ト~キョ~の10番は♪っときて、ついに誕生したのが、カンテラ育ち・ファンタジスタタイプのナンバー10、
江東区生まれのそう、我らが梶山陽平です。その梶山、ついに海外移籍成る!と。
行き先はヨーロッパ、ギリシャのパナシナイコスだそうで。ずいぶん懐かしい名前ですね…。ギリシャ国内では
言わずと知れたビッグクラブです。僕がサッカーを見始めた90年代には、国内では無敵という印象があります。
東京ファンとしてはもちろん寂しい気持ちはありますが、我がクラブの選手、しかもカンテラ(下部組織)育ちの
選手が海外移籍となれば、期待・応援する気持ちの方がずっと強いです。しかしチームとしては、というと…
実は、梶山の評価はファンや有識者の間では、けっこう高いです。これも東京ファンならばお馴染みです。
梶山は、まずボールを奪われないです。上半身と手の使い方がうまいというのは、かなり前から言われていた
ことです。そして独特のパスセンスをもっていて、味方のパスをダイレクトではたいて、膠着しがちな東京の
サッカーに、リズムを生んでくれます。他の誰にも真似できない、独特のセンスが光って見えるのです。
ところが欠点もあって、そのプレーがハマるとき、ハマらないときがあるということです。パスの質もいい時と悪い
時の差が激しく、悪い時にはチームの足を引っ張っているようにしか見えません。スタンドから見ていて何度、
ため息をついたことか…。感動と、失望のため息。天使と悪魔の顔、両方を併せ持つ、それが梶山です。
顕著だったのは、今年のシーズンの最終2試合。アウェーガンバ戦では、なんでもないパスを全て敵に渡して
しまう、とんでもないようなあり得ないパスミスを3回も連発して、即刻交代アウトとなってしまいました。ところが
翌週の最終節・仙台戦では、中盤の王様として自由に動き回り、好アシストでネマのゴールも演出して見せた
のです。結局、何年経っても、いまだに梶山はこの通りです。だから東京は、簡単に負けたり勝ったりするんだ
と、本気で思ってしまうほどです。
ファンタジスタはいらないと言う監督がいますがその意味が良く分かります。梶山は「替えの利かない選手」。
それはそうでしょう。しかしその才能に期待して使ってしまうことで、とんでもない代償を払わされてしまうことも
しばしばあったのです。痛し痒し、だったと、今でははっきり思います。諮らずも来季の東京は梶山に頼れない
状況に追い込まれることになりました。「脱・梶山」。それは、ファンタジーを欠くことになるかもしれませんが、
この世で「才能」という言葉の反対側に位置する、「努力」で勝つ力を身につける絶好の機会だと言えます。
僕はもちろん、スタジアムにファンタジーを求めて足を運ぶのですが、愛するクラブに求めるのは、ファンタジー
以上に、まずは真摯に戦う気持ちと姿勢です。努力です。ファンタジーは、その後です。