ダ・ヴィンチで連載中(現在は第2部)の山岸涼子の漫画です。
バレリーナを目指す少女の成長物語。主人公は小~中学生の六花(ゆき)。

バレエの才能に恵まれプロを目指す姉の千花といっしょにバレエを楽しむうちに、いつしかバレエの
とりことなり、周囲の人間との競争や運命に葛藤しながら、才能を開花させていくというこれが実は
ものすごく熱いストーリー。…というのは10巻まで読み終えてやっと認識・総括できます。

主人公の六花はのほほんとバレエを楽しんでいたのですが、周囲の人間たちに巻き込まれていくうちに
自分なりのバレエの楽しみ方を見つけ、そして型どおりに踊るのではなく自ら振り付けをしバレエで
表現するコリオグラファーという職業(といいますか)の才能に目覚めるに到ります。

それまでの過程がすごい。バレエ教室に通う子たちは欲しい役のためならば、やせるために拒食症に
なってしまったり、お金を稼ぐために児童ポルノのバイトをしたり、姉の千花は靭帯断裂のケガを
負ってバレエへの道を中学生にしてあきらめるかどうかという過酷な決断を迫られたり…。

9巻まで登場キャラみんな波乱万丈です。常に漂う緊張感、不幸のカゲは至高の高みを目指す者のみに
迫る運命の足音。飛び込んだ時点で翻弄される運命なんですね。そこに飛び込んで葛藤しながら
夢をつかもうともがく少年少女たちがひたすら健気でドキドキします。

一流のプロを目指す世界には、ただ厳しいというにはあまりに過酷すぎる競争があり、少年少女に
とっては生きるか死ぬかの戦いで。才能がないものがそのことを受け入れるのは死と同等なほど、
目指す高みが高いほど、真剣に思えば思うほど、失う時のショックや受ける傷は深い。

だから夢を見ないのではなくて、それこそが生きる力になりえるってことじゃないですか。
自分を信じる力を持った主人公が最後に自分の隠れた才能を開花させ明るい結末を迎える第一部は、
最後の最後ですべての伏線が結びついて、主人公・六花の踊るバレエシーンが、細い描線で描かれた
絵柄以上の迫力をもってドカーンと繰り広げられます。バレエのこともそれ以外のことも、いろんな
ことを乗り越えて才能が花開くんですよ!!


これは、感動しますよ!!!
中学・高校の部活レベルでもこういう気持ちっていうか、こういう感じってあったじゃないですか。
試合に勝つ、競技者としての疑似体験。その厳しさと尊さといいますか。
まっすぐな気持ち??目標が明らか(試合に勝つ!という)だからこその。

手塚治虫漫画賞の大賞を何年もノミネートされたのちに獲得したのもなるほど、最終巻で一気に
輝く主人公を見て納得の漫画でした。いやあ、ドキドキしますわ!!!
絵はときどきアレですけどね(笑)!!バレエのポーズはキレイに見えるからそこはさすが!!