ナビスコカップの決勝前日です。今年は鹿島ジェフの対戦となりました。
リーグでは不調の鹿島と、好不調の波が激しいジェフ。始まってみないと分からないようなカードです。
ナビスコがここまで注目されるようになったのは(サッカーファンの間で、ですが)最近です。

ひいき目に思われるかもしれませんが、大会のステータスアップにはFC東京も少なからず貢献したと
思っています。FC東京は2004年にナビスコカップで優勝したのですが、あらゆる要素が劇的でした。
昇格以来初タイトル、前年度王者で3年連続出場だった浦和を破って…。しかも浦和はエメルソン、
田中達也の2枚看板にした攻撃的サッカーでリーグを席巻、結果的にその年のリーグ・チャンピオン
に輝くという、今年リーグで首位にいるその前段階として注目を浴び始めていた時です。
東京から見れば明らかに格上の相手、サポーターも終結し真っ赤に染まる国立競技場ならば、と試合前の
大方の予想はレッズ優勢。試合が始まるとさらに悪いことに、前半で東京の守備の要ジャーンが退場。
窮地に陥る東京でしたが、全員守備でレッズに得点をゆるさず、実に120分間を無失点で乗り切り、
最後はPK戦で優勝を決めたのです。まさに奇跡というような初タイトル奪取は、全ての東京サポーター
にとって最高の思い出として刻み込まれているはずです。

あの日だけFC東京サポーターが歌った「GET THE CUP~カップを奪い取れ」という歌が
あります。今のSOCIOならば大体ご存知なのではないでしょうか。
ラ~ラ~ラララララ~  ラ~ラ~ラ~ラ~ カップを奪い取れ~ 掲げろ東~京~♪
という歌詞を歌えばあの日のことが思い出され、誇りがよみがえって体が震えますが、それまでの優勝
チームはリーグに付随した形での強豪チーム。鹿島、磐田、ヴェルディ、清水、マリノス。
柏は前年度2ステージ通算で最も多く勝ち点を稼ぎながら、2ステージ制の妙でチャンピオンシップに
出場できなかった「陰の王者」だったことを考えれば優勝も想定外ではありませんでした。
そういう意味では、東京は完全なアウトサイダーとしてまさにカップをさらっていったと言えると思います。
その年レッズが初のリーグ制覇、翌年はジェフがナビスコ、ガンバがリーグタイトルを獲り、Jリーグ
はいよいよ新しい時代に突入しています。その先駆者となったという自負が、密かにあるのです。

昨年は開幕以来Jに参加している中で無冠であった最後の2チーム、ガンバとジェフの対戦。
ガンバはアラウージョが爆発的な得点力でリーグ得点王の活躍、二冠も狙える状況下での決勝進出。
対するジェフはオシム政権3年目、リーグでは準一級の力を持つチームへと成長を遂げたピークでの
チャンス。これもまたスコアレスドローの後のPK戦での決着でした。弱小貧乏チームだったジェフが、
Jの歴史に残る名将(クラブから代表監督への昇格はJ初!)オシムの下で伝説となった瞬間でした。

ここ数年を振り返ると、東京の前の浦和も含めて3年連続でいずれも優勝チームにとっては初タイトル。
この点とレッズの3年連続出場による観客動員(そうなると自然、試合内容も白熱するのです)という
副産物がもたらしたドラマ性が大きな力となって、ナビスコ決勝はそのステータスを高めたといえます。
今年もそれに劣らない、熱い結末を期待しましょう。リーグで中位をさまよう両チームですが、勝つため
にはモチベーションがいかにものをいうか。両チームがそれを取り戻せば、リーグ終盤がまた面白くなる
かもしれません。