2003年、ソフィア・コッポラ監督作品。
主人公はビル・マーレー(ゴーストバスターズの4人のうち、シガニー・ウィーバーと仲の良かった
あの博士の…)って分かります?彼がハリウッド・スターのボブ・ハリスという人物の役。
昔一発当てて一時代を築いたものの、今はオッサンになって日本でウィスキーのCMに出るような
ちょっと落ち目な感じの俳優役です。ちょっと枯れた、洒落っ気のあるオッサン。イメージピッタリ
です。そんな彼のお相手、ヒロインはスカーレット・ヨハンソン。新婚ホヤホヤ、大学を出て2年の若妻
というから設定は24、5歳というところでしょうか。ダンナはカメラマンで日本での仕事にくっついて
きたものの、ダンナに置いてきぼりにされてちょっとホームシック気味、結婚にも自信喪失気味の寂しい
女の子シャーロット役です。そんな二人が出会うのは、やってきた外国の地、東京なわけです。

さて、前置きが長くなりました。
この二人が、お互いホームシックみたいな感じになっているところでたまたま出くわし、仲良くなって
なんとなく意識し始めて恋にも似た感情を抱くのですが…。という話です。

旅先で知り合った者同士っていうのは特別な連帯感というか、仲間意識を持ってしまうと思うんですが、
その時自分が今置かれている状況、特に対人関係があまりいいものでではないとすると、その人間関係の
間での違和感と、旅先で一人きりという状況での違和感が重なって、自分自身を見つめたときに
尚更寂しくなってしまう時ってあると思います。そんな時、お互い似たような境遇をもった男女が
出会ったとしたら・・・。ボブとシャーロットもそんな境遇で出会い、特別な感情を育てていきます。
しかしそこは旅先だけの間柄、お互い自分達の生活に戻らなければなりません。別れの日、先に国に
帰るボブを見送ったシャーロット、ホテルで分かれる二人。何もなかったかのように、エレベーターに
消えたシャーロットを見つめるボブ。連絡先も交換しないまま…。お互いに踏み込まないまま、最後の
一線は踏み込まないまま。空港までの道、車の中から偶然シャーロットを見つけたボブは、急いで車を
駆け下りて、シャーロットを追いかけ、もう一度再会したところで抱きしめるわけです。耳元でささやく
言葉は聞こえませんが。これがなんとも言えない切ないシーンで。きちんと、なんていうか特別だった
この数日間をありがとう、みたいに。二人の出会いに意味を与えるんですよね。きちんと。で、お互い
確認するんですよね。「あんたに会えてよかったよ!」っていうような。で、笑顔でバイバイ。

ちょっとした出会いが生きる力をくれることってあると思うんですよね。それをうまいこと描いてるかな
と思いました。東京の風景も、二人が出会う前はつめた~い無機質な感じだったのを、最後は太陽が
暖かく祝福してくれているような絶妙の光加減で美しく見えて。また日本も凡百の映画と比較すると
大変良く描けていると思います。まあ、多少の違和感はありますがそれが客観的に観た時の東京、
ニッポンなんだろうなと。登場人物と同じ、アメリカ人が観たらどういう風に感じるのかな、と思い
ました。京都をぶらつきながらシャーロットは何を考えているのか?とか、リアルにアメリカ人は
どういう風にとらえているのか、そんなことを想像しながら。主演二人が上手で素敵です。うん。
唯一、バーで歌うアイドルを二人が手を繋いでこっそり通っていくシーンは意味が分からなかったです?
しかし分かるな~。出張先で出会った女の子と交わす、なんていうか淡いそういう関係。違う??
出会いってのはそういうもんでね。せっかくだから、何とかしたいですよね。お互いハッピーに。

60点くらい…/100点中 こんなもんで!?でも面白いです。色々いい感じ。東京を使ったのも。