医療的ケアをもっと知りたい人のためのブログ -3ページ目

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19Mar
- バイタルサインのつかいかた
  バイタルサインはその人がどんな状態なのか、を知るためのサイン。体温、脈拍、血圧、呼吸、（意識状態）の事を指します。これらには、大体これくらいだったら大丈夫という　正常値がありますが、実際には、その数値だけでなくその人の状態を見て、総合的に判断します。たとえば、「あっ、熱が３７．５度だ！」　というときに単純にその熱だけで状態を判断することはできません。発熱している、というのは紛れもない事実ですがなぜ、熱が出ているのかいいかえればなぜ、その値なのか　をわかることができる情報がさらに必要になります。その人の状態の情報もあわせて必要です。実際、知りたいのはバイタルサインの異常を知りたいのではなく、バイタルサインがおかしい理由は何だ？ということです。
18Mar
- 消化腺
  消化のしくみ、その２は消化腺のお話です。消化管は、食べ物が通る道。消化腺は、消化に関わる臓器。唾液腺、肝臓、膵臓、（胆嚢）、などがこれらに入ります。これらから、消化液がでます。ひとくちに消化液といっても、それぞれの得意分野があります。唾液は炭水化物（糖質）胃液はたんぱく質胆汁は脂質を消化するときの乳化剤的役割膵液と腸液は、三大栄養素すべてに関わります。上に書かなかった　胃腺と腸線は多くのテキストに書いていないので書きませんがよくある本には、「消化腺は、消化酵素を出す器官」　とあるので　本当は・・・唾液腺、胃腺、肝臓、膵臓、腸線が、正解です。胆嚢はちなみに、肝臓で作った胆汁をためておくだけの器官ですから消化腺、とは言いがたいのではないかと思いますが・・・とりあえず来年の試験対策としては、テキストのとおりに覚えておくのが無難でしょう。
17Mar
- 季節を感じる
  たまにはゆるい記事にしましょうか。夜はまだ寒いですが、昼間はあたたかくなりましたね。そろそろコートも春物に着替えていい頃かな。桜はまだほとんどが蕾ですけどうちの近くの桜はもう半分散っていました。春は心もからだも、衣替えの時期。何かとゆれる場面も多そうですが、季節を感じる余裕を持ちましょうね。
15Mar
- 消化管
  食べる、ということを日常的にしている私たち。しかし、食べたそのあとはおなかいっぱい、とか　そういうことくらいしか実感がありません。食べたその後、からだの中で何がおこなわれているのか！消化のしくみのお話で最初に出てくる消化管と消化腺消化管は食べ物の通り道消化腺は消化に関わる器官今日は、消化管のおはなし。消化管の蠕動運動は食道から肛門へ向かって一方向へ食べ物を導く動きです。これが程よく動いているのが理想で動きすぎれば下痢動きが悪いと便秘になります消化管の動きを悪くするものは主に運動不足やストレス。自律神経のうちの「副交感神経」の働きがこれらの原因で悪くなるからです。そして排便するときに使う筋肉「腹筋」。意識しないと徐々に衰えてくるので日ごろから意識して鍛えておくのがいいですね。
13Mar
- 標準予防策って
  先日書いた感染のお話で不親切な部分がありました・・・http://ameblo.jp/ikea358/entry-12254258760.html感染経路をやっつけるためにおこなう、標準予防策。標準予防策って何だ！説明がないぞ！とクレームが来てもおかしくありません。すいません。遅ればせながら、これから説明します。標準予防策　とは感染が広まらないようにおこなう衛生的な行為のことで・手指衛生・呼吸器衛生・個人用の防護具の3本立てとなっています。これらをおこなうことで、感染予防ができる、スタンダードな方法、というものです。手指衛生とは「手洗い、手指消毒」手洗いは石鹸と流水で15秒以上かける。手のひら、手の甲、指の間などくまなく洗うこととなっています。呼吸器衛生とは、感染者の咳によって菌を撒き散らさないようにマスクをしたり隔離をすること。インフルエンザ疑いのときに別室に通された経験はありませんか・・・？アレのことです。防護具とは、手袋やマスク、ガウンなどのこと。ケアするものが、「自分は犠牲になっても・・・」なんて謙虚な気分で素手で感染者に触れてしまうと菌を取りきれなかった洗ったつもりの手で、ほかの人に感染をさせる可能性があります。かつては　ディスポグローブをした手でケアをするのはぬくもりが感じられない！と、とくに介護系の現場では嫌われ、素手でお風呂に入れたりしていたこともありましたが、近年ではやっと、感染に対する認識ができてきて多くの現場で　ケアの時にはグローブをするルールができたようです。しかしまだ一部の現場では、コストの面などで対応しきれないというお話も聞きます。・・・　安易な感染予防の実施で院内感染したほうが、よっぽど経営的にもまずいのでは、と個人的には考えますが。まあいろいろ事情があるのでしょうね。そんな中で働く皆さん、できる範囲で知識を集結して、自分も相手も守れるケアをしてください。
12Mar
- 食べること
  経管栄養が必要な状態は、・嚥下機能が低下した・栄養が不十分のふたつであると、テキストには書いています。しかしその前に、心理的なイメージも膨らませておくことがこの仕事をするならば必要です。経管栄養をしている、ということは普通に食べていない状況です。普段私たちは食べることで、栄養補給のほかにも心の満足感　も得ているのではないでしょうか？だから、経管栄養をしている人は食べることで得られるはずの心の満足感が得られない　ということです。声かけにも配慮が必要です。「お食事ですよ」というのが一般的に賞賛されていますが人によってはこんな味気のないような　ジュースみたいな　しかも口を通るわけじゃなく勝手に胃に送られてくることを歓迎していない人もいます。ただ、安全におこなうだけでなくそのひとがどんな気持ちなのかそういう配慮が、この仕事には必要です。
10Mar
- 感染の要因は
  感染が成立する3つの要因・感染源・生体の防御機構・感染経路でしたね。この３つのどれかをやっつけると感染はしない、ということです。ですので・感染源←　抗生物質投与、消毒など・生体の防御機構　←健康法で免疫力アップ・感染経路　←　手洗いなど　標準予防策の実施という対策をとればいいわけです。1ケア1手洗い　はこの仕事では基本中の基本。優しい笑顔をふりまいてても汚れた手でばい菌をふりまいてしまってはまったくやさしくありません。手洗いができなければ、手指消毒剤を使いましょう。さらに洗った手はぜひ、ペーパータオルかエアータオルで仕上げを。タオルやハンカチは使ううちに湿って菌の温床になりかねません。大昔の病院のドラマにあったような洗面器に水をためておいてタオルで拭くなんていうのは、ばい菌にとってはサイコーの環境。風情があって実はちょっと好きですが、衛生的にはよくないです。
08Mar
- 迷走神経反射とは
  喀痰吸引のところで話す「迷走神経反射」一見、たいしたことなさそうに見えるかもしれませんが、けっこう大変なことになります。まず、迷走神経、というものが食道や気管、内臓に分布していてそれらによって　各臓器が動いたり調整されたりしています。自律神経、という言葉、覚えていますか？神経系は連動しているのである部分で過剰に刺激されたことが　ほかの部分にも影響してしまいます。たとえば「すっごくショックなことがあった」「ものすごく痛かったけど耐えた」などという負荷がかかると失神血圧低下心拍低下冷や汗などが症状として現われます。これらが、吸引の刺激によって起こることもあります。吸引の範囲は「咽頭の手前まで」この範囲を超えるとこの　迷走神経反射が起きやすくなります。これらの症状は生理的な反応なので、数分ほどで回復することがほとんどですがそれをきっかけに不具合を生じることも考えられるので十分な注意が必要ですね。
07Mar
- 医療の倫理２
  先日に続いて倫理の話です。責任を持って関わるのが大事、という内容で先日は書きました。そのなかで　インフォームドコンセントという言葉もでできましたが覚えておりますか？インフォームドコンセント　は説明をして同意を得ること。大きなことから小さなことまでケアに関わる人はかならずやっていることですね。個人の尊厳と自立　のことろでも自己選択の権利というのがでてきます。幸福追求の権利　というのが日本にあり、そのなかでうたわれているものです。ですから、説明を聞いても同意しない権利があります。ちょっと斜めの見方かもしれませんがこの仕事をしている人って説明したらうんと言うはず、とどこかで思っていがちです。笑だから、答えがイエスでなかった場合、焦る。焦りが　強引なケアになることもありそうです。心の余裕がないとこの仕事は十分にできません。せっかくやるのであれば、責任のある仕事をしましょう。そして、医療の行為が関わる場合は生命が優先である、ということもポイントになります。たとえば、スイーツが大好きな糖尿病のおばあちゃんが「まいにちお団子10本食べないといやだ！」といったとき、どうしますか？本人の気持ちにフォーカスしてお団子を許可するか、本人の生命にフォーカスして、食べては病状の悪化につながることを説明し理解を得る努力をするか。この業界はサービス業とも言われますがほかのサービス業との一番の違いは、ココだと思っています。ぜひプライドをもって関わりましょう。
06Mar
- 医療の倫理
  医療的ケアのおそらく冒頭で習うであろう「医療の倫理」うちの学校で使っているテキストには医療の倫理の原則　というタイトルで９つの文章が書いてあります。それらを要約すると医療に携わるものは、スキルや知識ももちろん必要だけど人格を高めたり人を受け入れる器の広さも必要である。関わる方へ責任を持って対応し、安全に努めよう。そのためにはつねに向上することにも努めよう。・・・みたいなことが書いてあります。（ずいぶんまとめすぎましたが）大事なのは、目の前の人に対する責任を持てということでしょう。そのベースの心があるのなら、・　ニーズにこたえられるように知識と技術を蓄えよう　と思うだろうし・　簡単に個人情報を漏らしたりしないだろうし・　かかわるときにはかならず声をかけて確認しながら進める（インフォームドコンセント）だろうしまあいろいろと、行動に活きてくるはずです。それがなくなるとやっつけ仕事になります。だって、忙しくてやってられないでしょう、この仕事は。フレンドリーなつもりですっごくなれなれしい態度になっていないか。利用者さんのことをネタにしてスタッフで笑ったりしていないか。春から新人さんも入るところもあるでしょう。今一度、行動を振り返るにはいい時期です。