夜中に年賀状用などにイラストを描いていたら、あまりの出来の良さにかなり興奮してしまった。
自分で描いていて自分でそこまで興奮できるのだから、すごく幸せだと思う。
僕は絵を描くのが好きで、マンガやイラストを描いて大学時代は漫研にいた。

手塚治虫が言ったらしいが、絵を描くことの素晴らしいところは紙とペンがあれば描ける点だと思う。
それだけで自由を手に入れられる。漫画はさらにその絵を規則に基づいて配置し物語を作ること。
まっさらな紙の上に、世界の創造主としてゼロから100まですべてを作り上げることができる。
自分の頭の中のイメージを紙の上に忠実に再現する作業は、自分と向き合う作業でもある。
描きたい物を多面的に思い浮かべて絵に起こしていく過程は、世界と向き合う時間でもある。
絵を描いている時は何よりも集中している。自分が自分を取り戻したような気分に、いつもなれる。
そのうえ紙の上に完成した自分の絵を見たときに得られる万能感、達成感。これは何物にも替え難い。

…ただし!これは漫研の偉大な先輩が仰っていたことだが、“描く”ということは“伝える”こと。
見てくれる誰かがいて、描く価値がある。また見てくれる人のために、描く側は心をこめて丁寧に描く
べきだと思う。作り手の描いている時の気持ちは見る側に伝わるから、一生懸命になるべきだ。
仕事だ!と思って描いた絵は仕事で描いたんだな、と自分でも思うようなスキだらけだし、それ以上に
スゴイ!!という感動は沸きあがってこない。絵は正直で、描き終わってしばらくして人と一緒に
眺めてみると、描いていたときの自分が見ている僕を見つめ返してくるように感じる。

さて、漫研にいた頃のように漫画を描くことは、社会人になってから機会がなくなった。
しかし形を変えて、描くことはやめていない。仕事で絵を描くことがたまにある。マニュアル用の挿絵や
漫画形式のマニュアル、ちょっとした挿絵、イラスト、カットなどだ。先日は販売陳列棚の例を
イラストで描きおこした。大変だった。今日描いたイラストも、たまたま知人に依頼されたカットだ。
この人は職場の元上司で、今は違う会社で違う仕事をしている。その人から久々にメールがあったと
思ったら、こういうカットイラストの作成依頼だった。ちょうど年賀状用のイラストを描いていたので、
一緒に描いたりしていた。このように、社会の中、仕事の中で絵を描くことを僕は意図的に選んだ。
絵を描くことを仕事にするのではなく、仕事をしながら絵を描くことにした。
「芸は身を助ける」とは本当によく言ったもので、こんな絵でも描くとか好きとか言って常に宣伝して
おくと、何かと巡り合わせのようなもので、絵を描く仕事のようなものが廻ってくる。
こんなのが積もり積って、そのうちあちこちに散らばった知り合いに頼まれる絵の仕事を引き受けて
メシでも見返りにおごってもらったりなんかして、それで楽しくやっていけたらいいなあと思っている。

去年の年賀状も描きあげた時にはヨシ!!なんて思ったものだが、今年の年賀状の絵と比較すると
今年の方がいいなあ、と思ってしまう。現時点で色を塗っていないので、色を塗るとショボくなって
同じくらいになるのだろうか。不思議だ。来年は来年で同じことを思っていると思う。だからきっと
毎年毎年うまくなっていっていると思っている。今年の年賀状は、毎年干支を描いているのだが
来年の干支イノシシは、イノシシというとどうしても「もののけ姫」の乙事主というイノシシの神様
が思い浮かんでしまい、ああいうオドロオドロしいバケモノじみたイノシシを描きたくなってそういう
感じにした。正月早早とは言うがオドロオドロしものは魔除けになるというので悪くないんじゃないかな。
というわけで皆様よろしくお願いします。今年も名簿のあるメンバーは送りますので。

写真:去年の年賀状(カラー)、今年の年賀状(白黒)、頼まれたカットイラスト(白黒)。
ああ、それと僕からの年賀状が欲しい!という方はメールください。頂いた方には送ります。
m_ikeba@yahoo.co.jp
まで。何やってんだかアレですが、ブログなので。こういうのは義務だと思うので。よろしくお願いします!