ブックオフは本当に素晴らしくて、ハードカバーの本が半額、場合によっては105円で買えます。

『ジーコ備忘録』という本を買いました。昨年の5月17日に出た本で、全日本代表監督ジーコが
出版当時ようやく1年が経過した、2006年のドイツワールドカップを詳細にふり返って自ら語る、
という本です。ジーコの言い訳、と言えばそうなんですが、あの時代表に何があったのか、何が問題
だったのかを把握することができます。105円ではなかったですが、内容を見て、お得でした(笑)。

結局、ジーコは選手の自主性にゆだねてチームを鼓舞し続けた。
ところが、選手たちは最後まで踊らなかったと。

ワールドカップの惨敗は、オーストラリア戦の8分間(3ゴールを決められた悪夢の8分間です)、
さらにその前の坪井の負傷交代全てだったと書いています。ただ、あの試合の後に帰りのバスの中で
ジーコが目にしたものは、打ちひしがれた選手たちばかりではなく、携帯ゲームに興じて笑い声すら
あげる選手たち
の姿だったと。国の威信をかけた戦いに、敗れた直後なのに!!僕もショックでした。

プロとはこういうものだ、ということから教えなくてはならないのだろうか。
そうではないはずだ。彼らはわかってくれているはずだと。
しかしそんなジーコの期待は、最後に裏切られることとなってしまうわけです。ワールドカップに
出ているんだぞ!?そう叫んだところで、何も伝わらなかった。ジーコは何も変えることが
出来なかったということです。

日本人は指摘されないと気づけないのか。問題は、日本人独自のメンタリティに帰結するのか。
…どうなんでしょうか。元来そうだということではなく、まさに日本人が今かかえている問題に
結びつく
ような気がします。今の代表にもつながるような課題が見えてくるような気がします。
現実を受け止める力、戦う意識、プロ根性、勤勉・道徳的といった日本人の美徳、そういったもの
たちの欠如です。

そんな代表チームに投影された、よどんだ雰囲気を変えてくれそうだったのがオシムであって。
一般の人たちもそこに共鳴した、とは言いすぎでしょうか。もてはやされたオシム語録は、日本人が
オシムの言葉の中に、閉塞した現状を打ち破ってくれそうな“何か”を見出していたからでは
ないでしょうか。日本人よ、日本人らしくあれ。そして、誇りを取り戻そう。オシムの目指すところは
それでした。サッカーに於いて、ですが。

話がそれました。時期悪しく代表監督を務めたジーコはちょっと不憫だったなあ、と思います。本書を
読んでいると、チームに蔓延した倦怠感をなんとか打破しようとしながらも、それに打ち勝てない
ジーコのため息があふれています。今度日本に来ることがあれば、温かく迎えてあげたくなってしまう
ほどです。「アリガトウ、ニッポン」と言って引退していった、コインブラおじさんを…。
終わったからこそジーコには「お疲れさま」と言えるんであって。当時は必死でしたからね…。
ジーコのためにも、前進しなくてはいかんです。日本が強くなることが、一番ですよね。