会社を辞めることになった方がいる。この3月いっぱいで。15年も勤めあげたというから驚きだ。
もう還暦を過ぎたおばあちゃんなのだが、根っからのバイヤー気質で社内外に有名だった。
僕の会社は小売業に属し、入社した時50弱だった店舗数も今では150近くになろうとしているが、
その方はオリジナルの1店舗のみだった時からずっと会社に在籍していた人で、今は会長となって
しまった元社長とも縁が深い。今の会社の上層部がどんなに偉くなっても、この方の後輩というわけだ。
ウチの会社にしか取引がなかったような会社も、今じゃそこそこ大きくなって、という人も多くて、
そういう人たちに言わせるとその方のお陰で、ということになるらしい。半分社交辞令半分本当だろう。
その方も元々自分でお店をやっていたのをたたみ、今の会社に応募した、ということらしかった。
家の近所だったから、という点では僕と一緒だ(笑)。

縁あって半年間同じ部署、隣のデスクで仕事をした。この人の息子さんがイングランドでサッカーの
コーチをしていると聞いて、どんとこい!で意気投合。ウチにあっても仕方ないから、といって
2002年日韓ワールドカップの稲本のサイン入りユニフォームをもらったり、何より昨年の
ドイツワールドカップではその息子さんのはからいでチケットをとってドイツに行くことが出来た。
机を並べた半年の間、会社では大きな事故もあり組織変更もあり、いまでは当時の仲間は半分以下に
なってしまった。一緒に生き延びてきましたね、という自負もあるにはある。

その方は今、一スタッフとして柏のお店にいた。今日は仕事も作って、手土産持って会いに行った。
顔を合わせるとお久しぶり!と言って、「アフリカのワールドカップ(2010年)には力に
なれそうにないね」なんて仰る。
息子さんは来月長く滞在したイングランドから、日本に戻ってくる
とのことだった。共に2010年を目指しましょう!なんて冗談で言っていた。
僕のサッカー狂いにとても喜んで、心から感心してくれた。ブランド品やぜいたくが好きで、言いたい
ことはすぐ言っちゃうような気分屋で、それでいて品がある、生まれながらの勝ち組といったイメージ。
「辞めたら家にいると足が弱くなるから色んなところに旅行に行く、そのためにシャネルのリュック
を買ったのよ。
」だって。そりゃいいっすね!なんていいながら、隣のJASCOのレストランで。

ふと思いついて、会長に会いに行きませんか?とふってみた。
「会いたいわね」なんてちょっと満更でもなさそうなので、会長に会ってもらいたくなった。
早速会社に聞いてみようと思う。こういう人ならば、会長も会ってくれるはず。そうだと少し嬉しい。
そうでなかったら、実現しなかったら僕は少しガッカリしてしまうかもしれない。
そしてそれが、その人へのはなむけになればいいなと思っている。