本日2回目の更新です。
観てまいりました。
『新源氏物語』は、生で拝見するのは初めてでございます。
初演も再演も観ておりません。
(ビデオでは観たことがあります)
真っ暗な中緞帳が上がると、ワサワサと舞台に人がいる空気。
おお、チョンパなのね、と嬉しくなります。
チョンパとは、柝の音が「チョン!!」と鳴ると
パッと照明がつき、舞台の全景が見える演出のこと。
音楽で言えばカットインの効果があります。
そして実際にパッと明るくなって舞台が目の前に現れた瞬間、
客席から「おおおおおおお~」と、どよめきが。
美しい!
絢爛豪華!
初演と再演のプロローグは、道具類やセリなど
若干の変更はあったようですが、ほぼ同じ趣向。
ところが今回は…。
ネタバレしますよ、すみません。
照明がつくと同時に目に飛び込んでくるのは大階段。
26段が緋毛氈に覆われているのです。
それだけでも ものすごい迫力。
そこに居並ぶ平安貴公子と平安美人たち。
もちろん色とりどりの衣冠束帯、十二単姿です。
その美しさの圧倒的なことといったら!
私はね、自分が歳をとったもんだなァと思いました。
だって、我知らず涙がこぼれてしまっていましたから。
自分でも「え?なぜ?なぜここで泣く?」と不思議でしたよ。
美しすぎて涙がこみ上げてきたんです。
川端康成の小説のタイトル『美しさと哀しみと』ではありませんが、
美しすぎるものは、どこかに哀しみを秘めている。
若い時は「わー、綺麗~」と思っていたであろうに、
美しさに胸を締め付けられたプロローグでした。
大階段以外にも初演との変更点がいくつか。
頭の中将が主題歌の1番を歌ったところで、
満を持して登場していた光源氏が、
今回は最初から現れ、一人銀橋で舞います。
背景の平安貴族、美女たちが色彩豊かな衣装を着ているのに対して、
光源氏の衣装の地色は白で、藤の花の刺繍がほどこされています。
(ポスターで着ている衣装)
ああ、なんと上品で垢抜けていることか。
そして、主題歌を歌うのは頭の中将ではなく惟光でした。
キキちゃん(芹香斗亜)、大階段の真ん中で堂々と歌っていましたが、
布が敷かれた大階段に、日本物の衣装と履物で…って、
足を滑らしてしまうんじゃないかと、
見ていて気が気ではありませんでした。
本当に怖いわ。
それからプロローグで、
頭の中将の衣装が真っ赤なのにもびっくり。
YouTubeでみたピンちゃん(みさと けい)の
頭の中将の衣装が印象に残っていたからびっくりしたのね。
きっと。
YouTubeでみたピンちゃん(みさと けい)の
頭の中将の衣装が印象に残っていたからびっくりしたのね。
きっと。
田辺聖子さんの『新源氏物語』は上中下巻ありました。
それを1時間半程度にどうやってまとめるのだろうと思ったら、
エピソードを絞って、うまくまとめられていました。
私は『源氏物語』の登場人物で好きなのは、男性は頭の中将と惟光、
女性は葵の上、六条御息所、そして朧月夜の3人です。
その中の葵の上をじゅりあ姐さんが
(花野じゅりあ。私より完璧に年下ですけど、そう呼びたい)
演じていたのは嬉しかったです。
やっぱり じゅりあ姐さんが元気でいて下さらないと
見ていてつまらないわ。
頭の中将はアキラ。(瀬戸 かずや)
私はアキラのこと大好きなんですが、
頭の中将が”さっぱりとした良い人”になってしまっていて、
もっと負けん気などを感じさせて欲しかったなぁと思います。
惟光 キキちゃん(芹香斗亜)
これまで大きな役や複雑な役をやってきて引き出しが増え、
これくらいは簡単にできそうな感じがしました。
ただ「あさきゆめみし」の影響かもしれないけれど、
私の中で惟光って憎めない三枚目キャラなのです。
でもキキちゃんは白塗りになると、目の当たりが鋭くて
二枚目すぎる~!!
そして何と言っても光源氏 明日海りお。
綺麗ですよねぇ。
でも みりおちゃんって以前から思っていたのですが、
ぱっと見、なよなよとした美少年なのだけど、
意外と骨太なところが見え隠れするのです。
須磨の場面で、父帝の亡霊と対面したあとぐらいに
ぐわーっと感情の盛り上がりがあり、
そこで男らしい光の君が見られました。
美しいのでついつい、オペラグラスで表情をアップで見てしまいます。
すると驚きのハプニング(?)が。
最後の場面。
父帝が自分と藤壺の女御の不貞を知っていたのだ、と悟るシーンで
うつむいていた顔をぐっと上げながらセリフを喋った瞬間、
おくちから唾液が!
ぎゃっ、よだれ?!
でもね、それが汚く見えないんです。
美形は涙も鼻水もよだれすらも美しいのね。
(調子に乗ってすみません、今日は鼻水は出ていませんでした)
光源氏の周囲の女性達について。
私は花組の娘役さんをほとんど識別できていないということを
本日はっきり悟りました。
誰が誰やら?!
さすがに、藤壺 花乃まりあと、
六条御息所が柚香光くんだということはわかりましたが、
それ以外は白塗りということもあり、さっぱり。
すみません。
柚香さんに六条御息所とは、とびっくりしました。
男性の役が少なくて、こういう事態になるのでしょう。
『あさきゆめみし』で水夏希が明石の君を演じた時と
同じ気持ちになりました。
うーむ、本人に罪はないけど、このキャスティングはないでしょう、と。
でもさすがに、生霊のシーンは迫力がありました。
そうそう。
お名前がわかりませんが、宮中の宴で5人の娘役さんが歌うシーン。
真ん中の娘役さん、声がきれいで歌がお上手でした。
でも、階段を登ってくるときの所作が荒々しくてびっくり。
他の四人の歌姫が、滑るようになめらかに上ってこられたのに、
最後の方だけが、ガシガシとたくましく上ってこられたんです。
偉そうにすみません。
多分、4、5段しかないと思うんですが、
意外なまでに目に付きました。
重箱の隅をつつくようなことですみません。
でも歌がいいだけに、もったいないです。
それにしても、人の世の因果、人間の業の深さ、
愛と憎しみが表裏一体であることなど、
1000年以上も昔に書きつらねた紫式部はすごいなァ。
そしてその世界観を数分の主題歌に盛り込んだ
田辺聖子さんと柴田侑宏先生に改めて尊敬の念が沸き起こります。
もう一度主題歌を聞いていただきましょう。
→1981年月組『新源氏物語』プロローグ
余談ですが、キキちゃんのお母様である白川亜樹さんはこのとき研究科2年生。
ひな壇真ん中にいる五人囃子の真ん中、ひときわ背が高いのが白川さん。
親子がときを経て同じ公演に出演されるなんて、
なかなかないことです。
この主題歌は美しく覚えやすくて、
→1981年月組『新源氏物語』プロローグ
余談ですが、キキちゃんのお母様である白川亜樹さんはこのとき研究科2年生。
ひな壇真ん中にいる五人囃子の真ん中、ひときわ背が高いのが白川さん。
親子がときを経て同じ公演に出演されるなんて、
なかなかないことです。
この主題歌は美しく覚えやすくて、
幕間休憩のときに、あちこちで皆さん無意識に歌っておられました。
私の真後ろの方は「恋の曼荼羅 よじゅうごじょう~」って。
あれ?45じゃなくて54だよね、と思ったけど、
そんなことはどうでもいいことです。
見た後すぐにくちずさみたくなる主題歌。
最近ありませんよ。
あらゆる意味ですばらしい『新源氏物語』でした。
一方の『Melodia
-熱く美しき旋律-』。
いい場面もいっぱいあったと思います。
が、それより気になることが。
全体に舞台が暗い!
なぜそこまで照明を落とすのかわからない場面が多数。
(省エネ?)
それから衣装が美しくない場面が多い。
一人一人を見るとしゃれた衣装に見えるのですが、
オペラグラスを外して肉眼で見ると、
全体の色調が今ひとつ。
これは多分好みの問題があると思います。
私は明度と彩度の高い色が好きなのに、
今回の舞台衣装はベースになる色が
ダークで濁りのある色が多かったので、
美しくないと感じたのだと思います。
これももしかしたら年のせいなのかもしれないなァ。
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