」と
言わることが多々あります。
私の場合、記憶しているというよりも、
普段格納庫にしまわれていて自分でも意識していないエピソードが、
なんらかの言葉でパッと表面に飛び出してくる感じなのです。
今風にいうと、記憶にいろいろなタグが付いていて、
会話の中にその単語が出てくると、
検索システムが自動的に作動して、
思い出がよみがえってくるんです。
しかし、そのような能力が発揮されるのは、
たいてい、全く重要でないことばかり。
「へぇー」と受け止められ
ケラケラケラっと笑っていただいたら終わることばかりです。
そんな私が、
「この人、よくこんな話を覚えているもんだなぁ」と
感嘆したのが『いとしいたべもの』の著者 森下典子さん。
- いとしいたべもの (文春文庫)/文藝春秋

- ¥745
- Amazon.co.jp
たべものにまつわる、あんな思い出こんな思い出が
時に年月日まで特定して記述されています。
この本でエピソードが紹介されているたべものは
「はじめに」も入れると23個。
「はじめに」も入れると23個。
ラーメン、オムライス、くさや、サッポロ一番みそラーメン、カステラ、
ブルドックソース、鮭、水羊羹、カレー、舟和の芋ようかん、
鶴屋吉信の栗まろ、松茸、きつねどん兵衛、江戸むらさき、メロンパン、
茄子、ポテトサラダ、たい焼き、カレーパン、おこわ、
崎陽軒のシウマイ弁当、おはぎ、おかゆです。
それを初めて食べた時の思い出や、
その時に一緒にいた人たちの話は、
ほぼ同じ時代を生きて来た私には、
実感を伴って読めるものばかりでした。
とはいえ私は関西人なので、
くさやは想像することもできませんし、
「海苔の佃煮といえば『磯自慢』やわ~」
「サッポロ一番はみそより塩ラーメンのほうがおいしいよ」
などなど、反論(?)もいろいろありました。
しかし、それは些細なこと。
森下典子さんのたべものに関する描写は素晴らしい。
読んでいると、そのものが目の前にあり、
自分もそれにかぶりついているような気がしてくるんです。
たとえばカレーパンをかじった瞬間、
パン粉がセーターの胸元にこぼれてしまう様子など、
「そう、そう、そうなのよ!」と誰もが思うことでしょう。
何より「はじめに」のエピソードを読むと、
胸がいっぱいになり、
きっと誰もがたべものにまつわる自分の思い出を
振り返りたくなることでしょう。
この本は和菓子のあんこを練る機械などの
食品加工機械メーカー株式会社カジワラの
ホームーページ「おいしさ さ・え・ら」に月に一度連載したものから
生まれたんですって。
試しに検索したら、今も連載は続いていました。
味わい深い挿絵も森下典子さんの作品です。
うまいなぁ、文章も絵も。
HP上で見るのも楽しいけど、
本のページをめくりながら読むと一味違う楽しさがあります。
Web掲載されたものを書籍化する意味はある、と
改めて感じることもできました。
HP上で見るのも楽しいけど、
本のページをめくりながら読むと一味違う楽しさがあります。
Web掲載されたものを書籍化する意味はある、と
改めて感じることもできました。
おいしく読めるたべものエッセイ『いとしいたべもの』
おおいにお勧めします。
おおいにお勧めします。
それにしても、この本を読み終わった直後に、
友人がTwitterで「鯛焼きを食べました」と
写真を掲載しているのを見てびっくりしました。
この本の中で紹介されている東京三大鯛焼きの一つ
人形町の「柳家」の鯛焼きだったのです。
さっそく「その鯛焼きは東京三大鯛焼きの一つだって」と
うんちくを披露できました。
あとの二つは本で直接確認してくださいね。
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