
FC東京は年間チケット保有者である「SOCIO」一人ずつに対して、2枚ずつのチケット引換券を送ってきました。
「知人・友人の方をお誘いください」と、いわばタダ券のバラ撒きです。これをもって、まず味スタを満員にして、
その雰囲気の中でライブのサッカーを観戦してもらい、リピーターにしていこう、という試みだと思います。
その作戦は奏功して、今日のセレッソ大阪戦の入場者数は、4万人を超えました。東京の試合の平均観客数
は2.2~2.3万人というところですから、この数字は破格で近年でも4万人入った試合は、そうそうありません。
ゴスペラーズがゲストで来た鹿島戦、というと何年前でしょうか。その辺にさかのぼります。
さて、何はともあれ今季最多の観客を集めた試合で、肝心の結果がついてきませんでした。相手の
エース柿谷に決勝点を奪われ、先制は売り出し中のヤング・セレッソの旗手、南野に先制されるという、
セレッソサポーターにとってはこの上ない「絵に描いたような」展開で白星を献上してしまいました。
こうやって、大々的なイベントを組んで観客を集めた試合に弱い、というジンクスもたしかにありますが、
今回もこうして、ここ一番で相手にオイシイところを譲る「東京らしさ」は、如何なく発揮されたのでした。
しかし今日のように、初めて見に来たという人が多い試合では、「負け」たとしても、アリなんじゃないかと
思っています。むしろ「負け」た方が、より心に響くとすら思います。こんな弱いチームだから、あなたの
サポートが必要です、とか…次は勝ちます!という楽しみを引っ張る効果なども期待できる…とか、そういう
言い訳のようなことじゃなくて、負けているからこそ「応援」することの疑似体験をリアルに味わってもらえた
のではないかと思うからです。何も知らないファンは東京の試合なので、東京を応援しますよね。
その時に、応援するモチベーションを作りやすいのは、「負け」ている状態なのではないでしょうか。
ここに「応援」の本質があります。
もう一つ。観客は、非日常を味わうためにスタジアムに来ていますが、あるいは自己を愛するクラブに
投影して、そのチームが勝つ姿を見に来ているのです。サッカーに人生を重ねてみるとき、「負け」は
重要なエッセンスになると思います。誰もが人生でたくさん、日々「負け」ていて、それでたまに「勝って」
喜びを知るんだと思います。これは、子どもだと話が通じません。なにしろ人生で負けたことがないので、
「東京勝たなきゃだめじゃん」となるのですが、大人は、「負けることが、ままある」ことは先刻承知なのです。
「負け」てしまったからこそ、「それじゃあまた見に来てみようか、今度は勝つかもしれないし」となる方が、
自然ではないでしょうか。
かなり都合がいい解釈ですが(笑)、「負け」から入るサッカー(スポーツ)観戦、きらいじゃないです。