『オリバー・ツイスト』を見てきました。
19世紀イギリスを舞台にした貧しい少年が幸せをつかんでいくまでの話です。
主人公は大変純真無垢な性格なのです。これが前編通しての大変重要なポイントです。
孤児で当時の収容施設救貧院に収容されますが、食事をもっと食べたいと申し出たことで救貧院を
追い出され奉公に出されてしまいます。そこでの陰湿なイジメに対してまた主人に怒られ、仕方なく
自分の足でロンドンを目指して一人歩き始めます。命からがらフラフラでたどり着いたロンドンで
スリの一味に拾われ泥棒稼業の片棒を担がされてしまいます。スリのターゲットだった紳士に見込まれ
養子同然に迎えられた少年でしたが、スリの一味は自らの罪が露見することを恐れて少年を狙い…。

なんて感じのストーリーでした。
何度もリメイクされているそうで、ヨーロッパの名作小説のような教説的なにおいも多分にしました。
主人公の少年が素直さで人生の日なたへと徐々に歩み進んでいくのですが、人間万事塞翁が馬という
部分と、ずいぶん都合いいなあなどと、色々な見方ができるのではないでしょうか。
正しく生きたいという欲求が人間にあって、その気高い心や人間の同情や善意こそが人間を貧困や孤独
から救う、といったメッセージが込められていると感じました。

さらに特筆すべきには、衣装やセットなど19世紀イギリスの風景描写が緻密で、大変印象的でした。
暗く、曇りか雨ばかりのロンドン。馬車が行き交う道路、全体的に冷たく汚い感じがしましたが、
ここから世界史を変えた産業革命が起こったのかと思うと、まるで奇跡のようだな、と思いました。
主人公の少年も大変可愛いです。バーニー・クラークというイギリス人の12歳の少年俳優だそうですが
最近『ロード・オブ・ザ・リング』や『ナルニア国物語』などファンタジーをモチーフにした映画が
多いですから、妖精のような美しい主人公といったこの手の顔はまたどこかで見かけそうな感じです。
感動する方もいらっしゃるようで、よく出来た映画です。普通に。

採点は 55点/100点中。