東映YouTubeで配信中の宇宙刑事ギャバンが最終回を迎えましたので今回は全体的な総括を。
この宇宙刑事ギャバンは特撮ヒーローの歴史に新たな革命を起こした作品であると同時にメタルヒーローの礎を築いた作品でもあります。まずギャバンのコンバットスーツの造形が近未来的で非常に洗練されてて今見ても全然古くささを感じさせませんし当時としては非常に斬新なヒーローであったことが窺えます。この光り輝くメタリックスーツのヒーローというギャバンのデザインがその後のメタルヒーローのイメージを決定づけたと言っていいでしょう。
さらに宇宙刑事ギャバンはアクションに非常に力を入れていたことも特徴的でしょう、ギャバンに蒸着する一条寺烈を演じた大葉健二さんはJAC(現:JAE)所属の俳優で宇宙刑事ギャバン以前では秘密戦隊ゴレンジャーでアクション担当が大野剣友会からJACに切り替わった後のアカレンジャーのスーツアクターやバトルフィーバーJと電子戦隊デンジマンで変身前後共に演じていました。大葉さんの変身前での身体を張った激しいアクションが非常に力強さを感じさせますし変身する前から既にヒーローとしての強さが感じられます。さらに烈の人柄も非常に魅力的です、お金が無くてパートナーのミミーからお金を借りるという三枚目な部分もありつつ子供達に対しては非常に優しい頼れるお兄ちゃんな部分も見せ卑劣なマクーに対しては怒りの表情を見せるといった魅力的な人物です。また烈といえば父ボイサーとのドラマも印象的です、父を想う烈の表情が何とも言えない感じで非常に印象深いです。終盤でボイサーとようやく再会したものの程なくして死んでしまったのは非常に切なかったですね。
あとギャバンといえば魔空空間という異次元空間での戦闘シーンが非常に印象的ですね、これは当時最新技術だったビデオ合成をふんだんに使用した非常に斬新な映像表現でギャバンは様々なフィールドでベム怪獣やダブルモンスターと戦いました。この魔空空間というアイデアはその後の宇宙刑事シリーズでも使われさらにスピルバンのバイパススリップやウルトラマンネクサスのメタフィールドといった形で宇宙刑事以外のヒーローにも魔空空間のアイデアが応用されてます。
さらにギャバンの魅力といえば豊富なメカニックの数々ですね、ギャバンが魔空空間に突入する時に使用するサイバリアンや超次元戦闘車ギャビオンにギャビオンから発進する地底戦車スクーパー、そして何より超次元高速機ドルギランが非常に印象的ですね。ドルギランの下部は電子星獣ドルに変形しますがこの電子星獣ドルはギャバンと共に地球に来たもう一人(1匹?)の宇宙刑事で一説には星獣戦隊ギンガマンに登場する銀星獣や剛星獣の仲間とも言われています、電子星獣ドルはその優れた戦闘力でギャバンの戦いを支えました。こうした豊富なメカニック類もその後のメタルヒーローシリーズで定番になった要素ですね。
こうした様々な斬新なアイデアや映像表現で特撮ヒーローに新たな革命を巻き起こしその後のメタルヒーローの礎を築いたギャバンですが一方でドラマ部分については基本は従来の特撮ヒーローと同じ1話完結方式で縦軸のドラマはあまり多くありませんでした、ですがそれを差し引いてもこの宇宙刑事ギャバンは今でも色褪せない名作でありますし最近になって二代目が登場したことも非常に納得出来ますね。

そしてギャバンはコンパチヒーローシリーズの一つであるスーパーヒーロー作戦とスーパーヒーロー作戦ダイダルの野望でも活躍しており特に1作目のスーパーヒーロー作戦では仮面ライダーが不在な中等身大ヒーローの中核を担ったヒーローでウルトラマンとのクロスオーバーも非常に印象的でした。こちらのゲームも気になった人は是非チェックしてみてください。以上で宇宙刑事ギャバンの総括を終わります。