FC東京のセカンドチーム構想について、先日のビッグフレームス交歓会で、大金社長が口にしたと
ニュースになっています。これ、そもそも年始からそういうニュースはありましたよね。
さておき、セカンドチームについてちょうど、今月発売の『欧州サッカー批評』にバルセロナのそれに
ついての記事があったので、合わせて考えてみたいと思います。バルセロナのセカンドチーム、
バルセロナB(通称:バルサB)は、2014-15シーズンはセグンダ・ディビジオン、日本でいうJ2に
所属し、戦っていました。バルサBは、バルセロナが誇るカンテラ(石切り場を意味するスペイン語で、
ユース年代の下部組織全体を指します)の最上位に位置し、過去このチームからはトップチームに
錚々たる選手たちを送り込んでいます。プジョル、シャビ、イニエスタ、メッシ、セスクにペドロも
いわばバルサの子たちだったわけです。
しかし、そのバルサBは、いま危機に瀕しているという見方があるようです。トップチームは昨シーズン
チャンピオンズリーグに国王杯含め3冠を達成し絶頂にあるわけですが、その原動力となったのは
言わずと知れたメッシ・ネイマール・スアレスの『トリデンテ(3本槍)』。メッシはカンテラ出身ですが、
ネイマールとスアレスは南米を代表するクラッキで、バルサ出身ではありません。彼らの特長を
活かしたタテに早いサッカーは、数年前にバルサのスタイルだった『ティキ・タカ』とは好対照なもの。
現に華麗なパスサッカー『ティキ・タカ』の象徴であったシャビはバルサを去り、イニエスタも31歳を迎え
『ティキ・タカ』自体が過渡期にあるというものです。
そのように、トップチームが変わっていく中で、バルサBもまさにアイデンティティーの危機にあるという
ことらしいです。まず念頭におきたいことは、バルサBは昨シーズン、セグンダ・ディビジオンで下位に
沈み、3部リーグに降格が決定しています。端的に言えば、チームの目的が定まらなかったことに
低迷の原因があるようです。つまりバルサらしいサッカーで育成を旨とするか、それとも目の前の
試合を勝つために「勝つサッカー」をするかということらしいです。海外から選手たちを獲得し、低迷する
チームの浮上を狙いましたが、思った効果は出なかったと。選手たちは自己アピールにばかり注力し、
ハーモニーもなく下位チームにも勝てなくなったと。そんな悪循環に陥ってしまったようなのです。
『ティキ・タカ』が失われつつある、バルサのアイデンティティーはさておき、同じことがFC東京にも
起こり得ると思います。セカンドチームは年代制限なく、いわゆるトップのサテライトという扱いになる
のでしょうが、彼らのモチベーション、目標を何とするかということが重要でしょう。育成型クラブとして、
という枕詞で語るならば、FC東京セカンド(仮)の目的はバルサBと同じはず。とすればまず念頭に置く
のは、クラブのアイデンティティーの確立です。この点、東京はまだ未成熟だと言わざるを得ません。
バルセロナですら、勝つことと並立させる中でこれを維持することに苦労しているほどです。
仮にもプロリーグであるJ3から始まるというのも、ハードルは低くありません。「戦う」リーグの中で、
自らの目的(おそらく「育成」)と勝利を両立させなければならないということは、実はトップチームよりも
重い荷物を背負わされているのかもしれません。今後の動向に期待したいですが、まずは
東京らしいサッカー、これを固めることではないでしょうか。
バルサの足下にも及ばないFC東京ですから、相当頑張らないと、うまくいかないでしょう。
ちなみに3部降格、チームもバラバラ…?といったバルサBも、来日してアビスパ福岡には5-0で
勝利しています…次元が違うと言わざるを得ません。