


勝った!…とは決して思っていませんでした。2-0は危険な点差。次の1点の行方が、試合を大きく左右
します。ましてそこはカシマサッカースタジアム。過去の勝率はわずか10%。十中八九、負けるのです。
(※正確には10回やって、7敗です。リーグ戦の通算実績)…それにしても、またとない負け方でした。
【アウェーで巧みな試合運び、ハーフタイムまでに2点を積み上げる】
前半の東京、粘り強い守備で、相手の攻撃を抑えていました。鹿島は攻撃陣が好調です。起点となるのは
大迫、ダヴィの2トップ。これに野沢と遠藤が絡み、ボランチの柴崎・小笠原が中央で押し上げてきて…という
効率のいい流動性は昨年やられたばかりのもの。この日は、バイタルをふさいで、サイドからのボールも
中央で跳ね返し、遠いところからのシュートは落ち着いて見送り、失点する感じはありませんでした。特に
ダヴィに向かう森重の激しさ。ダヴィはイライラして、審判にクレーム、森重とにらみ合い。そうなった方が、
こっちは助かります。狙い通りの守備がはまっていました。
攻撃では、この日も前節と同じ、千真と李のタテ関係に、東とルーカス。秀人と米本のダブルボランチでしたが、
秀人がこの日も出色の出来、米本は反対にボールを持ちづらそうで、秀人が良く見えました。先制は7分です。
ゴール前中央でのワンツーパスを、相手がクリアしたボールが李に当たり、そのまま跳ね返ってゴール前へ。
勢いそのままに走り、ラインの裏へ抜け出す格好になった李が、落ち着いてゴールへ流し込みました。よし!!
この日の注目はもう一人、A代表に初選出された東慶悟です。左サイドで、攻撃の意欲満々。前へ出て
積極的にゴールへ向かっていました。2点目は、その東も絡んでのもの。前半終了間際、粘り強い守備を
続けていた東京、左サイドに抜け出した東が李とワンツー、戻ってきたボールを李が中央の千真へ。
千真はこれがまたストライカーらしい、狙いすました右足シュートを、DFが寄せてきていたニアサイドへ。
スピードあるボールが絶妙のコースを貫き、追加点。前半44分というまたとない時間帯で、サポーターは
早くも歓喜の様相を見せていました。ハーフタイムに入りますが、2-0というスコアが、不吉な感じでした。
【大切だった次の一点、奪った鹿島が東京を飲み込んだ!!】
ハーフタイムに、観戦仲間と話していたのは、やはり次の一点の重さでした。2-0から、早く次の1点を奪って、
3-0にもっていくこと。これが出来ないと、危ないという見解で一致していました。ところが、です。後半が
始まって、わずか2分。鹿島が、ポンとDFラインの裏のスペースに出たボールを、大迫が拾って持ち上がり、
そのまま綺麗なシュートを簡単に決めて、2-1としてしまったのです。時間帯が早すぎたことで、東京イレブン
は大いに動揺してしまったでしょう。反対に、鹿島は大いに勢いづいたでしょう。まさかの展開が待っていました。
失点から向こう、東京はひたすら自陣にくぎ付けにされてしまいます。鹿島の攻撃に耐えるものの、ようやく
カットしたり、拾ったパスが、前につながりません。中盤で拾われて、また逆襲を食らう。その繰り返しでした。
東京のゴール裏からは、スタジアムの反対側。遠くて、声が届かないような気がしました。権田の背後では、
鹿島サポーターが興奮して叫びながら、一斉にジャンプを繰り返して、ゴールを呼んでいました。恐ろしい
光景でした。56分、遠藤のクロスがニアに立っていたヒョンスに当たり、ゴールイン。東京の応援席からは
オウンゴールとは気付きませんでしたが、追いつかれたことだけはわかったのです。試合は振り出しです。
【交代にも失敗、駒を使い果たして反抗するも、及ばず悔しい逆転負け…】
傷口をふさぐためには、交代策を考えることもできたと思いますが、如何せん失点が早かったと思います。
そこでカードを切るのは、難しかったでしょう。流れを変えようと、ベンチが動いたのは65分。ボールを持てなく
なった李に代えて、田邉草民です。キープ力を活かし、中盤のパスワークも復活させたい狙いでしょうか。
ところがその草民が、狙われてしまいました。ファーストタッチが、ペナルティエリアぎりぎりのライン上。
パスの受け手を見つけられず、ボールを持ちかえた瞬間、詰め寄ってきた大迫に、ボールを攫われてしまい
ました。「あっ!!」と思った時には万事休す。勝ち越し点が蹴り込まれ、ついに逆転をゆるしてしまいました。
その後は、立場が逆転した試合そのままに、前半鹿島が繰り返していた、苦し紛れのロングボールによる
攻撃に、中央もふさがれミドルシュート、これも枠に飛ばず、決定的に前を向けず…はね返されるのみ。
苦しい展開が続きました。ようやくベンチが動いたのは試合も終わりの88分。ルーカスに代えて平山、さらに
さっき入れたばかりの草民をアウトで、林がインというバタバタぶりです。林と平山は、それぞれ決定的な
シュートも放ちましたが、曽ヶ端がセーブ。特に林のシュートをはじいた場面は、東京の応援席から見ても
なかなかの美技でした。そのまま、試合終了。最悪の展開で、鬼門カシマでの黒星を重ねてしまいました。
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2013年5月25日(土)17時キックオフ @カシマサッカースタジアム
東京 2 - 3 鹿島 得点:李忠成、渡邉千真
スタメン:権田、徳永・森重・チャンヒョンス・太田、高橋秀人・米本・ルーカス・東・李、渡邉千真。
交代は李→田邉、ルーカス→平山、田邉→林。
交代は李→田邉、ルーカス→平山、田邉→林。
鬼門カシマ、眠れる鹿が目覚めて、魔界への門が口を開けてしまいました…。
飲み込まれていくチームを、支えきれず。サポーターとして、これほどつらく、悲しいことはありません。
もちろん、選手はもっとでしょうね…。かつて鳥栖に、逆の展開でホームで逆転勝利したことがありましたが、
やられた方はたまらないですね…よく分かりました。ネバーギブアップ!!カシマで笑う、その日まで!